ーー来た、観た、よかった!
カエサルの言葉「来た、見た、勝った」ではないけれど、
初日があけてからようやく来て観た月組公演は、
うん、こんな感想になりました。
『暁のローマ』
正直、観るまでは不安でいっぱいだったんです。
ポスターの、まるで『はじめ人間ギャートルズ』のようなタイトルロゴに
原始時代調だったらどうしよう(?)とドキドキし、
CSでやった初日映像の「♪カエサルはえ〜らい〜〜」に
すごつよソング再び…とハラハラし、
同じく初日映像の「うそだーーーーーーー!!」に
あなたって時々子どものようになるのね(byマノン)…とキリキリし(爆)。
ここに来て、CSのステージインフォで聴く音楽が
なかなか素敵そう…と思い始め、
先入りした皆さんから「私は通える」と
全面的ではないにせよ前向きな感想ももらうようになり、
ちょっと大丈夫かも…でもあまり安心はしないでいよう…と
思いながら、観た初見。
ーーハンカチが必要となりました(*T_T*)。
いやあ、面白い話じゃない?
いろいろツッコミ甲斐はあるし、
もっと時間の使いようはあるけれど、
でも、人の何たるか、社会の何たるかを考える素材として
歴史を知る一番の意味がここに描かれているじゃないですか。
現代社会にも通じる人心の移り変わりの怖さとか
愛や信念だけでは世の中を渡っていけない矛盾とか、
なんだろう、使われている言葉が簡単なぶん、
より分かりやすく描かれていると思いました。
一番すごいと思ったのは、
カエサル(轟悠)の死後、ブルータス(瀬奈じゅん)の演説で
ローマ市民がブルータス側についた
(ここの大合唱も本当に素晴らしいの(*T_T*))
かと思いきや、
「ブルータスを讃えよう」と始めたアントニウス(霧矢大夢)が
あっという間にローマ市民を味方につけていってしまうところ。
時代の寵児だったホリ○モンが
あっという間に小菅に拘留されてしまったときの、
メディアの扱い方とかを思い出してしまいましたわ。
テレビなどもちろんない当時、
広場での演説が大きなマスメディアだったわけよね。
そしてそれに流されて、人々の心は移ろってしまうわけよね。
「♪ブルータスはえ〜らい〜」と歌われ、
市民の輪の中に入っていくブルータスの姿に、
私はまるで『八時だよ! 全員集合』での志村けんに向かって
「後ろ! 後ろ!」と叫ぶ子どもたちのように、
「うわーん、入ってっちゃだめだよー!」と泣き叫びたくなりました(>_<)。
このリアリティがすごい。怖いよ〜。
またね、音楽が本当にいいの。
「♪ロ〜〜マは〜〜 みんな〜〜のもの〜〜〜」とか、
CSで聞いた時には
「だから「みんな」じゃなくて「みな」にするだけで
大人っぽい言葉になるのに…」とがっくりしていたのですが(爆)、
この耳に残るメロディの、歌う人によって歌詞が違ったりしていて、
それによってそれぞれのキャストの立場の違いとかに繋がっていて、
うーん、なんとも素敵な作り。
同じ歌詞の繰り返しは、ある意味とてもクラシカルなんですよね。
すごく西洋音楽的。
そんなこと言ったら「ハレルヤコーラス」なんて、
「♪ハ〜レルヤ!」と何回言わされることか(笑)。
(だから問題は、「えらい」とか「おうさま」とかの
お子様ちっくな言葉の選び方にあるだけなのよ)
かと思いきや、簡単なメロディだけではなく、
ときどきはすごく難しく、しかも聴かせる音楽もあったり。
あさこちゃんはお茶会で、
音域として普段は実声で出さない上のドとかド♯が続いたりするから大変、
と話していてさもあらんと思ったのですが、
(彩乃)かなみちゃんの歌にいたっては上の上のシまで
ナチュラルに出してますよ。うわあ。
きりやんとほっくん(北翔海莉)の漫才
(本気で漫才だったのにびっくりした(笑))も含め、
本当に、一般のお友達を連れてきて恥ずかしくない舞台だと思うデス。私。
…そして何より、
こんな可愛い子ちゃんな瀬奈サンを初めて観ました(爆)。
なんなの、ブルータスの愛されっぷりは!!
カエサルに愛され、ポルキアに愛され、お母さんにも愛され、
カシウスに愛され、暗殺者のみなさんに愛され、
そしてローマ市民にも愛されて。
あまりにも多くの皆さんから素で可愛がられ、愛されていた
(いっそ専門用語で言うと総受…!(*>_<*))
ので、
いまわの際にブルータスが「私ほど愛された男はいない」と
独り言ちたときに、
「そうだね、本当だね…」と私は心の中でうなずきました。
とくに、こんなファンでスミマセン、
一番萌えたのはやっぱりカシウスとのシーン(*>_<*)。
いやもう、びっくりでございましたね。
祐飛ちゃん登場のシーンからその二人の距離の近さに
ドキドキしていたものでしたが、
人心を得るのに失敗し、二人きり残ったところで、
アントニウスに怒り、ブルータスへの愛を熱烈に語る(ちょっと間違い)
カシウスが「歌ってくれ、ブルータス」と手を差し出し、
しかもその手をブルータスが取って二人で見つめ合い歌い出した時には
「ブラボー、キムシン」と心の中でつぶやいて
オペラにかじりつきましたことでございますよ。
(あ、ちなみに、二人の声質が似ていたりピッチも揃っているために、
ユニゾンになると本当に一つの声に聞こえてくるのが
またヨシなのでございます(*^ ^*))
また、実の母から「妻しか知らないなんて情けない」とか言われるどころか、
カエサルの愛人たちに囲まれてもとまどうだけで好色な表情一つ見せず、
かと思えばカエサルから手を差し出されその上に手を乗せて笑顔を見せ、
果てには「私はあなたに会いたかった…!」とカシウスを抱きしめる。
もちろんポルキアには安心した微笑みを。
…いいんでしょうか、こんな可愛い子ちゃん。
ああ、冒頭、後ろ姿でせり上がり、俺サマな表情で振り返った時には
こんな可愛い子ちゃんになるなどと
思いもいたしませんでしたわ…(*>_<*)。
ーーえーと、気づいたらあさこちゃん語りに入ってしまっていたので、
そのほかのキャストについても。
まずはカエサル、いしちゃん。
まるでショーのように赤い口紅が気になりましたが(爆)、
でもあの威厳はさすが。
そしてあの死に方もさすが。
舞台的にはセリの中にうまくマントも収まるように死ななくちゃいけないので
大変なんだそうですが(byあさこちゃん)、
でも、ああいうようにマントにくるまるように死ぬのは
史実そのままなんだよね。うーむ(*>_<*)。
「ブルータス、お前もか…!」と言った時の表情がものすごくて、
私がブルータスだったら今ナイフを放り出して逃げる!
と思ってしまったほどでした。
実際、あさこブルータスが怯えるように退くのに、ものすごく感情移入。
ポルキアのかなみちゃん。
やっぱり上手い人には難しい曲を書くものなんだね。
狂った後の曲とかかな〜り難しそう。
かなみちゃんはあっさりと歌いこなしてるけど。
史実では火のついた薪を飲み込んで自殺しちゃうようですが、
そんな怖いことはしなくてよかった(^ ^;;。
アントニウスのきりやん。
こちらも上手い! 上手いッスよ。
何が上手いって、一番「ひー!」と思ったのが、
カエサルが殺されたあと
自分も殺されるかと思ったのが思いもかけず許されて、
「賢いブルータス、握手をしよう」と慌てながら卑屈に動くところ。
なにげにこの台詞も、外国ものっぽい台詞回しで好きだったりするけど、
なによりこのときのきりやんの態度が、すごいですわ。
あと、あの後ろにねじって巻いたような髪型もいいね。
カシウスの祐飛ちゃん。
こちらもビジュアル最高(*>_<*)。
そして悪巧み系(?)な祐飛ちゃんに、カシウスはぴったり!
しかもカシ×ブルでブラボー(あ。)。
あとねあとね、あの微妙にラップっぽい音楽の時の振付も可愛い。
オクタヴィアヌスのほっくん。
聴かせるねえ。
あの、一人サスの中で歌い上げる「♪ローマは私のもの」は
本当に素晴らしかったです。空間埋めてたし。
そしてワタシ的には、アイラインの青が濃かったのが一番Good!(爆)
(と思ったのに、…なぜショーでは水色に逆戻り!?
誰か、誰かほっくんに水色はノー! って教えてあげてーー!!!)
クレオパトラのあいあい(城咲あい)。
史実では、子どもを連れたクレオパトラとカエサルは会ってないはず…。
まあ、クレオパトラの子は後継者には選ばれなかった、ということを
表したかったためのことだろうし、仕方ないね。
でもせっかくのクレオパトラなのに描き方がちょっと可哀想だったかも(^ ^;;。
ストラトーンの(龍)真咲ちゃん。
あさこちゃん大好きな真咲ちゃんには嬉しそうな役ですね(笑)。
でも、可愛かったよ(*^ ^*)。
ていうか、可哀想な役どころを仰せつかって
…いくら史実とはいえ、あれは今だったら自殺幇助で捕まっちゃうよね(爆)。
暗殺者のみなさん。
すごい歌歌わされてますね〜。
「♪それが男〜!」いやいや好きですよ(笑)。
しかし、こんな仲間しかいなかったことが
カシウスとブルータスの失敗の原因だろうとも思っちゃったりして(爆)。
人で言うと、やっぱり越(乃)リュウとまゆげちゃん(楠恵華)、
それから病弱な(笑)青樹泉ちゃんが目立ってました。
でもなにげに、声量のあるマギーちゃん(星条海斗)も
あの寝言の歌のソロ、聴かせたね☆
ローマの市民のみなさん。
今まで観てきた、北京の民、大和の民より
描かれ方が1ランクアップしているのに気づいた方〜。はーい。
それは、…お衣装の色が1色じゃないこと!(爆)
いやでも、実はそれ、ちょっと大きいよね。
一人一人の顔が見えるもの。
(スイマセン、実をいうと、声のみのご出演だったりする時間の方が
長かったのですが(爆))
エジプシャンダンサー(兼乳母)のみっぽうちゃん(美鳳あや)の
ダンスももっと観たかったり、
クレオパトラのお付きに(夏河)ゆらさんがいることに
気づいたけれど、まだ目がおよばなかったり、
何より濃いお母さんである(嘉月)絵理ちゃんがすごかったり、
まだまだ観たりないところは多々ありますが、
その辺は東京に来てから追々と☆
とりあえずアップして、ショーは別ページにしますね〜(*^ ^*)。
fin
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