|
|
![]()
| 今日の禁断 | フランク・ゲーリー | ||
前回の「禁断」を書いた後に、ちょっと気になっていたことがあったので、それを調べて見ました。それは、去年、新しいコンサートホールの中間報告を聞いた説明会の時に、「2000席のホールは大きすぎる」という声が結構あったということです。ですから、なんだか最近は「仙台のホールは2000席ではなく1500席の規模にすべきだ」という声が、あちこちから聞こえてくるようになっていました。 確かに、あの説明会の時には、私の前に発言した人が「ウィーン・フィルの場合は1200〜1300で、世界的に仙台フィルよりはるかに大きな規模のオーケストラが演奏するところでも、1500人ぐらいのホールが使われている。」と言っていたので、そんなものかなあ、と思ったものの、何か違うな、もっと多かったはずなのに、と感じていたのですよね。 それで、本当にそんな席数なのか、確かめてみました。手元には、この新しいホールの音響設計にも参加している永田音響設計が手掛けた世界中のホールのデータが載っている本がありますから、簡単なことです。 ![]() ・サントリーホール:2006席そして、永田音響設計が関係していない「世界的なコンサートホール」は、 ・ベルリン・フィルハーモニー:2438席と、殆どが、2000席以上になっていますね。仙台の新ホールの設計者がおそらく理想のホールだと考えていたベルリンのフィルハーモニーなどはほぼ2500席ですよ。これが、「世界的なコンサートホール」のあるべき姿なのですよ。ヘルシンキ以外は、すべてオルガンが設置されていますし。 発言者が「1200〜1300席」などと言っていたウィーン・フィルの本拠地などは、1800席もありましたよ。つまり、このところよく聞く「コンサートホールの理想的なキャパは1500席程度」というのは、全く現状を反映していない、はっきり言って「デマ」に他なりません。彼らは、なんのためにこんな虚偽データを拡散させているのでしょうね。 誤解されないように言っておきますが、私は1500席のホールを否定するものでは全くありません。確かに、このサイズでしたら、よっぽどのことがなければ16型での演奏などはとても無理な仙台フィルを聴く分には、なんの不足もありませんし、ニューフィルのようなアマチュアのオーケストラでも、ほぼ満席にすることは出来なくはありませんから、演奏会場としては理想的でしょう。そういう意味での需要は確実にあるはずです。 しかし、今回のホールの設計者は、「世界的なホールと並ぶものを作る」と言いきっているのですから、そこで2000人という数字が出てくるのは、至極当たり前のことなのですよ。 ですから、そんな問題にすり替えられず、理想的なコンサートホールとはどういうものなのか、という議論をきちんとしてほしいと、願っているのですけどね。 それと、先ほどの書籍の著者で、実際にこれだけのホールの音響設計に携わった豊田泰久さんは、おそらく現在は永田音響設計での現場の仕事はほとんどなさってはいないのではないでしょうかね。間違っていたらごめんなさいですが、当然、この仙台のホールの音響設計にも、直接携わってはいないのでは、と思うのですが。 |
|||
| Aventure Number : 4193 | date : 2026/1/31 | ||
| 今日の禁断 | アンケート | ||
昨日は、ニューフィルの練習でしたが、私がほぼ最初に会場に着いてみると、ピアノがこんなことになっているのが目に入りました。 ![]() でも、その理由が「調律が狂う」というのは、あんまり説得力がありませんね。そもそも、ピアノの調律などは、時間が経てば何もしなくても狂ってしまうものなのですからね。 その日のニューフィルの練習は、私の乗り番のシベリウスだけでした。この日は、いつのも団内練習指揮者ではなく、仙台フィルのコンサートマスター、西本さんが全体合奏の指揮をしてくれることになっていたからです。だいぶ前から、管楽器の場合は、同じ仙台フィルのファゴット奏者の水野さんが、トレーナーとして管楽器の分奏を見てくださっていましたが、最近ではこの西本さんとか、チェロの首席の吉岡さん、それから、この間まで副指揮者だった神成さんなどの「スター」が、ニューフィルの分奏や合奏を見て下さる機会が増えていましたす。 西本さんが全体練習を見て下さったのは、前回の定期の時にもありましたが、あいにくその時は私が降り番の曲しか機会がなかったので、今回が初めてのご対面となっていました。 ![]() そんな、西本さんの本業である仙台フィルが、いずれはホームグラウンドとして使うことになる新しいホールについては、最近になってまたまた建設のための予算がとんでもなく増額されていることが明らかになっていました。とにかく、今の設計を変えないためには、このぐらいかかるのだ、と開き直っている感がありますね。でも、私が去年参加した説明会でも明らかになっていたことなのですが、このホール、というか、建築物は、余計なものが多すぎます。たとえば、「目玉」として提案されている「移動する客席」ほど無駄なものはありません。というか、それを使ってホール全体の構造を変えるというアイディアそのものが、全くの無駄の塊なのですよ。つまり、コンサートホールと劇場とを一つのホールで賄おうとしているのですが、そんなものを高次元で実現させることはまず不可能です。すでに新しい県民会館には、立派な劇場が出来るのですから、オペラや演劇はそちらに任せて、こちらは音楽専門のホールにすれば、そんな移動客席のような余計なものとか、それを囲むバックステージ、そして、吊物を収納するフライタワーなどをなくして、その代わりに固定されたステージの周りの客席にオルガンを入れればいいのですよ。そうすれば、大幅に建設費全体が削減できるはずですよ。 悲しいかな、仙台市は、まずオルガンを設置するということに対して全くネガティブな態度しか持っていないことが、最近公開された、去年の市民説明会の後にネットで募集した質問に対する返答で明らかになっています。その全文は、こちらで見ることができます。 たとえば、21番目の 2000人のキャパを減らしてもパイプオルガンは必要。パイプオルガンの荘厳さは、震災メモリアルにふさわしいシンボルとして大きく貢献するのではないか。というご意見に対しては、 本市施設の大ホールは、多様な公演のニーズ、市民の皆様の多方面からのご要望に最大限対応すべく、転換型の2,000席規模のホールとしたところでございます。このため、パイプオルガンの設置は予定しないところでございますが、生の音源に対する優れた音響性能を持ち、高く評価されるホールの実現を目指してまいります。と答えていますし、25番目の ・ホールの多目的化はどうしても帯に短し襷に長しになってしまい、音響的に良い影響を与えないと思う。出来たら純粋な音楽ホールとして世界に自慢できるホールを作ってほしい。という2つのご意見に対しても、 本市施設の大ホールは、多様な公演のニーズ、市民の皆様の多方面からのご要望に最大限対応すべく、転換型の2,000席規模のホールとしたところでございます。このため、パイプオルガンの設置は予定しないところでございますが、生の音源に対する優れた音響性能を持ち、高く評価されるホールの実現を目指してまいります。と、明確にオルガンの設置を、2ヵ所とも全く同じ文言で否定している(頻出する「ところでございます」という言い方は、本当に人を馬鹿にしてますね)上に、なんの根拠もない転換型ホールの利点のみを強調しています。 こんな低次元な論理で作られるホールだったら、もういらないとは思いませんか? (1/30追記) 説明会やアンケートの中で「2000人のキャパは多すぎる」という意見が多くありましたが、それはあまり説得力がありません。 ・サントリーホール:2006席 ・札幌キタラ:2008席 ・ウォルト・ディズニー・コンサートホール:2265席 ・ミューザ川崎:1997席 ・デンマーク放送コンサートホール:1800席 ・ヘルシンキ・ミュージックセンター・コンサートホール:1704席 ・フィラルモニー・ド・パリ:2400席 ・エルプフィルハーモニー:2098席 ・ベルリン・フィルハーモニー:2438席 ・ウィーン・ムジークフェラインザール:1800席 というデータがありますから。 |
|||
| Aventure Number : 4193 | date : 2026/1/29 | ||