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パルジファル

パルジファルのイメージ

●台本・曲:リヒャルト・ワーグナー


おもな登場人物

聖杯(グラール)
キリストが最後の晩餐でワインを飲んだ器。彼が十字架上で傷をうけたとき、その血を受け入れた。
聖槍
十字架上のキリストの脇腹を刺した槍。
ティトゥレル
モンサルヴァート城の先王。天の使いから聖杯、聖槍を宝物として受け取り、騎士団を編成して守護してきたが、今は隠居の身。
クリングゾール
魔法使い。聖杯を守護する騎士への志願がかなわなかったのを恨みに思い、仮想現実の花園と花の乙女を作って騎士たちを誘惑し、堕落させている。
アンフォルタス
ティトゥレルの息子で、聖杯守護を司っている王。クリングゾールを討とうとして逆に聖槍を奪われ、その時被った傷のため、瀕死の状態。
クンドリー
目がさめている間は敬虔な女だが、クリングゾールの魔法にかかると催眠状態になり、人を誘惑する。
グルネマンツ
騎士団の長老。
パルジファル
ただの無知な若者として登場するが、クンドリーに与えられた知恵で一人前の勇士となり、クリングゾールから聖槍を取り戻し聖杯守護の王となる。後に彼の息子ローエングリンは、異教徒に陥れられた姉弟を救うことになるのだが、それはまた、別の話。

あらすじ

第1幕
中世のスペイン、モンサルヴァート城の近くの森の中。アンフォルタス王が傷を癒すために湖に来る。王はクリングゾールに聖槍を奪われ、傷を負ってしまったのだ。この傷を本当になおすには「同情により知を得る清らかな愚者」を待たねばならない。その時一人の若者が白鳥を矢で射たかどでひきたてられてくる。老騎士グルネマンツはこの若者が清らかな愚者かもしれないと考え、城に連れていく。城内で聖杯の儀式が行われるが、若者はこの儀式の意味を理解できない。
第2幕
クリングゾールの魔法の城。あの若者が無邪気にやって来て花園の乙女たちの誘惑にあうが、関心をしめさない。その時クンドリーの「パルジファル、待って!」という呼び声で、若者は自分が何者であったかを知り、彼女の熱烈なキスにより自分の果たすべき使命を悟る。クリングゾールがパルジファルに槍を投げつけるが、それは頭上で静止しパルジファルの手に落ちる。その槍をパルジファルが振ると、花園はもとの荒野にもどり、クンドリーは叫び声をあげて倒れる。
第3幕
数年後、森の中のグルネマンツの小屋の外に、クリングゾールの手からのがれたクンドリーが倒れている。そこへ槍を手にしたパルジファルが現れ、王の傷を癒すためにやってきたと告げる。グルネマンツとクンドリーがパルジファルの体を清めると、森は呪いから救われて輝きだす。グルネマンツはこれこそ聖金曜日の奇跡と喜び、三人は城へと向かう。パルジファルは聖槍で王の傷をなおし、みずから聖杯守護の王となる。魂が救済されたクンドリーは、彼のそばでこときれる。


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