月組ドラマシティ公演『SAUDADE』の合間を縫って、
宝塚まで足を運びました。二度も(爆)。
だって面白かったんだもーん。
『SAUDADE』の感想もまだ書いてませんが、
とりあえず今日観てきたばかりのこちらについて、
残しておきたいと思います。
シェイクスピア(&ジョン・フレッチャー)作品、『二人の貴公子』。
シェイクスピアというと微妙に堅苦しいイメージがあったりしますが、
そこは若い小柳奈穂子先生と月組下級生たちの頑張りによって
古代ギリシャが舞台とはいえ
分かりやすい笑いも含ませつつ飽きないお芝居になってました(*^ ^*)。
以下、簡単なあらすじデス。
これからご観劇予定で、あんまりストーリーとか知りたくない人はお戻りください。
古代ギリシャ、テーバイの王の甥である
いとこ同士のパラモン(龍真咲)とアーサイト(明日海りお)は
とっても仲良し。
どのくらい仲良しかって「俺のものはお前のもの」
「お前が死んだら俺も死ぬ」と互いに友情を語り合っちゃうくらい☆
そんな二人が一緒に旅をしよう! と決意したところに
アテネが攻め込んで来(いや、もとはテーバイの王が酷いんだけど)、
二人は勇猛果敢に戦うも敗れて捕虜になり、
一つ部屋に放り込まれました(あ、そこはどうでもいい?)。
一つ部屋に(あ、2回言った)軟禁状態、煮詰まった彼らは、
ふとした折にアテネのお姫様・エミーリア(羽桜しずく)を見て
互いに一目惚れした気分になっちゃいました。
そんなところにアーサイトだけが釈放されちゃうものだから
パラモンは拗ねて「もうお前の顔なんて見たくない!」(爆)
その後、互いにそれぞれ卑怯な手段を使ってエミーリアに近づこうとする彼ら。
旅の騎士になりすましてエミーリアの従者になったアーサイトを見つけたパラモン、
そんなのずるい! とばかりに割って入って彼の素性をみんなにばらしてしまいます!
まあ大変!
でもそれを知ったアテネの王様は
「じゃあ、一年間それぞれ旅をして仲間の騎士を得てこい。
一年後帰ってきたときに決闘すれば、勝った方にエミーリアをあげようじゃないか。
負けた方は首を取るよ」と、
なんともエミーリアの人権無視な提案を(^ ^;;。
エミーリアが他の男を好きだったらどうするのかしらん。
そして一年後、決闘の日がやってきて…!
ーーえーと、壮大なBL痴話ゲンカストーリーでしたね。
巻き込まれたエミーリアが一番の被害者。
だってアーサイトが馬に蹴られて死んじゃった後の
パラモンの嘆きっぷりったら…!!
「アーサイトのいない世界を、どうやって生きていけばいいというのか…!!」
おいおい、それをこれから結婚しようという女性のいる前で言うか?(爆)
自分でない人を想って、身も世もなく嘆き悲しんでいる婚約者を見て
エミーリアに言えることはそりゃもう一般論と、
先に結婚式場に行ってるから、来たければ来るがいいさ、という最後通告だけだろう(*>_<*)。
おかげで、私はそれまでの展開にハンカチを涙で濡らしながらも
腹筋を使って笑いを堪えざるを得ませんでした(^ ^;;。
すごいなあ、シェイクスピア。
えーと、正直感想の多くはそこに持って行かれてしまったのですが、
以下、キャストごとに簡単に感想を綴っていきましょうか。
■パラモン(龍真咲)
あ、そういえば上演アナウンスの声は真咲ちゃんだけでしたね。
しかも名乗らなかった、のは何か意味があるのかしらん。
直情突っ走り型なパラモンの役を熱演してました。真咲ちゃん。
基本的に安定してるよね。歌も上手いし。
個人的には「お前の顔なんて、二度と見たくない!」のあと、
柱に腕をかけて拗ねてる姿がツボ☆
(14日に観たときには、笑いも起こっちゃってました(^ ^;;)
■アーサイト(明日海りお)
ホントみりおちゃんも安定してる。
真咲ちゃんとみりおちゃんがア・カペラで掛け合って歌うところとか、
安心して聴けましたよ(*^ ^*)。
そして容姿もだいぶ青年っぽくなってきたかしらん☆
何より、彼女の場合は芝居心が本当にいいと思うのです。
決闘に勝った後、馬に蹴られて死んじゃう設定は
こっそり「アンソニー!」と突っ込みましたが、
でも死ぬ間際のお芝居、泣かされました(*T_T*)。
ていうか、こういった場合、生き残った方のが辛いねえ(爆)。
■エミーリア(羽桜しずく)
スロースターターなのかしらね。
14日に観たときと22日に観たときとでは
ずいぶん印象が違いました。イイ意味で(*^ ^*)。
(いや、本音はまだまだ頑張ってほしいけれど(^ ^;;)
誰だっけ、この作品はしずくサマが美しくなければ成り立たない、と言ってたのは。
至言。
バラの刺を指先に刺して、バラの花を取り落としたときには
やっぱり『Apasionado!!』のヴァンパイアのシーンを思い出しました。
■テーセウス(萬あきら)
アテネの王様。
天野ほたるちゃんを妻とし、しずくちゃんを義妹とする、
ずいぶん若い子好きな王様ですが(爆)、
でもあの威厳はやっぱり専科さんでないと出せないものなのかもね。
ヒポリタ(天野ほたる)に対するキスシーンに
こっそりはくはくしておりました(*>_<*)。
■ペイリトオス(磯野千尋)
テーセウスの腹心の家来、みたい。
なんていうか、光流先輩と忍先輩の関係、みたいな(分かる人だけ分かって)。
やっぱりお芝居のいいところを締める意味では
こういった上級生(専科さん)に出ていただく必要があるんだよね。
■牢番(研ルイス)
冒頭、たぶん歌い出しが彼…彼女、なのですが、
「Apasionado!!」のエトワールを思い起こさせる子音に
あ、と思ったのは私だけではあるまい。
ずいぶん上級生なお芝居ができるようになってきて、何より何より。
■ヒポリタ(天野ほたる)
テーセウス王と結婚する夜からお話が始まります。
若い嫁じゃ。
しかしほたるちゃんは美人さんだねえ。
■医者(綾月せり)
考えてみたら、彼がテキトーなことを言うから
みりおちゃんが馬に蹴られて死んじゃったんじゃん!(爆)
…まあ、その伏線の張り方がシェイクスピアなんだろうけどさ。
ともあれせりちゃんは、最後のご挨拶のときも
おいぼれ医者らしくよぼよぼと歩いて出てきてたのが素敵でした(*^ ^*)。
■求愛者(光月るう)
そうか、そんな役名だったか。
彼女もイイ味だしてました(*^ ^*)。
最初から蘭ちゃんには振られどおしだったものね(^ ^;;。
よーく考えると、そこまでして蘭ちゃんにこだわる理由も分からないんだけど
まあいいか。
■王妃(夏月都/玲実くれあ/琴音和葉)
ああ、あの声の低めな王妃様が琴音和葉ちゃんだったか。
まるで『暁のローマ』であーちゃんが演った予言者のような不吉な三人組
…と思ったけど、アテネ側は勝ってるんだものね。
■劇作家(彩央寿音)
スパルタ劇作家☆
歌上手いよね。
余興お芝居であたふたしている姿が可愛かった。
■牢番の娘(蘭乃はな)
笑顔がホント可愛い。目が離せません(*>_<*)。
そしてお芝居はマヨイちゃん(爆)。
てか、そっくりですねえ。れーれちゃん(すみれ乃麗)と。
でも役柄や妄想族…心を病んでいるくらいだったけど、の設定が演じやすかったのか、
とっても良かったです(*^ ^*)。
「好き、キライ、スキ、キライ、姫様、…!」とか、
エミーリアにダイアナの神託と間違われたときの「え゛」とか。
今後に期待☆
■旅の騎士(紫門ゆりや)
アーサイトに剣を奪われ、村人には芝居に借り出され、パラモンに衣装を奪われ、
さんざんなヒト(^ ^;;。
でもゆりやちゃんは、そのおっとり具合や真面目さも相俟って
とてもイイ感じに演じてましたね(*^ ^*)。
なにげに気づいたらエミーリアの従者にもなってるし。
■村人たち
とくにボトム役(お芝居の中では名前分からなかったけど)・貴千碧ちゃんが
やっぱりイイ味出してました(*^ ^*)。
でも他の子たちもみんな頑張ってたよ☆
麗百愛ちゃんの、ここぞとばかりの足上げとか(>_<)。
冒頭にも書いたけど、
若い脚本家と演者によって
決して古臭くない、現代的な仕上がりになっていたのが
今回の公演の成功のもとだと思います(*^ ^*)。
おかげで最初は観るつもりなかったけど2回も観ちゃったし☆
そしてこうやって来ると、
次回の公演…エリザか…でみんながどんな風に成長しているかを観るのが
また楽しみになってきますね(*^ ^*)。
なかなか役がなくて大変そうだけど、みんなに頑張ってほしいです☆
fin
|