North Europe

Algarnas Tradgard (Sweden)

Delayed (2001: silence SRSCD3626)

1973-74 年にかけて録音されていた未発表の 2nd アルバムとの事です. これが今まで未発表だったのはもったいない!!と思わせる傑作です.

全体的に暗く重苦しい雰囲気が漂っており,妖しげな雰囲気を漂わせた エキゾチックな曲から,牧歌的な雰囲気の美しい曲までが含まれた混沌 とした感じで,サイケな雰囲気も少しあるが洗練された感じでサイケなの が苦手な私もすんなり聴けてしまいました.

(January 14, 2002)


Anekdoten (Sweden)

Gravity (2003: Virta 004)

久々にリリースされた 4th アルバム.

ちょっと聴いただけで Anekdoten と分かる強烈な個性は存在して おりさすが.

以前ほどの絡み付くような不気味なダークさは多少薄くなってお り, ストレートであっさりとした感じが顔を覗かせているような気が します. アコースティックな色彩が全面に出てくる部分も多くなって おり, そういうのが影響しているのかも知れません.

安定感はさすがに抜群で, Anekdoten の個性が強くなってきてい るのが前述の変化の理由かもしれません. 安心して聴けます.

(September 1, 2003)

Vemod (Virta 001)

90 年代を代表する北欧のバンドのうちの一つ.輸入盤がメタル系 雑誌などでも紹介され,結構売れたらしいです.

邪悪な感じチェロやメロトロンが妖しげに鳴り,ハードで緊張感 のあるギター,ベース,ドラムが乗っかります.重厚感のある,ハー ドな暗黒の音楽という感じで,その緊張感と迫力はすさまじいです.. とにかくすごくヘヴィな音楽で,このずしりとくる重さが出せるバン ドはなかなかないでしょう.

来日公演も行きましたが,シンプルな楽器構成でよくこれだけの 重厚感が出せるな,と思いました.


Anglagard (Sweden)

Hybris (Mellotronen Mello004)

90 年代を代表する北欧のバンドのうちの一つ.緊張感漂うシリア ス系シンフォニック.強弱のはっきりしたぴんと張り詰めた音楽は 迫力満点です.激しさの中にも繊細さは失わないところがすばらし いですね.必ずしも新しい試みをやっているわけではなく,70 年代 プログレ的な事をやっているらしい (私は昔のメジャー系はあまり詳 しくないので良く知りませんが) ですが,それでもこの迫力を得られ るのですからすごいです.もちろん 70 年代プログレを現代的解釈で やっているからこその迫力なのでしょう.メロトロンなどプログレファ ン涙もののアイテムもたくさん使われています.

Bjorn J:Son Lindh (Sweden)

スウェーデンのキーボーディスト & フルート奏者

Wet Wings (1980: Gazell GJCD-2002)

北欧らしい透明感のある雰囲気が全編に感じられる作品です.ある 程度のバラエティが感じられ,フュージョン的な曲から,シンフォニッ クな雰囲気の曲から,ラテン風のリズムの曲から,ワールドミュージッ ク風まで様々です.

全体的にイージーリスニング的な所もあって,もうちょっとアクが 強くても良いなと感じる所はなくはないですが,良く聴いているとこの バラエティに富んだ所がなかなか面白く,聴きごたえがありますね.

1 曲目は徐々に盛り上がる所が美しいですね.あと,フルートを中 心とした曲でもドラマチックな曲があります.

(October 28, 1999)


Bugge Wesseltoft (Norway)

New Conception of Jazz Live (2003:日本盤 Universal Classics & Jazz UCCM1054)

Jazzland レーベルの総帥(?) Bugge Wesseltoft のライブ盤. ミ ニマル的リズムとジャズ的でエモーショナルなキーボードの演奏の組 み合わせによる,まさにフューチャージャズと言えるサウンドです.

基本的にはハウス的リズム+ジャズ/フュージョンのサウンドと いう感じで,既存の音をうまく組み合わせて今までにない新鮮な音を 作っているという感じでしょうか.一つ一つの要素自体は別に新しい 感じはしなくて,むしろ懐かしいサウンドさえ感じます.

ミニマルミュージック的なハウスのリズムですが, よくよく聴い ていると微妙に変化しており,それが機械的なリズムにも関わらず, 妙な躍動感を感じてしまいます.

ミニマル的要素がかなり強くなっており「最初に聞くならスタジ オ盤」と言われて買うのをしばらく控えていたりしたのですが,個人 的にはこういう気の長さが要求される(^_^;)サウンドは非常に好みで した.変化がないような中の微妙に変化していくサウンドを感じて楽 しめる人であればオッケーかな?

(November 11, 2003)


Close Erase (Norway)

Dance This (2002: bp bp01010)

図太いリズムの上で70 年台ジャズロックをほうふつとさせるキーボー ドが縦横無尽に動き回る曲で始まるフューチャージャズロック作品と言え るノルウェーのバンドのアルバム.

曲は Part に分かれた曲 3 曲 (トラック数は 7) から成り,2 曲目は アヴァンギャルドな香りのする,ちょっと内省的な部分もあるキーボード 主体 (というかキーボードが遊んでいるっぽい) の曲で,あとはハードコ アフューチャージャズロックという感じの激しい曲です.

(December 17, 2002)


Isildurs Bane (Sweden)

時期によって結構音楽の傾向が違うバンド.最近は,オーケストラなど導 入して,プログレッシブロックという枠でくくることの出来ない音楽へと変化 しているように思います.

Sea Reflections + Moments of Eternity (Svenska Unikum SUCD 004 92)

スウェーデンのバンドで、3rd と 4th の 2in1でした.一応、 Progressive Rock Band と分類されていますが、このアルバムは完璧 に Fusion でした.音は T-Square のようなポップな所もある、 Fusion で、初期のメゾフォルテのような、北欧的な爽やかさがミッ クスされたような感じです.

少なくとも、私が聴いたかぎりでは、ProgRock の雰囲気は全くな かったです.メゾフォルテの昔の作品と言われても、信用してしまう かも? (^_^;;

Mind vol.3 (2003: An Ataraxia Production ATX1)

より内省的になった作品.イタリアのチェンバートリオ (Metamorfosi Trio) との競演ライブ.トランペット中心のマイルス のビッチェーズブリューっぽい暗黒っぽさの中に,ちょっと北欧の香 りのするような気がする牧歌的な雰囲気が同居しています.独特の空 間が感じられ迫力満点で,家で大音量でじっくり聴きたい音楽です (しょっちゅうは疲れるのでヤですが :-).

(July 22, 2003)


Jaga Jazzist (Norway)

jagajazzist

A Livingroom Hush (Beat Records BRC-60)

cover

ノルウェーのフューチャージャズグループのおそらく 2 枚目のア ルバム.

フューチャージャズと一言では言えないような多彩な音楽が混ぜ 合わさったような音楽です.基本的にはジャズとテクノ/ハウス系を ベースにした感じです.メンバーも非常に色々なジャンルから影響を 受けているようで,ロック,プログレ,フュージョンなんかの影響も 感じられます.

ブレイクビーツなリズムの上でクールなヴィヴラフォンが演奏す る1曲目で幕を開け,その後無機的なリズムと非常に人間味のあるジャ ズ的な管楽器が絡み合うゆったりとした曲から,激しい曲まで様々な 色彩で聴かせてくれます.最初聴いたときは比較的無機質な音楽に感 じたのですが,何度も聴くうちに非常に血の通った暖かい音楽と感じ るようになりました.この暖かみがジャズやフュージョン方面から出 てきているようで個人的にとても親しみが持てます.

日本盤ではライブがボーナストラックで 3 曲入っていますが,そ の曲がまた非常にすばらしいです.ライブはよりジャズ,フュージョン 的な要素を感じます.

(September 18, 2002)


Jan Garbarek (Norway)

In Praise of Dreams (2004: ECM Records ECM 1880 9811068)

最初聴くとフューチャージャズ系かなと思いきや,その後ヴィオ ラとの美しい室内楽的な音楽になったり.

北欧独特の寂しい感じのヴィオラの演奏から,霧が晴れるように ガルバレクのサックスがすーっと出て来る対比が良い感じです.

(November 20, 2004)


Nils Petter Morvær (Norway)

Er (2005: Sula Records)

澄みきった空間から語りかけるように聞こえてくる鋭い音と いう感じ.抑えたプレイから得られる独特の空間.

ともすると暗くなってしまいそうな語りかけるようなト ランペットに有機的なパーカッションの音が重なって,独特 の浮遊感が得られており,そんなに暗い感じはしません.

Solid Ether しか聴いたことないですが,それに比べて 全体的に抑えた演奏です.ちょっと土着的なパーカッショ ンの音が印象的で,でも出来上がりの音はいかにも北欧とい う雰囲気ですね.

(October 29, 2005)


Pekka Pohjola (Finland)

北欧フュージョンベーシストの大御所で,来日も何度かあり.

Katkavaaran Lohikaarme (F Music 4509-96415-2)

最近の Pekka と違って,シンフォ色のない純粋なジャズロックと 言った味わいのアルバムです.1 曲目からゆったりとしたフュージョ ンかジャズロックと言った曲で始まります.フュージョン的な所は最 近の作品にもつながるような気がします.シリアスな雰囲気の曲とちょっ とコミカルな曲と両方の要素を持った曲がある,ゆったりとしたテン ポの重厚感のあるジャズロックと言った所でしょうか.

(March 13, 1999)

Heavy Jazz Live in Helsinki and Tokyo
(POHJOLA RECORDS PELPCD 7)

シンフォニックフュージョンという言葉がピッタリな感じのする 繊細で美しい 2 枚組のライブ盤です.

ゆったりとした感じでじらすように徐々に盛り上がっていき,ギ ター等のソロに入っていく美しいシンフォ的な曲と,北欧独特のおちゃ らけムードのコミカルな感じのするメロディの曲があります.この人 の音楽はライブで聴くとよりフュージョン寄りに聴こえます.繊細で 美しいフュージョンと言った所でしょうか.

(December 2)


Shining (Norway)

Grindstone (2007: rune grammofon RCD2060)

Grindstone
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ノルウェーのバンドの 4th アルバム.

すごい迫力ですね.メタル+プログレ+アヴァンギャルド+フュー チャージャズ? まあ,なんか色々混ぜ合わせて,激しくしたという感 じの音楽ですごいです.ドラムが激しいですね.カテゴリーに指定し たのは適当で,ジャズでもプログレでもないですね.その要素は入っ てますが.

激しい音で気づきにくいですが,メロディは意外に(?) ポップで 優しい感じのような気がしますね.北欧のフューチャージャズ系らしいです.

言葉では伝えきれないので,聴いてみてください.以下に動画や 音源があります.

(May 13, 2007)


Tribute (Sweden)

アルバムによって多少雰囲気は違うが,アコースティックなフォーク的シ ンフォの曲が中心のように思う.フュージョンファンに受けそうなさわやかで 明るい音の曲もある.

New Views (ARC Music EUCD1042)

スウェーデンのシンフォニック系プログレバンドの 1st.北欧らしい 涼しげなメロディと北欧フォーク色のある繊細で美しいメロディが特 徴です.1,2 曲目はフュージョンファンに受けそうなさわやかで軽い フュージョンサウンドでおすすめ.その後の曲は幻想的な雰囲気も少 し取り混ぜたアコースティックなフォーク色のあるシンフォニックプ ログレになります.軽く明るい透明感のあるメロディが十分フュージョ ンファンに受けるでしょう.

Live! (ARC Music EUCD1256)

フュージョンと言ってもいいサウンド,個人的には非常に好みの音だ が,プログレ的な色はかなり薄いと思います.コンサートと言うこと で,ノリ重視なのか,Tribute 独特の繊細な美しさ,透明感があまり 感じられないのが残念です.独特の明るさの部分のみが強調された 感じですね.出来としては申し分ないと思うが、Tribute のアルバム としては最初に買うアルバムではないと感じました.1st, 4th なん かを買ってからでいいのではないかな.


XL (Finland)

XL Official Page

Surreal (2002: Pohjola Records PELPCD 14)

Finland の Midi Vibe を中心としたバンドの 5th アルバム.4rd アルバムは Live 盤だったので,クラブ的な要素の強いノリ重視でし たが,このアルバムでは,このバンドの特色である Midi Vibe を中 心にすえた作品に仕上がっています.JazzRock/Fusion をベースにし ながらも,シンフォニックロック的なゆったりとした味わいも十分に 含ませ,Midi Vibe が陰に隠れないようにしながら,ノリの良さもス ポイルしないようにうまくバランスを取っています.

Fusion をベースにシンフォニッ ク的な要素やクラブ的要素をうまくミックスした近未来的 Fusion と 言った所でしょうか.

(April 23, 2002)

Live Ballet (2001: Pohjola Records PELPCD 13)

XL 4 作目のライブアルバム.ライブではよりイキイキと先鋭的な サウンドを演奏しています.スタジオ盤以上に近未来的な雰囲気と 鋭さと躍動感が溢れていて,まさにこれからのフュージョンの方向性 をも表しているようにも思えます.

Pekka Pohjola, DJ, ストリングスもゲスト参加しています.

一聴すると典型的なフュージョンの雰囲気は感じられませんが, よく聴いているとあくまでベースはフュージョンなんだなと感じさせ られます.

(July 18, 2001)

Jukola (Pohjola Records PELPCD 10)

フィンランドのフュージョンバンド.Pekka Pohjola のレーベルからな ので,音も Pekka 的なのかと思ったら,現代的な音のするフュージョ ンでした.前衛的な音にしようとしているような雰囲気で,それで結構 不思議な雰囲気の音楽に仕上がっています.

打ち込みやゲストミュージシャンの使い方も効果的で,より一層魅力的 な曲になっているように思います.北欧独特の透き通るような雰囲気も あります.Michael Brecker 参加の曲は Brecker 一色になっているよう に思いますが,曲もすばらしいです.曲ごとに何かをしようとしている のが感じられ,バラエティに富んでいるので,幅広く聴く人でないと, 全体的に気に入ることが難しいかもしれません.が,超オススメ.:-)

プログレな店で購入したのですが,これは売る対象を間違っているよう な気もしますね.

(April 2, 1999)


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