Various Countries

Artsruni (Armenia)

Cruzaid (2002: Musea FGBG 4446.AR)

  • Vahan Artsruni (g, vo)
  • Vahagn Amirkhanyan (g)
  • Arman Manukyan (fl)
  • Artur Molitvin (b)
  • Levon Hakhverdyan (dr)
  • Lilianna Hakhverdyan (per)
  • 中東にある旧ソ連に属したアルメニアのフュージョンバンド.

    情熱的な香りを漂わせた叙情的なギターにクールで少しもの悲しげな フルートが重なり,コテコテにならずに透明感のあるサウンドに仕上がっ ています.時にはアコギも絡み合い,繊細さも感じさせます.

    1 曲目は特に秀逸な曲で,スペインの Gotic の名盤を感じさせる曲で す.1 曲,ボーカル入りの曲がありますが,非常に音楽とマッチした声で 自然に聴けます.

    地域的な雰囲気は多少ギターのメロディなどに感じられる部分もあり ますが,それほど突出して目立つわけでなく,そういうのが苦手な人でも 苦にはならないでしょう.それでもヨーロッパやアメリカの音楽とは違う 雰囲気出していて,個性的な音楽です.

    (May 16, 2002)


    Discus (Indonesia)

    ...tot licht! (2003: INTREPID MUSIC / GOHAN RECORDS GPCD 1001(日本盤))

    前作は曲毎に雰囲気が違ってバラエティに富んだ作品で,作曲し たメンバーの趣味が曲毎に現れているのかなという感じでしたが,今 回は一曲の中に色々な要素が詰まっています.

    ジャズ,ポップス,民族音楽の要素のほかに,新たにメタル系 (ちょっとデスっぽい所もあり) の要素も含んで,更に面白い作品に 仕上がっています.演奏は前作同様非常にレヴェルの高い作品で,曲 の幅がさらに高くなったことで,より高い完成度になっています.

    (September 14, 2003)

    Discus 1st (Mellow Records MMP365)

    インドネシアのプログレということで,もっとアジア的な物を想 像していましたが,意外にアジア的なものは薄かった,かなりハイレ ヴェルなプログレバンドでした.

    とは言っても,出だしはちょっと妖術的な感じを漂わせながら始 まったりしますので,やはりインドネシア的なものが感じられる所は あります.曲によってかなり色彩は違っていて,曲を作った人の趣味 が反映されているのかな,という気がしました.

    というのも,ライナーには“Personal Thanks”として,各メンバー が影響を受けたと思われるアーティストの名前が書いてあって,プロ グレ系からジャズ,フュージョンからザッパまで多彩な名前が並んで います.それがわかるような色々な種類の曲が詰まっていると言う感 じですね.

    ガムラン的な味わいやイスラム教的な雰囲気のあるプログレ的な 大作から,キャッチーなポップな曲から,軽快で気持ちの良いジャズ・ フュージョン系の曲まで本当に上質な曲が並んでいますね.女性ボー カルもちょっと浮遊感のある良い声で個人的にはかなり気に入りまし た.使われている楽器もかなり多岐に渡っていて,ハープギターなん てのもありました.各メンバーのテクニックもかなりハイレヴェルで, 曲も素晴らしく,おすすめです.

    (August 22, 1999)


    Canamii (South Africa)

    Concept

    南アフリカのプログレッシブロックで,結構良いと聴いて買った ものです.買う前はブリティッシュロック的かなぁ,と思っていたの ですが,聴いてみると,結構辺境色豊かなロックでうれしくなってし まいました(^_^;).

    辺境物と言っても,演奏の質は全く問題ありません.でも,出て くる音楽が,なんか B 級ロック的な味わいで,なんとも言えない味 を出しています.すごく上質 (?) な B 級ロックと言えるでしょう. 女性ボーカルがまた辺境な味を強めています.

    アラブかインドあたりのラジオのスイッチを入れたら聞こえてき そうな要素や,ちょっとアフリカ的な味わいもあって,結構複雑でお すすめです.


    Dwiki Dharmawan (Indonesia)

    Nuansa (2002: Sony Music Entertainment Indonesia 505423.2)

    1 曲が Mike Stern (Band?) を迎えての演奏,1 曲がオーストラ リアでのオーケストラ入りセッションというインドネシアのフュージョ ングループ Krakatau のキーボーディストのソロアルバム.

    1 曲目はカシオペア+西海岸系テクニカルフュージョンと言った感 じのノリの良い曲なのが他とちょっとだけ雰囲気が違いますが,Mike Stern 参加の曲も含め爽やかで透明感があり,かつ適度にテクニカル な西海岸系フュージョンという感じで,なかなか気持ち良く聴けます. 女性ボーカル入りの曲は爽やかさに叙情的な味わいがプラスされます.

    Pat Metheny 系という事で買いましたが,Metheny とはちょっと 違う感じで,T.Lavitz のソロアルバムあたりを思い浮かべてしまい ました.

    爽やかなだけでなく,十分聴きごたえのある音楽となっています.

    (June 19, 2002)


    Gunesh (Turkmenistan)

    Rishad Shafi Presents Gunesh (1999: Boheme Music CDBMR911107)

    トルクメニスタンのジャズロック.このアルバムは過去のアルバム からの編集盤のようです.バンド自体は 80 年代から活動しているよ うです.Rishad Shafi はドラマー・パーカッショニスト.

    10 人以上のメンバーが名を連ねていますが,曲によってバラエティ に富んでいて,目立つ楽器も違います.特にトルクメニスタンらしさを 感じさせない格好の良いジャズロックから,エスニック色たっぷりのト ルクメニスタン・ジャズロック,管楽器が中心の曲から,ギターが中心 の曲,ヴァイオリンファン感涙の曲,辺境色たっぷりの民族楽器が前面 に出たまで多彩です (ベスト盤的なものなので色々入っていて当然かも しれませんが) .

    特に民族色たっぷりのジャズロックは涙が出そうなくらい格好良い です.超高速トルクメニスタン特急みたいな 4 曲目とか….

    (March 25, 2000)

    45°in a shadow (2000: Boheme Music CDBMR004131)

    上で紹介した編集盤と同じデザインのジャケットで色が白色のこちらは 1984 〜 1990 年の曲の編集盤です.

    以前のホーンが前面に出たジャズロックからキーボードとドラム,パーカッション 中心のジャズロックへ変化しています.時折織り混ぜられる中央アジア色がかなり インパクトが強いのですが,意外にそれ以外の部分はオーソドックスなメロディ な気もします.

    ただやはり中央アジア色のインパクトは強いし,Rishad Shafi がドラマーなので, かなり長い民族色溢れるパーカッションやドラムのソロも印象に残りますね.あと, チープな音の電気ドラム (って呼び名がふさわしい感じの音 ^^;) やシンセベース と中央アジア色が入り混じった部分なんかかなり怪しげです.

    民族色あふれるスピーディーなジャズロックがお好きな方は是非! (そんな人いるのか?)

    (July 4, 2000)


    Haranga (Mongolia)

    Best of HARANGA (1997:HARANGA 001CD)

    モンゴル旅行から帰った人に聞かせてもらってビックリのモンゴ ルロック.聴いていると,やたらとスケールが大きなギターが泣くシ ンフォニック系の音楽.曲によってはハードロックだったり,泣きの ロックだったりと色々ですが,ギターがとにかく泣いていてスケール も大きな感じで,バンド全体としてもハイレヴェルでこれは意外な拾 い物をしたなあ,という感じでした.ちょっと旧社会主義圏な感じも したりしますが,モンゴル色はあまりありません.言葉がちょっとそ れを感じさせる程度でしょうか.

    (August 22, 1999)


    Ihtiyac Molasi (Turkey)

    Milad (2003: Zihni Muzik 900092)

    トルコのちょっと妖しげなジャズロック.

    オリエンタルな雰囲気が濃い作品です.この手の作品は下手をす ると B 級ロックになってしまいますが (B 級ロックはそれで味があっ てよいのですがね),このグループは確かな演奏力と緩急を付けた曲 により,非常にレヴェルの高い作品に仕上げています.

    ジャズロックをベースにはしていますが,シンフォ的な雰囲気や 構成の曲やサイケ的な所,Samla 的な所が時折顔を覗かせます.シン フォ的な部分は Asia Minor っぽい叙情さがあり,やはり「トルコ」 という共通項があるだけはあります.

    (October 15, 2003)


    Imanissimo (Indonesia)

    Z's Diary (2004: Indonesian Progressive Society)

    曲 4 曲からなる結構壮大な感じのシンフォニック作品.

    洗練された感じのシンフォニックロックです.女性のコーラスに よる荘厳な雰囲気と結構ハードな感じのギターの対比により結構壮大 でドラマチックな感じのシンフォになっています.

    パーカッションが入るところなんかに若干土着的な雰囲気はあっ たり,曲によってはインドネシアっぽい曲があったりしますが,シン フォ色を特に感じる部分ではあまりインドネシア臭さはありません. シンセの使い方なんかも若干インドネシアのバンドに共通するような 色彩が感じられるかな,というところです.

    インドネシア物,と身構えると外すかも知れませんが,非常に高 品質なシンフォニックロックだと思います.

    (June 20, 2006)


    Krakatau 2000 (Indonesia)

    Magical Match (2000: HP Record HPCD-0099)

    妖しいです.(^^;)

    ガムラン風な打楽器をベースにくねくねした女性ボーカルが妖し く舞うエスニックな音楽です.

    複雑に絡み合うエスニックな楽器と,不思議な魅力を持つ女性ボー カルで,その妖しい世界に入り込んでいってしまいます.

    妖しいと言っても,非常に外向的で明るい音楽です.もしかした らとってもポップなグループなのかも?

    (October 16, 2002)


    L.Subramaniam (India)

    この人はアメリカで活躍したりしていたので,どの地域のページで紹介するか 迷ったけど….

    Live in Moscow (2000:Boheme Music CDBMR 909095)

    Shankar の兄弟で,アメリカのメジャーシーンでも活躍していたインド人ヴァオ リニ スト L.Subramaniam の 1988 年のモスクワでのライブ (最近は何してるん でしょ?). 19 名のミュージシャンが参加し,よくわからない楽器も多数参加し ています.(^^; 元は旧ソ連の国営レーベルである Melodiya から出ていたもの を,最近旧ソ連のジャ ズロックを精力的に出している (?) Boheme Music が再発 したものです.

    出だしは静かな深みのある曲で始まり,この調子で行くのかな? と思いきや, 2 曲目 はリズミカルでインド色のあるヴァイオリンファン涙物の曲,3 曲目は途 中土着的な ヴォイスを挟みながら情熱的に激しく盛り上がる曲,4 曲目は少し落 ち着いたオリエ ンタルな雰囲気のある曲.5 曲目はスケールの大きなシンフォニッ ク色溢れるフュー ジョン作品で,美しさとヴァイオリンの情熱的な演奏が楽しめ るハイレヴェルな曲 と,全体的にハイテンションなシンフォニックフュージョン が楽しめます.

    Jean-Luc Ponty の“Enigmatic Ocean”をエキゾチックにした雰囲気もあるので, ポ ンティファンは必聴かも?

    (July 13, 2000)


    Lee Chang Sik (Korea)

    Hunger Kunstler (1999:iara Music)

    CD のジャケットには“Lee Chang Sik”という名前の記述はなく,名前はすべてハング ルで書かれています.

    「韓国初の本格的ジャズロック」「韓国のホールズワース」という触れ込みだったので 興味を持って買ったのですが,この売り文句は思いっきり外れ.はずした人は多かったの ではないかなあ,なんて思いますが,私にとっては嬉しいはずれでした.

    ホールズワース的なのは 2 曲目の出だしだけで,あとは爽やかで軽快なポップ・フュー ジョンと言った感じの音楽でした.流れるようなフュージョンギターに西海岸フュージョン のようなキーボードが非常に気持ち良いです.ボーカルも甘目な感じで,AOR 的な雰囲気も 感じさせますね.ギターはテクニカルな感じもありますが,ギタープレイ偏重にならずにメ ロディの良さとの釣合いも良い所たもっています.

    キーボードが所々シンフォ的な音を出しているかもしれない….

    (August 6, 2000)


    Nerv (Indonesia)

    Ragam (2005: Indonesian Progressive Society 520496.2)

    Indonesian Progressive Society というレーベルからのモノ.こん なものが SONY MUSIC BMG ENTERTAINMENT INDONESIA という大手の distribute で今の時代発売されているとはうらやましい.(^_^;)

    出だしから,かなり妖しげ.パーカッション (インドネシアの民 族楽器?) や笛 (これも民族楽器?) や弦楽器にシンセやちとメタリッ クなギターなんかが複雑に絡み合いかなり良い感じです.このように 複雑に楽器を重ねて音楽を創作するのはガムラン等,インドネシアの 伝統かな?

    ヴィオラ中心のシンフォ的な曲も多く,ちょっと普通のフュージョ ンっぽくなってしまい,個性という面では苦しい部分もありますが, 全体的に見ると,かなりハイレベルなシンフォニックロックと言える と思います.

    (August 8, 2005)


    On the Virg (Australia)

    Serious Young Insects (1999: マーキー MAR 04883(日本盤))

    "Planet X" のオーストラリア人ドラマーが参加するハイテク系ジャ ズロックバンドのアルバム.

    すかっと気持のよいストレートなハイテクジャズロックという感 じですが,アメリカのそれ系とは少し違うような感じですね.ドラム も特別個性的という感じでもないのですが,でもちょっと聴いただけ で分かるようなスタイルのようにも聴えます.キレが良くて気持よい ですね.

    (September 27, 2005)


    Osiris (Bahrain)

    Beyond Control "Live"(2002: Musea FGBG 4414.AR)

    91 年の未発表ライブ音源.キーボードと泣きのギター中心のシン フォニックロックなのはアルバム盤と同じ傾向です.インストパート の方が長く,しかしそれによってボーカル入りの部分も引き立つ感じ ですね.

    ライブということで,スタジオ盤ではちょっともったりとした感 じがありましたが,スピード感が (このバンドにしては) あり,泣き のギターが大々的にフィーチャーされている割には,泥臭い雰囲気が なく,非常に洗練された感じがします.

    (June 6, 2002)

    Myth and Legends (Musea FGBG 4161.AR)

    アラブのバーレーンのバンド.とは言っても,アラブ色は全くな く,上質なブリティッシュロック的です.ギター,キーボード,フルー ト,ヴィブラフォン等を使った叙情的な音楽で,少しもったりとした キャメルと言ったところでしょうか.

    基本的にはボーカル入りなのですが,曲全体としてはボーカルば かりが印象に残るイメージはあまりありません.まず特徴的なメロディ をギターやキーボードが演奏してインパクトを与えた後に,ボーカル が入ってくるからかもしれません.ボーカル部分とインスト部分の均 衡がうまく取れていて,どちらかに偏重していないところがうまいで すね.曲全体が印象に残ります.

    キャメルの 1st なんかが好きな人はいいのではないでしょうか.

    (October 28, 1998)


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