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(00/1/25掲載)


 最近の方はご存知ないかもしれませんが、仙台に熊田為宏さんという音楽家がいました。生まれたのは大正2年(1913年)。もともとはフルーティストでしたが、戦後まもなくNHK仙台放送局の専属の楽団、合唱団であった仙台放送管弦楽団、仙台放送合唱団の指揮者をつとめるなど、仙台の音楽界の基礎を作った人物です。長く山形大学教育学部や、宮城学院女子大学で指導にあたられ、その薫陶を受けた方々は、各地で演奏家、教育者として活躍されています。晩年は、仙台フルートの会の会長として、フルート愛好家の輪を広げる活動に従事されました。亡くなったのは平成5年(1993年)、享年79歳でした。
1991310日に開催された第4回フルート
フェスティバル
in仙台で指揮をされる熊田さん。
 その熊田さんの著作に「演奏のための楽曲分析法」というものがあります。出版されたのは昭和49年(1974年)ですが、音楽大学の教科書として採用しているところも多く、いまだに増刷されて楽器店の書棚に並んでいます。
 この本に関しては、先日の定期演奏会の打ち上げの席上で練習指揮者の佐藤崇さんがおっしゃっていましたが、演奏の基本的な原理、いわば文法みたいなものを、非常にわかりやすく説明した名著です。皆さんにもぜひ一読されることをおすすめします。
音楽の友社刊:税抜き 3,200

 さて、この本の中では色々な曲を教材にして、アナリーゼを行い、そのアナリーゼにしたがってどのように演奏したらよいかということを述べているわけですが、そのなかで、なんと、今私たちが取り組んでいるブラームスの交響曲第4番の終楽章、あの「超絶技巧」(なんのこっちゃ)を駆使したフルートソロが取り上げられているのです。熊田さんのこのアナリーゼは、基本。それをどのように生かして演奏するかは、指揮者とフルーティストの仕事です。

著作物ですので、わざと見にくい画像にしてあります。
興味がある方は、実物をお買い上げください。

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