Aegus laevicollis subnitidus
ネブトクワガタ
体長14〜33mmぐらい

ネブトクワガタ(東京八王子加住丘陵産)
私自身もそうでしたがネブトクワガタってどんなクワガタか
はじめて名前を聞く人も多いと思います。
実際に見るとサイズも小さく、スジクワガタをさらに小さくし、
オオクワのような顎をもった何ともいえないクワガタムシです。
世間一般的に言えば、愛好家以外にはあまり興味をもたれない
クワガタムシといえるでしょう。
ただ外国のプラティオドンネブトクワガタのようにサイズが
ある程度あったら日本でも1,2を争うぐらい人気のクワガタムシと
なったかもしれません。


生息場所は?
 ネブトクワガタは、本州以西には数多く見られるようですが、ここ東京では数は少ないと思います。
 里山周辺というよりは、二次林に近い場所でどちらかというと丘陵地帯の湿った森のような所に生息しています。
 生息場所としてよく本や図鑑などに紹介されてでてくるのが高尾山です。
 今現在、生息確認できているのは、私が実際に経験した場所では八王子3ヶ所と青梅です。(離島を除く)
 過去の採集記録など合わせてみても7ヶ所しか報告がありません。
 関東では、分布が局地的で個体数が少なく希少なクワガタムシの一種でしょう。
採集について
 東京におけるネブトクワガタの採集はとても大変で、他のクワガタムシ採集のようにちょっとした公園・林・森などのように
 ただ緑があればいるというものではありません。ある程度自然環境が残っており、いくつかの条件がそろってないと
 発見は難しいと考えます。

 また二次林のような場所のため、なかなか一般的な樹液採集も難しく、採集は材割りがメインになります。

 ネブトはよくモミの木の樹液に集まるといわれますが、ここ東京では、確かにモミの木が必ずそばにあります。
 クヌギやコナラの木のような特別な発酵臭もないのになぜ集まるのか不思議です。
  
 昨年、丘陵地帯で偶然にも樹液採集できた時の経験から、一般的に人は樹液が出ている木に甲虫類がついていると
 まず大きい個体のカブトムシに自然に目がいき、次にノコギリやミヤマや大きめのヒラタやコクワを見て最後のほうでやっと
 小型のクワガタなどを見るといったような行動をとると思います。その時好きなクワがいたら採集行動もとるでしょう。
 その間、他のクワガタたちは、隠れたり、落ちて地面にもぐったりします。ネブトクワガタも小さいため、もしそのとき木にいたと
 しても見過ごされている可能性は否定できませんし、子供が偶然捕まえ手に取ったとしても小さいためネブトと知らず
 他のコクワガタやスジクワたちとゴチャゴチャにケースに入れられいつのまにか夏が終わり闇に葬られているなんてことも
 あるかも知れません。本当はネブトクワガタは、もっと発見されているが興味がある人の間で騒がれているだけなのかも
 しれないのかな?なんて思ったりもします。
写真左 愛知県 ネブトがいたマツ材

積まれた材の下部の土壌になったような材にいました。
オオクワの立ち枯れのような材とはまるで違います。
ネブトを採るなら、材を割るというより掘って崩す採集といった
ほうが適当でしょう。
マツに限らず時間がたち半分腐葉土になりかけ赤く朽ちた材を
目標に探すのがよいと言われてます。

環境が重要視される東京のネブトクワガタは、いずれ神奈川の
ように絶滅種に指定されるクワガタムシとなるかもしれません。
愛知産ネブトクワガタ 埼玉県東松山産ネブトクワガタ
 
ネブトクワガタ(東京八王子高尾産) 
 
 ネブトクワガタ(東京都青梅産)