そう、あれは青年海外協力隊員になりたいと思った時です。青年海外協力隊と言うのは約160の職種があってその中で隊員を募集しているのですが、文系である私が受けることの出来る職種が見つからなかったのです。例えば、同期隊員で同じくエジプトに来ているあとげんは、大学で音楽を勉強していたため、職種も「音楽」とすぐ見つかるのですが、私はそのような技術がありません。
そこで、願書を見ていたところ、私でも受けられそうな職種があったのです。それは「水泳」。
私は、幼稚園に入る前から水泳を習っており、一応人並以上(?)に泳ぐことが出来、さらに大学時代はずっとスイミングクラブで子供たちに水泳を指導していたので「私が受けることが出来るのはこの職種だ!」と思い試験を受けたわけです。
大学時代から試験を受けていたこともあり、4回と言う長い道程を経てやっと合格することが出来ました。そして、大学卒業後すぐ協力隊に参加させていただくことになったのです。
エジプトの水泳のレベルですが、生徒達の能力は、私は決して低くないと思います。
ただ、あくまで私見ですが、まだエジプトには指導者に効率的、科学的なトレーニングをしていこうといった考えがあまり無いように感じます。一時、日本でも「うさぎ跳び」と言うトレーニングがありました。これは筋肉を痛めるだけで、効果がまるでなく、正に「100害あって1利なし」なので今、日本でトレーニングの中に「うさぎ跳び」取り入れているところはないと思いますが、まだこちらでは「うさぎ跳び」のような(実際にうさぎ跳びをしている訳ではなくて)トレーニング方法を取りいれていると言った感じは否めません。
しかし、生徒達の個々の能力は高いものを持っていると私は思います。体力もありますし、身体能力もあります。
ですので、指導者達が、水泳の指導技術が進んでいる国から積極的に指導理論を学んだり、コーチングの研修に行ったりして、正しい理論を身につけていくとエジプトの水泳はもっと向上すると思います。
ただ、40過ぎのコーチに、日本から2年間だけ来ているしかも若造のおいらのアドバイスなんてなかなか聞いてもらえません。こちらの人は一般的にプライドが高く、また上下関係がはっきりしている国なので、一つ間違えると人間関係まで危うくなってしまうのです。私も何回喧嘩して、崖っぷちに立たされたことか…
でも、彼らが望んでいないことまで私がいちいち口出しすることがいいことではないのかも?と最近は思い始めています。まあ、ぼちぼちやっていくとします。