滅失登記の特集

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建物の取壊工事完了後、登記記録を閉鎖するために法務局へ申請する手続が滅失登記です。
建物が存在しないのに登記記録が残ることは、不動産売買・相続・融資などあらゆる場面に影響を及ぼす
可能性がありトラブルの原因になります。

目次

  1. 滅失登記とは
  2. 滅失登記が必要になる場面
  3. 滅失登記の必要書類
  4. 滅失登記の手続きの流れ
  5. 滅失登記の費用
  6. 取壊業者にお願いすること
  7. よくある問題
  8. 期限と罰則
  9. 特殊な実例
  10. 当事務所の対応エリア
  11. 雑記

1.滅失登記とは

滅失登記とは、建物の取壊・焼失等の後、登記記録を閉鎖するために法務局へ申請する手続です。
閉鎖という言葉が使われる理由は、登記記録は消去されるわけではなく、滅失登記後も閉鎖事項
証明書を見れば内容を確認することができるからです。

2.滅失登記が必要になる場面

滅失登記が必要な代表的なケースは次のとおりです。



「自分の所有土地に知らない方名義の(現存しない)建物の登記が残ったままである」場合は
まず、その建物所有者をさがしだして、その方に滅失登記をお願いする必要があります。
その方が亡くなられている場合は、建物所有者の相続人にお願いします。

建物所有者の「連絡先が不明」な場合や滅失登記に「非協力的」な場合は、
(土地所有者からの)滅失登記の申出」という手続で法務局に滅失登記をお願いする
ことができます。

3.滅失登記の必要書類

 

4.滅失登記の手続きの流れ

当事務所での滅失登記の流れは下記となります。
(場合により、多少順番の変更等があります。)

  1. 建物の取壊工事の完了
  2. 資料集め・調査
  3. 所有者へ委任状をメール(または送付)
  4. 解体業者へ取壊証明書をメール(または送付)
  5. 現地で写真撮影
  6. 委任状・滅失証明書(取壊業者様の印鑑証明書を含む)を当事務所が受け取る。
  7. 申請書・調査報告書※の作成
  8. 法務局へ申請
  9. 滅失登記の完了


調査報告書は土地家屋調査士が申請する場合に必要となります。
法務局へ滅失登記を申請してから、完了するまでにかかる日数は
法務局の管轄、法務局の混み具合等により異なります。

5.滅失登記の費用

滅失登記は登録免許税がかからないため、 法務局への費用は0円です。
ただし、土地家屋調査士に依頼する場合は次の費用がかかる可能性があります。(AI調査)

ただし、追加料金として、
附属建物がある場合は、+5,000円
滅失証明書がない場合は、+5,000円~1万円
相続関係の戸籍調査は、+30,000円~50,000円
(これらは全国的に共通の追加項目)

6.取壊業者にお願いすること

  1. 滅失証明書
  2. 印鑑証明書
  3. 資格証明書
  4. 取壊工事の完了日
滅失証明書の押印について
取壊業者様が法人の場合は、法人の実印の押印が必要です。
取壊業者様が個人の場合は、個人の実印の押印が必要です。
「実印の印影」が、「印鑑証明書の印影」と一致するか確認する必要があります。

滅失証明書に記載された建物について
「滅失証明書に記載された建物」と「登記事項証明書に記載された建物」
と一致するか確認する必要があります。

取壊日について
取壊証明書に「取壊日」の記載があるか確認する必要があります。
記載がなければ、取壊業者へ問い合わせする必要があります。

印鑑証明書・資格証明書について
取壊業者様が法人の場合は、法人の印鑑証明書・資格証明書が必要です。
なお、滅失登記の申請書に「(取壊業者様の)会社法人等番号」を記入すれば、
取壊業者様の印鑑証明書・資格証明書は不要です。
ですが、「(取壊業者様の)会社法人等番号」と「(実印の)印影」を確認するため
「(取壊業者様の)印鑑証明書のコピー」を預かります。
資格証明書は、法人の代表者の資格を証明する書面です。
正式には、代表者事項証明書や(法人の)登記事項証明書と呼ばれる書面です。

取壊業者様が個人の場合は、「(取壊業者様の)個人の印鑑証明書」が必要です。

土地家屋調査士が滅失登記を申請する場合
現地の写真を撮って、その写真を滅失登記の申請書に添付します。
取壊工事の完了済か取壊業者に確認後、現地へ行きます。

7.よくある問題

滅失登記では次のような問題が発生することがあります。

  1. 「取壊した建物」が未登記建物だった。
  2. 「(登記の)建物の所在」と「(実際に建物がのっていた)土地の地番」が異なる。

<1.「取壊した建物」が未登記建物だった。>

登記で考えると、建物は「登記建物」と「未登記建物」に分けることができます。
未登記建物はそもそも登記をしていないので、
取壊した建物の滅失登記をする必要はありません。

未登記建物は、「登記できない建物」と(登記しなければいけないのに)
「登記をしていない建物」に分けることができます。

「登記できない建物」は、例えばホームセンターで買った物置を
基礎工事せず(地面との定着性なし)、地面やブロックの上にのせたものです。
移動できるので不動産と言えないと考えるとわかりやすいかもしれません。
これを登記の世界では建物とさえと認定されません。

  それに対して、「登記をしていない建物」は、登記しなければいけないのに、
登記をしないままにしておいた建物です。
余談ですが、この建物は建築費用を銀行等の借入をせず、自己資金で工務店に支払ったと
推測されます。
これが推測される理由は、銀行等からの借入があると原則、銀行等の抵当権設定登記がされます。
この抵当権設定登記をする前提として、建物表題登記と所有権保存登記をする必要が
があります。
よって、未登記建物ということは、銀行等の借入なく建築費用を工務店に支払ったと
推測されます。

  話は戻りますが、
「登記をしていない建物」は、取壊されるまでは固定資産税が課されていた
可能性があります。

毎年役所から郵送される納税通知書で確認することができます。
その場合、(登記されていないので)法務局への滅失登記は必要ないですが、
役所への「滅失届出」をする必要があります。
滅失届出をしないと、役所は取壊されたことを知ることができません。
滅失届出を忘れると、固定資産税の支払の請求が継続される可能性があるので
未登記建物を取壊した後は、忘れずに役所へ滅失届出をしましょう。

<2.「(登記の)建物の所在」と「(実際に建物がのっていた)土地の地番」が異なる。>

例えば、
「登記の建物の所在」が「~1番地」で
「(実際に建物のあった)土地の地番」が「~1番3」
の場合です。

  建物の新築時の底地(土地)は、「~1番地」
でしたが、新築時から現在までの間に「~1番」の土地
から「~1番3」が分筆されて、建物は取壊時に
「~1番3」にのみに建っていました。

こういった滅失登記の依頼があった場合は、
登記建物と登記土地の位置を時系列で調べて
滅失登記をする建物が実際に取壊された建物と
同じ建物か、しっかりと調査し確認を取った後に
滅失登記を申請します。

8.期限と罰則

滅失登記には、期限と罰則の規定があります。


上記規定はありますが、実際に期限が過ぎて罰則が行われたことを聞いたことはありません。
滅失登記をせず、放置するということは、実際は建物が存在していないのに、登記が残り
実態と合わず、不動産取引の安全性を害する可能性があります。
不動産取引の安全性を維持するための規定と考えられます。

9.特殊な実例

1.滅失登記の申出


自分の所有土地に、現在存在しない建物が、登記だけ残ったままである場合は
まず、その建物所有者をさがしだして、その方に滅失登記をお願いする必要があります。
その方が亡くなられている場合は、建物所有者の相続人に滅失登記をお願いします

建物の所有者様(その相続人)の住所が不明な場合や、滅失登記に非協力的な場合は、
「(土地所有者からの)滅失登記の申出」という手続で法務局に滅失登記をお願いすることができます。

滅失建物の所有者ではないので、「(滅失登記の)申請」はできないので
法務局にお願いして滅失登記をしてもらうということで、「(法務局に)申出」
という名前になっていると思われます。

どなたが取壊工事をしたか不明のため、
「(取壊業者様の)滅失証明書」は添付できないので、その代わりの書面として、
「理由書(土地所有者の署名・実印押印)」「印鑑証明書(土地所有者の)」
が必要となります。

理由書には、(土地家屋調査士事務所によって、内容が異なるかもしれませんが)
「①自分の所有土地に、現存しない知らない方名義の建物が登記上残っていること。」
「②建物所有者(その相続人)と連絡がつかない(または連絡はついたが滅失登記に
非協力的なこと) で建物所有者から滅失登記を申請してもらえないこと。」
により、滅失登記申出をした旨を書きます。

登記完了までの時間は、一般的な滅失登記よりかかります。

10.当事務所の対応エリア

  1. 神戸市
  2. 明石市
  3. 芦屋市
  4. 西宮市
  5. その他(兵庫県)(大阪府)等

11.雑記

知っておくと、理解が深まる情報を思いつくままに書きました。
<目次>

1.所在地番と家屋番号の関係

2.資料集め・調査

<1.所在地番と家屋番号の関係>

例えば、
「~1番5の土地」の所有者から、
「~1番5の土地」上に建っていた
「~1番地 家屋番号27番」の
滅失登記の依頼が当事務所にあった場合、

上記の情報を聞いて読み取れることは、
(1)建物図面を取れない可能性がある。
(2)「1番5」は「1番」から分筆された土地である

「(1)建物図面を取れない可能性がある。」と考えた理由は、

現在では、家屋番号は建物の所在地番に合わせて付番されています。
建物の所在地番が「~1番地5」の場合、家屋番号は「1番5」
と付番がされます。

ちなみに、「家屋番号1番5」が滅失登記された後に
建てられた建物の家屋番号は「1番5の2」と付番がされます。

現在のしくみ(家屋番号は建物の所在地番と合わせて付番)は、
1960(昭和35)年の「不動産登記法施行令」の施行から始まった
そうです。
それ以前は地番とは全く関係のない番号が付番されていました。

建物図面について

法務局に保管される建物図面は、
1960(昭和35)年4月1日の不動産登記法改正により、
登記(建物表題登記等)の申請時の添付が義務化されました。

ですが、実際は、昭和35年~昭和39年新築の建物図面は
法務局で、ほとんど取得できません。
現在となっては詳細はわかりませんが
義務化となっても、全国に広がるには時間がかかったの
かもしれません。

今回のケースでは
家屋番号(27番)は所在地番(1番地)と全く関係のない番号が付番されています。
ということは昭和35年以前の建物であり、建物図面が法務局で取得できない
と予想ができます。

新築日が昭和35年以前の場合、建物の登記事項証明書に
新築日が記載されていない場合がほとんどです。

「(2)「1番5」は「1番」から分筆された土地である」と考えた理由は、

例えば「~1番の土地」を分筆し、「~1番5の土地」
が新しくつくられた場合、前者を「元番」、後者を「枝番」と呼びます。

上記のことから、数字から、「元番」「枝番」の関係を
読み取ることができます。

土地を分筆すると、原則として元の地番に枝番(支号)が付されますが、
例外として元の土地に枝番がつかないこともあります。
例えば「1番」が分筆されると、「元番」の「1番」は「1番」のまま
の場合と「1番1」に変更される場合があります。

<2.資料集め・調査>

資料集め・調査は、どんなことをするのか?お伝えいたします。

まず、当事務所の所在する神戸市において
資料を取る場所(方法)をお伝えします。

1.法務局(兵庫県は17ケ所)
2.かんたん登記・供託申請(ウェブサイト)
3.登記情報提供サービス(ウェブサイト)
4.長田合同庁舎
5.三宮国際ビル
6.神戸市(ウェブサイト)

1.「法務局」で閲覧・取得できる書類

・登記事項証明書
・閉鎖事項証明書
・閉鎖登記簿謄本
・登記簿謄本(事故簿)
・旧土地台帳
・公図
・マイラー公図
・和紙公図
・地積測量図
・建物図面
・分筆申告図
・ブルーマップ

閉鎖事項証明書・閉鎖登記簿謄本は、登記事項証明書より過去の内容を調べたい
時に取得します。

登記簿謄本(事故簿)とは、何らかの理由で、コンピュータ化に移行できず、
(登記事項証明書に移行できず)登記簿謄本のままの状態である登記記録です。

旧土地台帳は、閉鎖事項証明書より過去の内容を調べたい時に取得します。

公図の過去のものが、マイラー公図。マイラー公図の過去のものが、和紙公図。

地積測量図は、分筆や地積更正の時に作られます。

建物図面は、建物表題登記(新築)、建物表題部変更登記(増築等)の時等に作られます。

ブルーマップは、法務局で自由に見れますが、
印刷は禁止されています。

2.「かんたん登記・供託申請(ウェブサイト)」で取得できる書類

・登記事項証明書
・閉鎖事項証明書
・公図
・地積測量図
・建物図面

このウェブサイトで請求して、(自分が指定した)法務局あるいは
郵送で受け取ることになります。

3.「登記情報提供サービス(ウェブサイト)」で取得できる書類

・全部事項
・閉鎖事項
・公図
・地積測量図
・建物図面

このウェブサイトで取得できる書類には、法務局で取得する書類と内容は 同じですが、登記官の認証印が押されていません。

4.「長田合同庁舎」で取得できる書類

こちらでは、建物所有者の方から預かった委任状を提出して、
評価証明書や家屋図面を閲覧・取得します。

評価証明書に記載された建物の床面積が、どのように計算されたか
家屋図面で確認します。

5.「三宮国際ビル」で閲覧できる書類

三宮国際ビル5階の神戸市建築住宅局建築調整課(1番窓口)で
建築計画概要書を閲覧できることがあります。

建築確認済証を申請していない場合等は保管されていないことがあります。

6.「神戸市(ウェブサイト)」で閲覧できる書類

こちらでは「換地図」を閲覧できることがあります。

年代や場所によって、保管されていないことがあります。