プロなら表舞台で勝負しろ


  「いやあ お客さん、
 楽屋はもっと面白いんですよ」
寄席へ行くと、高座でこんなことをほざく噺家がいる。

ふざけるなと言いたい。

ナルほど、落語家の楽屋は一見の価値があるだろう。
きわどい マニアックな話題で盛り上がっているのかもしれない。
それならば 楽屋の様子を見せてくれといって、
 「それでは御覧なさい 笑ってください」
と案内されるわけではない。
結局、そんなことを聞かされても、縁のない我々一般人は
鼻白むばかりだ。

おまえら わかっているのか?
プロは 表舞台が全てだろ?!

仮にだぞ、俺が、注文された料理を出した後で、
 「いやあ お客さん、まかないで作る料理は、もっと斬新で
 おいしいんですよ」
などと言ってみろ。
 「え ホント?バイトの子がうらやましいなあ」
などと言って感心する客は、まず いない。
内心、相手の無責任さに腹を立てつつ、
疎外感というスパイスをふりかけられた思いで、目の前の皿に箸をつけ、
ため息をついて「もう来ねえ」と つぶやくだろう。 

プロなら 言い逃れをするな。
てめえの力量だけで勝負しろ!
今いる舞台に命をかけろ!!