今日の禁断 グラモフォン


 きのうの「おやぢ」でブルックナーの8番を取り上げたのですが、それの第4楽章のハース版にだけあるフルートのソリについて、とても面白いことが分かりました。スピンオフとして、かなりマニアックな話におつきあいください。
 あの1975年のカラヤン盤で、ゴールウェイが1番を吹いているフルートのトリオを聴いていると、まずはゴールウェイはこの長いフレーズを全くノンブレスで吹いていることに気づきました。それで、他の人でもそんなすごいことをやっているのかどうか知りたくて、色んな録音を聴いてみました。さいわい、手元にあるNMLではもう何百種類(それはウソ)もの録音を聴くことができます。まあ、100種類はないかもしれませんが、今ではワーナーとユニバーサルという、3大メジャーレーベルのうちの2つのレーベルまで網羅するようになったこのストリーミング・サイトだったら、まずはこういう比較を行うには十分なだけのサンプルが提供できるほどのアイテムは揃ってしまいますからね。さらに、最近配信のフォーマットが変わって、ビットレートのより高いAACになったということで、音質的にもそれほどストレスを感じることはなくなりましたから。
 その結果、ここをノンブレスで吹いている人はまずいない、ということが分かりました。実は私も数年前同じパートを吹いたことがあるのですが、その録音を聴いてみても、やはりブレスは取っていましたね。さらに、この部分は「ハース版」にしかありませんが、そのもとになっているのは「第1稿」なので、第1稿の録音も、これはやはりNMLにあったインバルのTELDEC盤を聴いてみました。ここでのインバルはかなり早いテンポだったので、さすがにこの部分もノンブレスで吹いていましたね(このテンポなら、私でも出来そう)。しかし、そこでは別のことで、ちょっと今までの演奏とは違っていることに気が付きました。そのフルーティストは、楽譜通りではなく、何か所かの音をタイでつないでいたのですよ。もしや、と思って手元にあった第1稿の楽譜を見てみたら、確かにそこにはタイが付いていたではありませんか。
 赤枠の中ですね。ただ、これはあくまで「カッコつき」ですから、自筆稿には無かったものを、校訂者のレオポルド・ノヴァークが付け加えたものなのです。確かに、自筆稿にはタイは付いていませんね。
 しかし、この部分に関しては確かにノヴァークの主張はそれなりの意味があるように思えます。つまり、そうすることによって、1番フルートを2番、3番フルートが、同じリズムで追いかける、という形が見事に出来上がるのですよ。私も、ここはタイを付けた方がずっと音楽的だと思いますね。
 そして、最初の話のゴールウェイが、見事にこの吹き方をしていたのです。もちろん、パート譜にはそんなタイはありませんから、このように吹くことを指示したのはカラヤン以外にはありえません。確かに、第1稿の楽譜が出版されたのはこの録音の3年前の1972年ですから、このタイの付いた楽譜を見たという可能性はあります。
 ところが、同じカラヤンが、1988年にウィーン・フィルと録音した時には、このタイを付けていないのですよ。これはいったいどういうことなのでしょう。ベルリン・フィルでは自分の主張は通ったのに、ウィーン・フィルでは通用しなかった、とか。しかし、です。そのウィーン・フィルが1996年にピエール・ブーレーズと録音した時には、しっかりタイが付けられているのですよ。不思議ですね。
 いずれにしても、私がハース版で「タイ」が確認できたのは、この1975年のカラヤン盤と、1996年のブーレーズ盤だけでした。それ以外は、ヴァントもハイティンクもケンペも朝比奈もティーレマンもネゼ=セガンもバレンボイムもシューリヒトもクーベリックも、そしてネーメ・ヤルヴィも、誰一人として「タイ」は付けてはいませんでした。
 しかし、惜しいことをしましたね。私が5年前にこのことに気が付いていたなら、ニューフィルの演奏がそんな貴重な録音の一つになっていたかもしれなかったのに。というか、末廣さんがどんな反応を示したか、とても興味がありますね。
Aventure Number : 2738 date : 2017/1/22


今日の禁断 ヴァイオリン


 「森のくまさん」を引用した歌を歌っていた人が訴えられたそうですね。この歌の訳詞の権利を振りかざしている人が過去にどんなことをしてその「権利」を手にしたかということ考えれば、なんと厚かましい、と思ってしまいますよ。盗っ人猛々しいとはこのことでしょうね。正直あの替え歌の出来はイマイチですが、あれを歌っている人は応援したくなってしまいます。まあ、でもあんなアホに付け込まれないように、きちんと許諾だけは取っておくべきだったんでしょうね。そういうギスギスした世の中なのですから仕方がありません。隙を見せれば終わりです。現実は、映画やドラマのように都合よく行くものではありません。いや、最近は、それすら完結していないものも多いかもしれませんね。
 1月も半ばを過ぎ、テレビドラマの新しいシーズンも始まり一通り出揃ったので、その中の何本かを見てみました。まずは、これは外せないと思っていたのは「カルテット」。なんたって「クラシック」の音楽家が主人公ですからね。例によって、これが始まる前には「番宣」がらみでいろんなバラエティに出演者が出ていましたから、その時に楽器の特訓を受けていたことも話していたので、その辺は安心できるな、とは思っていました。映画などでは、本当にそのあたりの「なり切り」ぶりはすごいものがあって、本当に楽器が弾けるんじゃないか、と思ってしまう人をたくさん見ていますし。
 でも、ちょっと今回はあまりにひどすぎ。私の守備範囲外の楽器なのでそんなに詳しくは分からないのですが、それでもこれはいくらなんでも、というのが多すぎましたね。せめてビブラートのふりぐらいはやってほしいものです。それと、弦楽器の人って、チューニングの時にはチューナーを使わないんですか?せめて音叉とか。
 ただ、それを除けば(いや、除いてしまったら、そもそも見る価値がなくなってしまう?)ドラマとしてはけっこうおもしろそうでしたね。時系列が脈絡なく前後するなんてのはお約束ですし、適度に謎を絡ませて次回への期待を誘う、というのも王道のテクニックです。それが果たしてテクニックに終わらずにしっかり意味のあるものに昇華できるのかは、見てみなければわかりません。私は、サンドウィッチマンの冨澤が鍵を握っていると思うのですが(笑)。
 もう1本は、「東京タラレバ娘」。なんたって榮倉奈々が出てるんですから、これは見ないわけにはいかないでしょう。とは言っても、吉高由里子まで出ているというところには、ちょっとしたためらいが加わります。案の定、ここでの吉高は最悪でした。これはもう捨てるしかないでしょう、とは思ってみても、もしかしたらこの先榮倉奈々がメインの回もあるのではないか、という気もするので、もう少し様子見ですね。期待はできませんが。最後のクレジットで「レバ」があ〜ちゃんだったのは、軽いサプライズ。エンディング・テーマがPerfumeですからね。
 あとは、WOWOWであと3本見てますから、もうこれ以上増やすと見る時間がなくなってしまいます。それと、朝のBSでやっている昔の朝ドラ「ごちそうさん」は、リアルタイムで見てますからね。これは何回見てもしっかり楽しめますから外せません。朝の7時15分からなので、土曜日など朝寝をしたいときにはしっかり録画してますし。
 ですから、今やっている朝ドラのあまりのつまらなさには、年末まで我慢して付き合っていましたが、とうとう我慢が出来なくなって、今年の分からは見るのをやめました。主人公があんなに暗くては、辛くなるばかりです。というか、朝の忙しい時間をこんなものに15分も費やしていたなんて、後悔してもしきれません。でも、次回はかすみちゃんですから、ちゃんと見ますよ。
Aventure Number : 2737 date : 2017/1/20


禁断ばっくなんばあ

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