気になることば 第一回

「ボランティア」

 二十年前は見かけることが稀であったのに最近の新聞上に氾濫している言葉といえば、ボランティア、だろう。語源になったと思われる英語のvolunteerを手元の辞書(COD第8版)で引くと、「自ら進んである作業に従事し又は兵役その他の役につく人」とある。英語volunteerの語源は仏語volontaireであり、ともに問題にされているのは「自ら進んで」という契機、志願の事実である。従って、対価を求めない場合に使われる仏語benevole(前の2つのeにはアクサン)とは区別される。

 最近の日本語で使われるボランティアは、やや異なる意味で使われているようである。言い換えるとすれば、「篤志家」、「タダ働き」、「お調子者」の三つの言葉のうちいずれかが当てはまる場合が多い。では、次の練習問題が解けるかな。
 

  1. 第10回の記念大会となった今回のトーナメントでは、多くのボランティアがコース上でギャラリーの整理に当たっています。実にうれしいことですね。
  2. 地元自治会の要請で集められたボランティア約百人が海岸に打ち上げられたゴミの処理に従事しました。
  3. このソフトウェアの開発は多くのボランティアのおかげで成り立っています。


(2000年4月28日)