毎年ノエルが来たら、思い出すことでしょう。
ジャン・ポール(水夏希)のように。
クリスマス・イブのこの日。雪組千秋楽。
コムちゃん(朝海ひかる)とまーちゃん(舞風りら)の、
いよいよラストデイです。
前日の最後の貸切公演も観劇し、
その熱さに胸を打たれていたのですが、
ラストデイは、まさしく渾身の舞台。
メルパルクの画面を通しても
タオルハンカチを湿らせずにはいられませんでした(*T_T*)。
以下、まずは私の気づいた範囲での、
千秋楽のお遊びから。
『堕天使の涙』
・オープニング、銀橋に出てきたあみさん(愛耀子)のとんがり帽子、
なにげにクリスマスツリーのように飾り立てられてました☆
・指揮者ご挨拶。
ヴェネツィアン・マスクを外すと
エリック((c)ファントム)が出てくるかと思いきや
普通に指揮者さんの人のいいお顔が現れるので(笑)、
思わず「可愛い(*^ ^*)」とつぶやいてしまうこのシーン。
なんと千秋楽は
ルシファー・コムちゃんのお面にサンタ帽とおひげをつけたような
マスクでございました(*>_<*)。
『タランテラ!』
・(壮)一帆ちゃんの銀橋渡り。
ラストに五峰(亜季)姐さんと腕を組むところで、
一言いうのが習わしだったのかな?
前日のVISA貸切では「カードで君をお買い上げ☆」と言って
笑いを誘っていたのですが、
ラストはクリスマスらしく
「君と二人でうんちゃらかんちゃら」(忘れた…)と
五峰さんに愛想を振りまいてました(*^ ^*)。
・フィナーレ、退団者はそれぞれ胸にお花をつけてましたね☆
(お遊びとは違うけど…)
・これもお遊び、というより、泣けるアドリブ。
フィナーレのラスト、
コムちゃんが大階段をまっすぐ上に登っていくのと
すれちがいにエトワール(?)の水さんが降りてくるシーンで、
コムちゃん、すれちがいざま、
水くんの肩をポンと軽く叩いていきました。
コムちゃんのお茶会報告によると、このシーンのコムちゃん、
ひたすら水くんとは目も合わせないようにして登っていたそうなのに、
ラストは、ということなのね(*T_T*)。
思わず私、「ああ…」と声をあげてしまったです。
水くんも一瞬表情が揺れてなかったかしら…。
そのほかにもいろいろあったのかもしれませんが、
この公演3回目の私にはこれ以上は分からなかった(^ ^;;。
というわけで、キャストの感想。
まずは、前回のレポで書き忘れてしまった(ゴメンナサイ!)人々から。
(壮)一帆ちゃん! 音楽家!
「♪しっとのほのおが〜〜」という歌詞にはちょっとびっくりしますが(爆)、
でも、目力強くなったね!
ラスト、思いがけず殺してしまった弟子のマルセルを抱きしめて
「まるせるーーーーー!!!」」と慟哭する姿に打たれました(*T_T*)。
沙央くらまちゃんは冒頭シーンの紫の口紅がずいぶん大人に見せていて
可愛かったし(でも可愛いんだ)、
大湖せしるちゃんのオカマデザイナー、動きがめっちゃ上手かった☆
もともと綺麗なお顔立ちだし、かな〜りホンモノぽくてイイ感じ。
瀬奈サンの演ったクレアトールちゃんを思いだし、
やはりデザイナーはオカマなんだ…と、
とてもデザイナーの皆さまに失礼なことを考えておりました(笑)。
サリエルの(凰稀)かなめちゃんも、
耽美系で綺麗な顔立ちが銀髪に映えてたね。
愛耀子さんと未来優希さんは「タランテラ!」での活躍ぶりが
すごかった。
というか、雪組って歌える人がいっぱいいるんだと思った。
しかもさらにシビさん(矢代鴻)まで投入されて。
なんてゴージャス。
でもそのほか、ほとんどは
(まあ、ラストデイ中継で見るべきところは決められてることもあり(^ ^;;)
コムちゃんとまーちゃんを見ることに専念。
ていうか、本当に凄絶な舞台でした。
コムちゃんのルシファー、姿形が似つかわしいだけでなく、
何より、淋しがり方がとても…(*T_T*)。
銀橋に出て
「♪神よ〜 こた〜え〜て〜 私〜に〜!」
とスポットライトに向かって叫ぶ姿や
(どうでもいいのですが、
このフレーズが6度の半終止(曲が完結しない印象の終止形)で
終わるのが、個人的に泣きポイント。
ひたすら答えを求めてるから完結できないんだね…)、
ラスト、天上に向かうまーちゃんに向かって
「私のために、踊ってくれないか」と頼むときの震え。
神を愛して、神を求めて、だからこそ神を知りたくて。
その淋しさが痛いほど伝わってきました(*T_T*)。
しかも、物理的にもいっぱいいっぱいに踊っていて。
一回だけ、光のパ・ド・ドゥだったと思うんだけど、
ダブルターンの軸がちょっとだけぶれちゃったのよね。
それを見たときに、きゅーんときました(*T_T*)。
全身全霊で踊っているんだと思って。
しかもその後は一回もぶれたりなんだりすることなく。
あの恐ろしい筋力の足上げも恐ろしく美しく。
まーちゃんもここぞとばかりに踊ってましたね(*T_T*)。
一カ所だけ、光のパ・ド・ドゥで、
ここはコムちゃんじゃなく
まーちゃんの動きを追ってよ!というところもあったくらい、
こちらも全身全霊で踊ってました。
でも、その前の、リリスの台詞にも泣かされた。
「私、感謝しなければ」
まーちゃん自身の言葉のようにも聞こえて涙していたら、
その後、楽のご挨拶のときにそのことを話していて
ちょっと驚いたほど。
本当にまーちゃんとしての言葉だったのかも(*T_T*)。
ショーの方も、さすがオギー、
見れば見るほど見足りない思いにさせる、深いショーでしたね。
場面がつながっているような構成も本当に面白いけれど、
一つ一つのコンセプトが分かるようで分からなくてというのが
いろいろ考えさせて(*^ ^*)。
作品として一番気になるのはシナちゃん(山科愛)の存在。
『パッサージュ』における、
それこそコムちゃんのような存在なのだろうけど、
ときどき攻め攻めしかったりもして。
どういう設定なのか、すごく気になりました 。
でもやっぱり好きなのは、
コムちゃんと水くんが黒燕尾の袖をまくり上げる野郎系なシーンと、
コムちゃんが雪組生たちとひとしきり踊ったあとに
銀橋に出てきて本舞台を振り返るシーン
(ここ、私ナマで観たとき二回とも上手だったので、
コムちゃんの表情が見えるから上手がイイと思ってたけど、
ラストデイは下手からで、
コムちゃんの背中の向こうに見える雪組生、という構図に
実はガツンとやられました(*T_T*))。
あと、なにげに蝶のまーちゃんと蜘蛛のコムちゃんの恋?みたいなシーンも
ストーリー性があってすごく好きでした。
しかもなにげに二人とも超すごい技術。
ラストまで息をつかせることなく踊りきって、
サヨナラショーに入ります。
サヨナラショーの準備の間、組長さんが卒業生の紹介をしたのですが、
今回、『堕天使〜』で使ったプロジェクターを用いて
卒業生たちの過去の写真(おとめの写真やプログラムの写真)と
サインを映し出すという素敵な演出があったのが
すごく良かったです。
また、飛鳥裕さんが客席の熱い拍手に胸を打たれながらも、
「今日は心に鍵をかけているので」と
泣きそうになるのを必死にこらえている様子もぐっと来ました。
あと、そうそう、卒業生の紹介の前に、
この公演を限りに異動になる一帆ちゃんのご紹介もありましたね。
花組に戻っても、頑張れ!
(というか、この公演でようやく気づいた。
今回の異動、一帆ちゃんといい、ゆみこちゃん(彩吹真央)といい、
あひるちゃん(遼河はるひ)といい、
いっそとなみちゃん(白羽ゆり)といい、
『元いた組に戻る』組替えが多いよね。
劇団のどんな心境の変化(?)なのかしら)
卒業生紹介の途中で準備ができ、
そして、サヨナラショーが始まりました。
ベルばらから入り、
私の好きなJoyful!のデュエットダンスもあったり、
かと思いきや突然スサノオになってセリ下がっていったり、
まーちゃんの「♪泣くのはや〜め〜た〜〜」もめっちゃイイ笑顔だったり、
90人のラインダンスもあったり、
いろいろなつかしく思い起こさせること多々。
私でさえそうなのだから、
ファンの皆さまのお心やいかばかり…(*T_T*)。
コムちゃんの笑顔もきらきら輝いて。
ラスト、一人舞台で緞帳が下りていくスタイルは
このところの男役トップさんサヨナラショーではめずらしい気もしましたが、
それもまたコムちゃんらしい所以なのかなと思いました。
最後の大階段のご挨拶の前にも、 上級生の卒業生の紹介。
まーちゃんの音楽学校受験秘話が可愛かったですね。
受験を決意したけれどバレエしか練習しなかったまーちゃん、
声楽の課題曲を前に「歌えません!」と言い切って不合格(笑)。
そりゃそうだろう。豪快な受験生…☆
そして、コムちゃんの経歴を組長さんが話し始めたとき、
はっとしました。
「…そんなコムちゃんの運命が変わり始めたのは、宙組に組替えになって、
『エリザベート』のルドルフ役」。
私たちが初めてムラまで行った公演。
そして宝塚にはまることになった公演。
そうだったね。この公演だった。
コムちゃんのルドルフ、今でも思い出せる。
本当に繊細で、綺麗だった。
その後、雪組に組替えになって、
『ノバ・ボサ・ノバ』のブリーザもものすごい評判だった
(けど、実は私はコムちゃんのマールが一番好きだった…)し、
このあとくらいだったかな、お茶会にも何度か行ったなあ。
そんなことをいろいろ思い出しながら、経歴を聞いてました(*T_T*)。
そうそう、ルドルフの時、
毎朝歌のレッスンに行ってから劇場に入っていた、というのを聞いても
こっそり感動したり。
ご挨拶についてはもうすでにCSで流しているので
内容についてはあえて触れませんが、
すこしだけ印象的なことを。
専科の高ひづるさん。
ピンクのお花がとってもお似合い。永遠の少女。
そして同期だというシビさんからお花を受け取ってました(*^ ^*)。
悠なお輝さん。
組長さんからの呼びかけに対して
それまでの下級生が皆さん可愛らしい声で応えていたのもあり、
突如として恐ろしく野太い声で「はい!」と凛々しく返事されたときには
思わずメルパルクホールに笑いが広がりました(*>_<*)。
かっこいい…!
しかも大階段を降りてきて、センターで一礼し、
そのあと顔は正面を向いたまま、
目だけで雪組生を端から端まで見渡していた姿が
アップで映されていたときにも思わず笑い☆
そして立派なご挨拶に泣かされました(*T_T*)。
まーちゃん。
「考えてきました」「練習してきました」的なご挨拶でなく、
素のまーちゃんが見える可愛らしいご挨拶がすごく良かったです。
とくに「朝海ひかるさん。…隣にいられて、幸せでした!」、
ちょっと照れるように早口になりながらもすごくにこやかに。
今頃思い出したけど、二人、お披露目もサヨナラも一緒だったんだ。
まさしく添い遂げたわけですね。
本当にお似合いだったね(*T_T*)。
そしてコムちゃん。
コムちゃんも、太い声でのお返事でした☆
同期3人退団のため、3回目となる春野寿美礼さんからのお花渡しのとき、
何か声をかけるオサちゃん
(記者会見によると「淋しいよー」と言っていたそうですね)に対して
ちょっと肩を抱いて顔を近づけたりして、
最後までお茶目なコムちゃん。
ふと、いつだったかのTCAのあとのインタビューで、
さりげなくオサちゃんの襟元を直してあげているコムちゃんの姿を
思い出しました(*>_<*)。
コムちゃんのご挨拶は、それもコムちゃんらしく短く端的なもので。
でもだからこそ、カーテンコールを繰り返すうちに
だんだん饒舌(?)になっていくコムちゃんの姿に
たくさん笑いながらもたくさん泣かされたのでした(*T_T*)。
まだそんなに喋ってもないのに
「私ばかり喋っても何ですので…」と周りに振ってみたり、
「来年からの雪組、水夏希率います雪組を…」と
うるっとさせるかと思いきや、
「私も、毎日とは行きませんが(笑)観に行きます」と笑わせたり。
ラスト、
幕前に一人出てきたときにも、
「ちょっと中の方へ…」とわざわざ、
それもセンターまで歩いて笑わせたかと思いきや、
そこからの風景を目に焼きつけるかのように客席をゆったり見上げ、
「この気持ちをそのまま伝えられたらいいのですが、
言葉はあまりにもちっぽけで…」などと言葉を詰まらせたり(*T_T*)。
最後の最後にコムちゃんの心を感じ取ることが
できたように思います。
そして最後、CSのニュースでは映っていなかったのですが、
舞台袖際で一礼したあと、
宝塚の舞台への想いを断ち切るかのように
きっぱりと横を向いて袖に入っていったのが印象的でした(*T_T*)。
ファンの皆さん、お疲れ様でした(*T_T*)。
サヨナラショーを観ながら、実は私、
今私の周りにいてくださっている仲間たち、
「酒場組」のことをちょっと考えてしまっていたのです。
私のごく近くでものすごくものすごく頑張っているファンのお友達が
卒業していくのを見送るのは初めてで、
なんだか、終わりの始まり、というか、
今までとは違った形のあり方になっていくのだろうなと思って。
自分にとって、もちろん自分の贔屓も大切だけど、
こうやって周りにいてくれるお友達も本当に貴重なのだと
改めて思っていたのでした。
それこそ言葉はちっぽけでうまく言えないのだけれど、
このつたないHPに来てくださる皆さま、
私の周りにいてくださる皆さまがいるから、
こんなに毎日幸せなのだと思います。どうもありがとう。
これからも、どんな形になろうとも、どうぞ仲良くしてやってくださいな。
本当にありがとう。
そして改めて、ファンの皆さま、本当にお疲れ様でした(*T_T*)。
fin
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