素敵な演出家が出てくるのは、本当に嬉しいことだね。
植田景子先生しかり、大野拓史先生、小柳菜穂子先生しかり。
ーーここにまた、新たな演出家がデビューしました(*^ ^*)。
稲葉大地先生。
私はまだこの作品のNOW ON STAGEを観ていないので、
彼がどのくらい若いのかとか知らないのですが(笑)、
噂によるととても見た目的にも若いのだそうな。
確かに、その若さがいい意味で(時には悪いイミで、もあったけど(^ ^;;)
あふれた舞台。
そこかしこに演出家のこだわりが見えてました(*^ ^*)。
たとえば舞台装置。
スクリーンを使った手法というのはそんなに斬新なわけではないと思うけど、
でも「Cinema」というタイトルと、
たとえばオープニングやタイトルエンドで使われたまさしく「映画」的な扱い、
そしてちゃんと最後にはストーリーの中にも「映画」が絡んでくるこだわり。
あの、アイドルな(桜乃)彩音ちゃんのプロモVTRが
果たして人の心を惹きつけて離さないモノになっているかはさておき(爆)、
雰囲気としてはとても素敵でしたよね。
両サイドの二階とか、サイドにだけかける紗幕の使い方とかも秀逸でした。
たとえば、出演者の言葉遣いや思考の方向性。
登場人物がみんな小さな携帯電話を使い、
ネットビジネスを手がけるキャストもいる、
言ってみれば私たちと同時代な人々が普通に話すであろう台詞の近しさ。
ちょっとした笑いの一コマも、とても今っぽい自然な流れで。
ウルフ(春野寿美礼)とレオナード(彩吹真央)が初めて対峙する時の
「立ってるのが好きだから」とか、
ウルフが一曲歌い終わったあとに奥から出てきたオーランドの
「今歌ってた?」とか、個人的にすごく好き(*>_<*)。
「子どもができたの!」と報告するアンナ(桜乃彩音)とウルフの
「マジ?」「マジよ!」
のやりとりはちょっくらいただけないが(笑)。
たとえば、キャスティング。
最近よく観てるホテル群衆劇(『グランドホテル』『THE有頂天ホテル』)
に負けず劣らず、
ホテルに泊まる人、一人一人にちゃんと人生があって、
ところどころあと一歩描ききれてない部分はあるにせよ、
でもちょっとした役の下級生まで
「自分の人生」を生きている感じがよかったです。
あとねえ、何がいいって、コーラスの使い方でしたね(*^ ^*)。
場面を閉める時にその場に残る人々が、それぞれの心情として歌う、みたいな。
青年館の音響のせいか、いろんな歌詞を一斉に歌うと
結果として誰一人何言ってるかわからなくなっちゃうのは残念でしたが、
でも「ミュージカル」としてとても活きていたですね。
そして、何より、ラスト。
…持たせるねえ! 含ませるねえ! 素敵だねえ!
むむ、名古屋でこれから初見の方は、このあとは読まないでくださいね。
ねえ、皆さんは、このあとどうなったと思いますか?
オサ茶では「草むらでオーランドをやり過ごし、
発作で死んだところに戻ってくる」とか
言われていたようですが(*>_<*)、
でも基本的にはやっぱりオーランドは
ウルフを殺しに行くわけなんですよねえ。
ウルフから「生き抜けよ」とか命じられてるし、あのラストもそうだし、
そういうことなんですよねえ。
もうねえ、久しぶりに妄想逞しくしましたよ、ワタクシ(爆)。
きっとねえ、
ウルフを撃ってしまったオーランドは、
血の海の中で彼を抱き上げて号泣するんだよ?
しかもウルフは笑顔でオーランドを見上げてうなずいたりしながら
死んでいっちゃったりするんだよ?
しかもきっとそれまでウルフは
セーヌの岸辺でオーランドが追いかけてくるのを待ってるんだよ?
しかも待ちながら歌っちゃったりするんだよ?
その歌声でウルフに気づいたオーランドは歩みを止め、
「また歌ってる」と苦笑しつつも哀しくて
やりきれなくなっちゃったりしながら彼の背中に銃を向けるんだけど、
やっぱりどうにも辛くて撃てないうちに一曲終わっちゃったりして、
そうするとウルフは「歌い終わっちゃったじゃないか」とか
振り返って笑っちゃうんだよ?
で、「…無理だよ」とうなだれるオーランドに近づいていったウルフは、
オーランドの手にある銃を自分に向けて
引き金に自分で手をかけちゃったりするんだよ…?
…百万回くらい読んだ話になってしまいそうだけど、
でも、み、見たくない?
ウルフを抱き上げて号泣するまとぶん、もとい、オーランド(爆)。
ちくしょ〜、らぶだ〜〜〜(*>_<*)。
スイマセン、ちょっと走っちゃいましたが(^ ^;;、
でもこれだけいろいろ妄想をかき立てる思わせる
演出家さんの登場は本当に嬉しいですね。
いやあ、これからに大期待。
てか、そろそろ本当に演出家も世代交代が必要ですよ。
トップスターばかりじゃなくてね。
さて。キャストの感想。
オサあや(一緒くたかい!)。
「♪あ〜〜な〜た〜は、気〜〜ま〜ぐ〜れ〜な、
ね〜〜こ〜の〜ような〜人!」
めっちゃ可愛ええ! 萌え!!
終演後はなぜかずっとココばかり歌ってました、私。
もちろん振り付きで(>_<)。
ルーシーさんだった頃とは月とすっぽんよりもかけ離れてるくらい
歌もお芝居も上手になった
(でも実際、ルーシーさんみたいな「待ち」のお芝居よりも
今回のような発散型のお芝居の方がやりやすいだろうというのはあるんだけど)
彩音ちゃんを、
これまた目に入れても痛くないような表情して見下ろすオサちゃん。
本当に可愛くてしかたない感じですね〜〜。いいですね〜〜。
ラブですね〜。
ゆみこちゃんのレオナード。
こちらも実際上手いですよね〜。
いつだったかソロで歌い上げてる時に、ちょっとふるえが走りました(*>_<*)。
ちょっとだけ、ちょっとだけ、
よく考えたら記憶あるのに、
人妻(華耀)きらりちゃんと、…そうか〜とは思いましたが(笑)。
そして。
…スイマセン、結局あさこファンというのは
こういうキャラが好きなんですわ!
一緒に観たあさこ会、みんなメロメロでした。
まとぶんのオーランド(*>_<*)。
開演前「まとぶんばっかり観ないでね」と釘を刺されていたから(笑)
全体を観ていたつもりではあったのですが、
それでもまとぶんソロのときに
背景に白い鳥が飛んだのは知りませんでした(爆)。
ていうかねえ、彼…彼女には
宝塚一オールバックが似合う男役の称号をあげるべきですね。
黒い革ジャンとジーンズが一番似合う男役の称号も(笑)。
いやあ、素敵でしたわ…(*>_<*)。
ていうか、オサちゃん、ゆみこちゃん、そしてまとぶんのトリオも
すごくイイ感じ。
だって、ここにみわまつも来るんでしょう?
花組充実してますねえ(*^ ^*)。
みんな歌上手くて、
ホント次の『ファントム』がものすごく楽しみになりました。
…チケット取れるかしら(*>_<*)。
そのほかのキャストも本当に一人一人良かったんですよ。
さっきも挙げた、二番手娘役のきらりちゃんのお芝居は言うことないし、
パトちゃんも可愛かったし、
あのドレッドヘアのバーテンさんも上手かったし
(オサちゃんに投げキッスを返すアドリブも可愛かったね)、
貴怜良ちゃんは一時期の眉月王子に似た印象かな。
なによりヒマラヤン(だったよね?)が似合う
組織のボス・ハッチさん(夏美よう)! コワ!(超褒め言葉)
おお、そういえば
トシコさん(鈴懸三由岐)相手に
ちゃんと旦那役がはまっていたみつるくん(華形ひかる)も
すごい成長だと思ったですよ! 大人になった!
私が観たのが東京楽前日だったがゆえに、一度しか観ないで終わったけど、
もしもっと早く観ていたらなんとしてももう一回観たかったなあ。
きっともっといろんな発見があったろうと思います。
(名古屋…? いやあ、無理無理(笑))
でもとにかく、宝塚にこういう演出家がどんどん現れてきていることが
何より嬉しい今日この頃。
次回作、期待してます〜(*^ ^*)。
fin
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