伊坂 幸太郎

ノンシリーズ オーデュボンの祈り 新潮社 2000
歴史から忘れられた島で未来を見、話をするカカシが殺された…。ファンタジーミステリ系。
カカシが話をするコトが自然だという環境の島というのがリアリティに欠けるようでいてしっくりしている。
ラッシュライフ 新潮社 2002
カウンセラーの京子、空き巣の黒澤、リストラされた豊田…。それぞれのちょっと滑稽でミステリー
じみた物語が連鎖していく。淡々としているのがすごくリアルであり、コミカル。だけどほのぼの系。
陽気なギャングが世界を回す 祥伝社ノベ 2003
ちょっと特殊能力を持つ四人の銀行強盗。すごく平和でちょっとおかしい四人+二人のほんわかした
コメディ系強盗ミステリ話。
重力ピエロ 新潮社 2003
連続放火事件のリールを探す癌の父と長男、母がレイプされ生まれた次男。ゲーム感覚で始めた
はずが…。マッタリ感と緊張感が共存。過去の作品の登場人物もちらほらと顔をだします。
この作家さんは言葉がすごく癒し系。
アヒルと鴨のコインロッカー 東京創元社 2003
新居のお隣さんに広辞苑を盗みにいこうと誘われる新大学生の椎名。けれどそれが元で知り合いに
なったペットショップのオーナーの麗子、本屋強盗を企てる河崎、ブータン人のドルジ、まだ見ぬ少女
琴美。彼らを主役とした過去の物語の中に途中参加しただけだと知る…。
現在と過去が併記され進行する感じがもどかしい。
チルドレン 講談社 2004
盲目の永瀬、ロッカーで破天荒な陣内、常識的な鴨居。銀行強盗の人質という特殊な環境で
出会った彼らの物語の連鎖集。陣内がどれほど破天荒な行動をとってても、全体的にはけっこう
まったり系。
グラスホッパー 角川書店 2004
妻の敵を討ちたい鈴木、自殺させた者らの幽霊に悩まされる鯨、殺し屋の蝉。ある事件をきっかけに
三人の運命が交錯する…。なんか救いがあるようでないような…。睡魔に襲われること、しばしば。
初期の作品の方が個人的には好み。


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