僕はやんちゃな音楽教師

やっぱり音楽は万国共通、とは限らない 

僕は、音楽教師なんですが、家では、ほとんどアラブの音楽を聞きません。なぜかって、それは、落ち着かないんだもん。では、その落ち着かない理由を分析してみましょう。

1 非和声音が多いし、和声も禁則だらけ。

和声というのは…。まあ、ちょっと話が長くなるので、これはまたいつの日か…。

2 音の高さがわからない。

アラビア語は日本語に較べて、とても子音が多い言葉なのです。子音というのは音高をつくりにくい(つくれない?)ものなのです。 逆に、日本語は母音多いですよね。全部の文字に母音があるから。だから、母音で音を響かせることをよく知っている民族だと思います。この前の、チャイコフスキー国際コンクールの声楽部門で優勝したのは、日本人ですよ。 音の高さがわからないと、メロディがなんなのかわかりません。

3 次のメロディを想像できないし、いつ終わるのかもわかんない。

普通、日本のPOPSやクラシックって何回か聴いたら、次のメロディが想像できるでしょう。それは、メロディに関連性があるからです。AメロがあってBメロがあったり、提示部があって、展開部があったりするんだけど、このAとBや、提示部と展開部はまったく無関係じゃない。 でもアラブの音楽って、とても次を想像できない。関連性が見つけられない(見つけにくい)もん。それに、いつ終わるかもわかんない。 これは、例えば、例えばですけど、ドレミファソラシ…、ときたら普通、次はドがほしいですよね。このドで終わりになるはずが、いきなりファに戻ったりするようなことなのです。ああ終わるかなあと、思ったら、また続く。いったいいつ終わるんだ…?

4 変拍子も多いし、テンポもすごくゆれる。

変拍子というより、もうこれは「語り」ですね。よく、お風呂で、お父さんが歌う鼻歌のようなものです。普通、4分の4拍子ってはじめの1拍目が強くて、その規則性があるから、ノリをつくれるんだけど、語られちゃ、困るよ。エジプトでは4分の4拍子以外禁止。テンポも音程もあったもんじゃないけど、なんか曲みたいになってる。それを、ちゃんとした音楽にしたものが、アラブの歌って感じ?みたいな?

5 アラビア語だから、何を歌っているのか、よくわかんない。

これは僕の実力の問題ですね。でも歌の意味がわからないって、やっぱりつまんない。日本語だと考えなくても、意味が入ってくるでしょう。難しいもん。勉強しなきゃね。 どっちかといったら(どっちといわなくても)、アラブ音楽の悪口になってしまいましたが、これは、僕が家で、落ち着かないから聴かないだけで、決して悪い点ではありませんよ。なぜなら、例えば、テンポのゆれなんか、時々、すごく素晴らしい揺らし方だなと思います。日本のほとんどの歌謡曲はすべて拍(しかも、90%以上が4分の4拍子)が決まっていて、音楽の微妙なニュアンスを表現しきれてないのではないかと、思います。デジタルサウンド、打ち込み系も多いしね(まあ僕も好きなんだけど)。まだまだ、他にも素晴らしい点はありますが、これは、またいつの日にか…。 僕も、授業でアラブ音楽をいやというほど、歌ったりするんだから、家にいるときくらい、日本のPOPS聴かせてほしいよー。最近の有名な歌手は「光GENJI」ですか?
  
 
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