本屋さんにならんでいる昆虫図鑑、冊子などの紹介では
クワガタムシの成虫は、5月から9月に見られる。
カブトムシの成虫は、6月から9月に活動する。
活動時期は、初夏から初秋にかけて活動
のような感じで紹介されていますが昆虫図鑑の6月〜9月と紹介された文面を読んでいても私は勝手に「6月下旬頃から9月上旬頃なんだろうな」と想像してました。

 しかしながら実際クワガタ採集でフィールドに出始めるようになって、5月にはじめてカブトムシに出会ったときは驚きと共に感動した事を今でも覚えてます。
それまでは5月にカブトムシなどいるわけ無いと本の知識だけで頭でっかちになっていた私にフィールドの実体験の大切さを教えてくれた瞬間でもありました。そのうち頻繁にフィールドに出かけるようになり、だんだんとクワガタ・カブトムシの活動時期は、実際いつからいつまでなんだろう?と思うようになりました。
(樹液は、夏だけではなく1年中出てますが、発酵臭が漂うにはある程度温度が必要です。)

ホントの所、クワガタムシ・カブトムシはいつから見ることが
できるのだろうか?

カブトムシについては、かぶとむしの出現は?で、
ある程度自分なりに答えはでたかな?と思ってます。
クワガタムシについては、種類や新成虫、越冬個体など
違いはいろいろあると思いますが、東京の雑木林で
見られる個体がいつ頃から活動するのか出現時期で
調べてみました。


写真左
4/24夜8時の散策で活動していたコクワの写真

4月ともなると最高気温が20度を超し最低気温が10度を切らない日が徐々に増えてきます。
 これは秋の終わりの11月頃の気温に似ています。コクワガタは、最高気温が20度を超す日が
 何日か続くと表に顔を出し始めると思われます。
 実際、4月中旬ごろから昼間コクワガタが樹皮の裏側でじっとしているのを見かけます。
 4/15から3日ほど20度近くあった日が続き、夜8時の時点に15度を下回ることがほとんどなくなりました。
 活動していた4/24の夜8時頃の気温を見てますと約17度ありました。
 このくらいの温度になるとさすがにクワガタムシも動き回るのでしょう。 
10月、この時期世間一般の甲虫採集は終わるのですが一部のクワ好きたちは平地の林を離れ高山採集に
 でかけてます。
 寒くなってきたこの時期に、わざわざ近所の森や林にコクワガタを採りに行く人はいなくなります。
 なので実際に平地の雑木林などでクワガタムシがいつまで見られるのか正確に調べている人は
 あまりいないと思います。
(11月に懐中電気で夜歩くと怪しまれます)
 たぶん憶測ですがクワガタムシの活動がにぶる気温と樹液が出なくなる時期・数を総合判断して、
 一般論で9月ごろまでと表現していると思われます。
 唯一、アカアシ、ミヤマ、ヒメオオなどの高山種については10月ごろまでと記載されてます。

 実際、秋の活動してた時期を見てみますと、日中の気温が20度を切り始め、夜8時ごろの気温が15度を
 下回ると一気に樹液場のコクワガタの数も減りました。
写真左

11月10日 夜8時、気温16度
ライトで照らすと逃げ回るように隠れるコクワガタたち。
最後まで樹液がしみ出ている木に集まっている。
この光景は、クワガタが出始めた4月終わり頃とおなじ。

我が家では11月12日の夜、ストーブを出した。
さすがに夜家の中でも肌寒く感じるようになる。
この夜のコクワは一気に数も減り動きも鈍くなっていた。
この日を境に夜8時の気温15度以上は厳しくなる。
写真左

気温低下と共にクワガタムシの動きも一気に
鈍くなりはじめる。
夜8時の温度が10度をちょっと超えるかぐらいの日が続き
11月22日、ついにクワガタの姿は見えなくなりました。
樹液は、出ているのですがさすがに発酵臭もありません。


発酵マット作成に温度の関係があるように
樹液=温度=クワガタも同じような関係がいえるでしょう。


東京多摩地区において実際のクワガタムシの活動は、だいたい4月中旬〜11月中旬まで
屋外でクワガタムシを見られる時期は約7ヶ月間もあります。
クワガタムシ樹液採集は、夏だけのものと思いがちですが実際は春から秋までできるんです。
気温は、だいたい15度前後まで、部屋の暖房器具の使用が目安になるかな・・。