果てしない夢と希望を求めてヴァスコ・ダ・ガマが喜望峰周りのインド洋航路を・・、マゼラン率いる艦隊が世界一周の航海を成し遂げました。
 そして現代、手の上で未知なる世界を経験させてくれるもの・・それは「本」。
 わたしに大なり小なりの影響を与えた本を紹介します。

 

  連合赤軍「あさま山荘」事件
                    佐々淳行 ≪文藝春秋≫
Now Printing  「東大落城」などこの人の警察シリーズはかなりのお気に入りです。
 長野県軽井沢市の別荘地で管理人の夫人を人質に立て篭もった過激派を逮捕するため、幕僚として現地に派遣された警察庁警視正の著者。
 事件モノでは被害者や加害者が当時を振り返る作品は多いが、警察側からのモノは珍しいし、事件や時代の背景、真冬の山中では弁当が凍るなどユーモアを交えて描き出してます


  MASTERキートン
             勝鹿北星 作・浦沢直樹 画 ≪小学館≫
Now Printing  見た目は地味なスーツ姿の冴えない大学講師「平賀=キートン・太一」。しかし、その実態は英国の名門、オックスフォード大学では考古学を専攻、英陸軍の特殊部隊「SAS」では天才的なサバイバル術で大活躍。除隊後は講師のかたわら、フリーのオプ(調査員)では考古学とサバイバルの知識で数々の難事件を解決していく。
 運命の悪戯に翻弄される中、自らの信念を貫こうとする姿に共感を感じました。  


  駆逐艦キーリング
               C・S・フォレスター ≪早川書房≫
Now Printing  第二次世界大戦真っ只中の北大西洋、ヨーロッパで孤立無援に陥った連合国イギリスをひたすら目指す輸送船団。その船団をドイツの潜水艦「Uボート」から守るべく護衛を続ける駆逐艦「キーリング」と艦長 、クラウス中佐の不眠不休の戦いの物語。
 激しい戦闘の合間にすするコーヒーとほおばるサンドイッチの描写は食欲を掻き立てられる。ちなみにこの本を読んだ後、コーヒーを飲みすぎて胃を壊しました・・。 


  Eternity 〜蒲原鉄道惜別本〜
          こんのまみこ、主任運転士 ≪Studio PALM≫
 昨年10月に惜しまれつつ廃線になった蒲原鉄道。新潟の田園風景の中をのどかに走る姿はまるで昭和へタイムスリップしたような感覚。まさか夏の旅行で乗った直後に廃線になるとは・・。
 内容は著者が沿線に住む住民というだけあり、季節ごとの沿線風景の移り変わりや廃止に至るまでの経緯が丹念に調べられてます。
 ちなみのこの本はコミケでしか手に入りません。


  海の男/ホーンブロワ−・シリーズ
               C・S・フォレスター ≪早川書房≫
Now Printing  時は十八世紀末、大英帝国がトラファルガーの海戦でフランス艦隊を破る以前のイギリス海峡。
 内気で船酔いに悩まされる士官候補生「ホレイショ・ホーンブロワ−」が北はバルト海から太平洋まで世界の海をまたにかけ、海軍提督に登りつめるまでの一代記。
 産業革命頃の王侯貴族から庶民までの生活、特に食生活の描写がなかなかリアル。やはり昔からイギリスの食事は貧しい?



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