

●台本:モーリス・メーテルランク
●音楽:ガブリエル・フォーレ
登場人物(登場順)
- ゴロー
- オルモンドの王子。メリザンドを娶るが、嫉妬にかられて異父弟ペレアスを刺殺してしまう。
- メリザンド
- 正体不明の遠い国の王女。ゴローの後妻となるが、ペレアスをひとめ見た時から好きになる。
- ジュヌヴィエーヴ
- ゴローとペレアスの母親。国王アルケルの息子達の妃として嫁いで来たが、夫とは二度死別。
- アルケル
- オルモンドの国王。暖かい目でメリザンド達を見守るが、運命に逆らうことは出来ず苦悩する。
- ペレアス
- ゴローの異父弟。メリザンドとの道ならぬ恋からなんとか逃れようとするが、殺されてしまう。
- イニョルド
- ゴローの先妻の子。父に覗きの手伝いをさせられるが「おらはいやだどー(クレヨンしんちゃん)」とは言わなかった。
あらすじ
- 第1幕
- 時は中世、架空の国アルモンドでの出来事です。狩りに出た国王の孫ゴローは森の中で謎の少女メリザンドに出会い、妻とします。ゴローは異父弟ペレアスに手紙を出し、メリザンドと結婚したこと、城へ帰りたいがアルケルの怒りを鎮めておいて欲しいことを告げました。やがて国王と母ジュヌヴィエーヴから結婚の許可を受け、城に帰ります。
- 第2幕
- メリザンドは、暗い森に覆われて日もささない城が不安になりますが、ジュヌヴィエーヴに慰められます。やがて旅立ちを控えたペレアスと親しくなり、ペレアスの秘密の場所の庭の泉に行って冷たい水に戯れます。そのうち、ゴローからもらった結婚指輪をはずしておもちゃにしていると、誤って水の中に落としてしまいます。
ゴローは、メリザンドの指に結婚指輪が無いことに気づき問い詰めますが、メリザンドは海のほとりの洞窟で落としたと嘘をつきます。
- 第3幕
- 館の塔の中でメリザンドが糸を紡いでいます。
やがて歌を歌いながら長い髪を梳いていると塔の下からペレアスが呼びかけます。メリザンドが窓から体を乗りだすと髪が垂れ下がるので、ペレアスは手にとって愛撫します。そこへゴローが通りかかり、二人の行動をたしなめます。ゴローはペレアスに、メリザンドが身重であることを伝えて彼女と感情を交えて接することを禁じます。
その夜、ペレアスはメリザンドの部屋を訪ねます。その窓の下で、ゴローがイニョルドを肩の上に持ち上げてなかの二人が何をしているか覗かせますが、二人は口もきかずにあかりを見つめています。
- 第4幕
- ペレアスは、メリザンドに明日出発することを告げ、泉のそばでの密会を約して部屋を出ます。入れ替わりにアルケルが入ってきてメリザンドの境遇を哀れがります。そこへ激怒したゴローが登場し、メリザンドの髪を引っ張って不義をなじります。
ペレアスは泉の前でメリザンドに愛を告白し、二人は抱き合います。そこへゴローが現れ、ペレアスを刺し殺します。
- 第5幕
- 子を生んで瀕死のメリザンドにゴローはペレアスとの仲を問いただします。“愛してはいたが、罪は犯していない”と答えて、彼女は息を引き取ります。王は悲しむゴローに、“この子が代わりに生きるのだ”と慰めながら、子供を抱いて出ていきます。

