2007年5月26日 11:00開演 /
5月27日 15:30開演
月組全国ツアー公演『 ダル・レークの恋 』(1)
於 福岡市民会館


ラッチマン(瀬奈じゅん)が言っていた、
「女性の魂を奪ったことなら、あります」とは、
…ああ、私のこと。
奪われました。魂。一夜にして攫われました(時間軸間違ってる)。
なんなの、なんなの…あのヒトは!!!(*>_<*)

前評判は聞いてはいたんですよ。
あさこちゃんにすごくハマッてる、と。
こういう作品に出会いたかったんだ、と。

果たして。

もう、どこからどう伝えていいのか分からないくらい、
すべてが素敵でした。
素敵、と一言で言ってしまうには語弊があるな。
あるときは息を詰めて見入り、
あるときは心臓をハクハクさせ、
あるときは切なさに涙ぐみ、
すべての「素敵」に通じる感情を起こさせる要素が
3時間の中に込められていたのです。
そして何度心の中で「超カッコイイ!!」と叫んだことか。
あまりにも何度も叫ぶために、
思わず「語彙少ないなあ」と自分ツッコミを入れたくらい。

でも本当に、こういう作品にずっと出会いたかったんです。
大劇場でこういう作品に会いたいんです。
「マジシャン」、よろしくです。

そして 、ストーリー自体も良かったの。
1959年初演の作品と言うことで(え? 約半世紀前?)、
古臭い、と言われたりもしているようですが、
ところどころの台詞の端々に今では使われない言葉(ex.色魔)が
埋められている以外は、
私はそんなに感じなかったです。
『ジャ○の踊り子』のほうがよっぽ… げふんげふん。

それでは、ストーリーを追いながら、
素敵ポイントについて語っていくことにいたしましょう。
(これから2週間観られないので、
自家発電のための資料も兼ねてます(爆))
これから観劇予定の方はネタバレになりますので要注意。
複数回観られるなら、
一度観てから読んでいただいた方がいいかもしれません。

 

 

第1幕
■第1場 プロローグA 夜霧のパリ(まことの愛)

後から考えると、エピローグに続いてるんですね(*T_T*)。
正直観るまではターバンってどうなの? と思っておりましたが、
すみません、浅はかでした。
マントを落とした後のダンスが(短いけど)格好いいです。

■第2場 プロローグB 睡蓮の花の恋(花の小舟)

初見のとき、瀬奈さんのお化粧がちょっと柔らかめだったからか、
長い黒髪がくるくるウエーブがかかっていたからか、
あるいはお衣装の前垂れが長かったからか、
ちょっとだけ女性っぽく思えてしまったんですけど、
でも二回目はそんなことなかったデス。失礼しました。
かなみちゃんとの柔らかなダンス、柔らかな表情がとても好き。

■第3場 プロローグC シバ神の踊り

おお、このシーンの祐飛ちゃんはシバ神だったんですね☆
祐飛ちゃんも首が横に動くんだ(インドの踊りでよくある、
でも私にはできない動き)、とびっくり。

■第4場 ホテル・カシミールの舞踏会(夏の一夜の終わり)

ここからストーリーは始まります。
インドの王族達が避暑に来ていた夏も今日で終わり、ということで
パーティーが開かれ、
マハラジアの姫・カマラ(彩乃かなみ)と
騎兵大尉・ラッチマンの幸せな様子が描かれているわけですね。
幸せそうな二人、というか、
私の目は実質瀬奈サンしか見えてないのですが、
ラッチマンの笑顔が、可愛いの。
少年ぽさも垣間感じさせるような笑顔。わん。わんわん。
そして「私と踊ってください!」じゃじゃーん、登場! の流れは
こっそり「金貨に250ドル!」を彷彿とさせます。
そういえば冒頭、みりお(明日海りお)ちゃんらホテルマン達の
歌い踊る「エニシング・ゴーズ」が
録音されてて口パクだったのにびっくりしました。
宝塚で口パクって初めて観た気がする。
このあと下級生達のコーラス時に何度か口パクありますが、
全ツっていつもこうでしたっけ。
マイクの数の関係かしらん。

■第5場 ホテル・カシミールの中庭

身分違いの恋、ということで、
家族中から別れを告げろ、と諭されるカマラ。
言ってみれば、愛よりも家柄や出世を取る、逆『舞姫』なわけですね。
びっくりしたのはあひちゃん(遼河はるひ)の包容力。
あまりにも大人(たいじん)らしかったため、
実は最初、カマラの叔父に当たる人なのかと思ってました(爆)。

■第6場 元のホテルの広間

カマラに冷たく拒絶されるラッチマン。
カマラはすみません、私にとってはほぼ声のみのご出演ですが(^ ^;;。
カマラに拒絶されて去っていくときも
まだ彼女の愛を信じているラッチマンが、
その後ラジエンドラだろうと疑われ、
カマラにまでそう思われていると知った瞬間の絶望の表情と
その後の復讐に燃えた不遜な笑い、態度の対比は
先のストーリーを知ってしまうと、胸の苦しさを抑え得ません。
ていうか、ええ、瀬奈ファン的には
その後の不遜な、露悪的な態度が大好きなわけですけどね(>_<)。

■第7場 月はひとつ

クリスナ(遼河はるひ)とカマラのデュエット。
あひちゃんに包容力があるとは言いましたが、
クリスナは妹のようないとこを、言ってみれば見捨ててるわけですよね。
ひどい。

■第8場 月のバルコニー

瀬奈ファン身悶えシーン、第1部。
息を詰め、身を固くして、オペラにしがみついているのは
私だけではないはずです。
あの表情。あの薄い笑み。
そしてなぜあのヒトは、右眉だけを上げることができるんでしょう。
ていうかあれは絶対無意識。無意識に上げてます。
(いつだったか、お茶会でも普通化粧でそんな表情を…(爆))
カマラの悪口雑言に対して「それから? それから?」と
露悪的な笑みを浮かべて迫ってくる姿に、もう息すらできなくなり。
(そう言いながらもベンチに腰掛けた太ももに
目が行ってしまうのは私だけじゃない、よね?)
でも一瞬、本音が見えるんですよね…(*>_<*)。
あの、カマラから「軍服を愛していました」と言われたときの、
「そうですか…」とカマラに対して背中を向け、
腕組みをして立つ姿、その間に深い絶望が感じられるの。
すでにラッチマンに感情移入してるんだかカマラに感情移入してるんだか
分からなくなるくらい、とにかく苦しいです。
そして、件(?)の「来るんですか? 来ないんですか?」
あの低い声であんな風に言われたら、
もう、ごめんなさい! だよね(*>_<*)。
そういえば梅田ではあった台詞があまりに鬼畜すぎたため(?)、
福岡ではカットされたという噂を聞きましたが、
なんと言ってたかご存じの方いらっしゃいましたら
お教えください〜。聞きたかった〜。

■第9場 恋と名誉(睡蓮のカーテン前)

来たるべき次のシーンの、前説ですね。
すみません、みりおちゃんと(白華)れみちゃんが歌い終えて
タキちゃん(出雲綾)たちと話し終えた後
いよいよカーテンが開くかと思って座り直し、
オペラを構えてしまいました(^ ^;;。
もう一曲あったのね(爆)。
以後気をつけます。

■第10場 ダル・レークの恋(流れる赤い花 愛のバレエ)

瀬奈ファン身悶えシーン、第2部。
ここはあまりにも有名でしょう。
星組Ver.を観たことのなかった私でさえ、
このシーンのことは知っておりました。
子どもは観ちゃダメ! みたいなこのシーン。
全国ツアーということで
たくさん地元のご家族連れがいらしていたのだけれど、
こんなR指定シーン、お母さんどうするの? と心配になりました(^ ^;;。
ていうか、本当にすごかった…(*>_<*)。
すみません、やっぱりかなみちゃんはなかなか視界に入ってこないのですが、
サリーの布を引っ張る瀬奈サンの表情…!
ターバンを一枚ずつはがして振り払う黒髪…!
そしてベッドの前に背中を向けて仁王立ち…!!
そしてそして、暗転しながらも、ああ…!!!
あの手の行き先。どうなんでしょう。どうなの?
初見時、オペラにしがみつきながらも
「そうよねえ、あさこちゃんももう30過ぎだもんねえ…」とか
訳の分からないことを考えてしまいましたですよ(爆)。
一度は上手で観たいです(*>_<*)。

■第11場 酒場のあるダルの湖岸

ダル・レークの祭りに参加する二人。
あの、船から下りるときに
足を取られて抱きつくお約束は置いとくとして(え?)、
その後の二人が俗世や本当の関係を忘れて楽しむ姿、
それこそ冒頭の舞踏会のような笑顔で踊る姿に、
一瞬涙腺がゆるみました。
「百姓の娘なの!」と嬉しそうに言うカマラを
優しく見つめるラッチマンの瞳。

■第12場 愛の誓いを(湖岸のヒンドゥーの寺院)

だからこそ、
カマラの正体がばれてカマラが走り去っていってしまった後の
ラッチマンの表情は、もっと哀しみに満ちていてもいいのかな、と
思ったりするのですが。
ここの、「ちぇー、行っちまった」的な表情だけ、
ワタシ的にはちょっと不服。

■第13場 どうせこの世は…(ペペルの歌)

初見時、祐飛ちゃんはいつ出てくるんだろう、
そろそろ話が終わっちゃうじゃん(?)、と思ったら
ここで登場。
いかにも〜な悪人っぽいスーツがまた似合っていて☆

■第14場 インドの大きな港町

ここでリタ(城咲あい)に紹介されて上手から登場するペペル(大空祐飛)が
縞のスーツに黒いターバン、そして枠の大きなサングラス…と、
いかにもチンピラっぽい格好で出てきたので
「おいおい、これから結婚を申し込むためお父様に会いに行くのに
その格好はいいんですかい」とツッコミを入れたくなりましたが、
リタもかな〜りペペルにアツアツ((c)ビーナ(白華れみ))みたいなので
まあ、ヨシとするか…なんて甘く思っておりました。
この後の展開を考えもせず。
そしてリタとポトラジ(一色瑠加)が乗っていく車の縮尺が
どうにもツボでした(*>_<*)。

■第15場 王城の門前の広場(ハイダラバード)

どうでもいいんですが
マハラジアであるはずのチャンドラ(越乃リュウ)よりも
クリスナたちのほうが皆に歓迎されて歌われたり踊られたりしているのは
なぜでしょう?
そして「もう二度と会わない」くらいのことを言われたのに
ラッチマンがこっそりついてきてるのはなぜでしょう?
(いや、ついてくるのはいいんだけど、そうするとやっぱり
12場の表情が軽すぎるかなあ、とね、思ったりするわけで(^ ^;;)

■第16場 ラジアの饗宴(ラジアの城の大広間)

スミマセン、いまパンフレットを読んだのですが、
私、「やがてカマラはラッチマンに顔を背けて走り去る…。」
ーー知りませんでした(^ ^;;。
次回は頑張って、み、み、観られたらいいなあ。
でもその前の、ラッチマンの
「もう一つ名前があるのですが…」の言い方が、
ヒトを小馬鹿にした感じですごくイイです(*>_<*)。

■第17場 王城の柱のある回廊

ペペルの愛の言葉の嘘くささが、上手いッスね☆

■第18場 王城の仏像のある宮殿

ようやく瀬奈サンと祐飛サンがお芝居で絡みます。
とっくみ合いを始めたのをCS初日映像で観たときには
一瞬これまでの経歴(祐飛×瀬奈…)から
あさこちゃんがぼこぼこにやられちゃうんじゃないかと
心配してしまいましたが(爆)、
さすがはラッチマン! 強い強い。
果てにはピストルまで持ち出して
「私にはやるべきことがあると言ったでしょう!」
…なぜ丁寧語?(*>_<*)
さらにはその後、ペペル達を追いかけて下手客席を走り抜け、
下手の横の出口へ走って出て行くのですが、
スミマセンスミマセン、
福岡市民会館の出口の向こうにはなぜかエレベーターがあるのです。
そのエレベーターの向こう側まで
ピストルをまっすぐ構えたまま走っていく勇姿に、
客席が明るくなると同時に大爆笑してしまいました(*>_<*)。
だってあまりにも姿勢が良くてカッコイイのに、
走り去っていく向こう側はものすごく現実的なエレベーターなんだもの。
いや、でも本当にめっちゃくちゃかっこいかったわけですわ。

 

第1幕が終わった時点で、すでに魂を抜かれていた私たち。
幕間には「今からもう一度第1幕が観たい…観たい…!」と
右目を押さえてアンドレごっこをしたくなるほど
狂っておりました(爆)。

第2幕は、場所を変えることにいたしますね。
まずはアップロードしてしまおうっと☆

 fin