期待に違わぬ、素晴らしい舞台でした。
久しぶりにハンカチが間に合わず、胸元に涙を落とし、
果てには号泣しそうになるのをこらえながらの観劇(*T-T*)。
宝塚のオリジナル(原作があるとはいえ)でここまでできるんだ、と、
とても幸せになりました(*^ ^*)。
副題にもあるように、オペラ『アイーダ』のタカラヅカ版です。
でも音楽も構成も(一部ストーリーさえも)オリジナルとなった
新作ミュージカル。
このタカラヅカ版ということで、
とくに良かったと思ったのが、音楽、そして照明でした(*^ ^*)。
木村信司先生の前作『鳳凰伝』のように、
全編通して歌で話が進んでいくのですが、
甲斐正人さんの作るそれらの曲が本当に素晴らしい。
ところどころ笑いを禁じ得ない歌もありましたが(^ ^;;、
テーマ曲『アイーダの信念』などは、
CSなどでそのメロディーを聴くだけで、
舞台を観る前から胸がふるえておりました。
それから、合唱の使い方も。
舞台の奥に作られたコーラス台にマイクが林立し、
そこに例えば兵士たちが立って歌うわけです。
これも『鳳凰伝』の北京の民でも使われていた手法ですが、
でも兵士にしても女官たちにしても、捕虜たちにしても、
それぞれの役割、存在に意味があって、
下級生もそりゃあ頑張りたくなるよね、と思った次第(*^ ^*)。
下級生に至るまでの一人一人から、
この舞台に出られる幸せが伝わってきました。
照明もね、
わざと顔を外して映すスポットライトの使い方なんて斬新で、
「ほうっ(*^ ^*)」と思ったりして。
キャストについて。
ラダメスのわたるくん(湖月わたる)。
これがトップお披露目とは思えぬ堂々たるトップぶりです。
ていうか、お披露目だということさえ忘れて
作品世界に入ってしまっていたんですが(*T-T*)。
そこには、ちょっと理想主義的で(笑)戦争が上手く、
そしてアイーダを心から愛する懐の大きな男がおりました。
何が素敵って、
アイーダを抱くときに
アイーダの足が一瞬ふわっと浮き上がるところ(*^ ^*)。
公称174cmのわたるくんだからこそできるワザですね〜☆
アイーダのとうこちゃん(安蘭けい)。
ミュージカル女優がここに…!!!
大劇場の時はけっこう男っぽかったとも聞きますが、
ぜんぜんそんなことなかった!
知らない人だったらこの人が本来は男役とは思わないくらい、
歌声の可愛らしい(でもちょっとお顔はコワイ?(爆))、
素敵なミュージカルスターでした(*^ ^*)。
ちょっとおどおどしすぎな部分はあった気もするけど(^ ^;;。
そして、アムネリスの檀ちゃん(檀れい)。
――美しい。たとえようもない美しさ。
まるで金の鎖かたびらのような(爆)ゴージャスなお衣装をつけても、
その衣装に負けない美しさと気高さは、
今の宝塚で他に表せる人はいないのではないかしら(除く○總様)。
その神々しさにファラオ様もひれ伏されましょう(*T-T*)。
また美しいだけでなく、お芝居の説得力と迫力にも圧倒されました。
私が最初に思わず泣いてしまったのは、
ファラオが暗殺され、父の死に泣き崩れながらも、
「たった今から、この私がファラオとなり、エジプトを治めます!」と
まっすぐに宣言したシーン(*T-T*)。
その決然とした凛々しさに胸が痛くなり、涙があふれました。
心配された(!)お歌もほとんど不安定なこともなく、
地声と裏声の声量の差はやっぱりどうしてもありますが、
でもとても綺麗な声。
たくさんたくさんナンバーをもらっていて、
ワタシ的には「ありがとう、木村先生」という気分です(*^ ^*) 。
この役に出会えて良かったな〜、と心の底から思いました。
それからやはり特筆すべきは、チャルさん(箙かおる)のファラオ。
最初の登場から私の目はチャルさんに釘付けでした!
…ていうか、あのアゴにつけた四角い金色のおヒゲ箱みたいなの(笑)、
あれって生きているファラオも付けてたものなんですか?(爆)
とりあえずチャルさんが喋るとつられて動くあの箱が、
どうやってアゴに付けられてるかを一生懸命オペラで見ることに専念(笑)。
ファラオのかぶり物から肌色のゴムでアゴにつけていらっしゃいました。
まるで歯の矯正のキャップみたい(^ ^;;。
そして噂の空中ブランコ!!!
ホントだ! ホントに空中ブランコに乗って出てきたよ!!
カッコ良すぎ!!!
ちょっとだけ、ハイジの空中ブランコを思い出しました(爆)。
…どこからぶら下がってるんだろう、あれ。
でも、あんなにお歌がお上手だったなんて…!
その他の皆さんはゴメンナサイ、
実はストーリーに入りこむあまり、
あまり誰がどう、とか考えずに観てしまったの。
なのでどちらかというと破綻のない人は
「個人的な」印象は残ってないかも(^ ^;;。
でも、こんな言い方しかできなくてごめんなさい(爆・アイーダ風に)、
逆に言うと「破綻」の部分は覚えてる、ということで(笑)。
むろん、「破綻」はいい意味でも悪い意味でも、両方ありますが。
たとえば、女官たちの歌(笑)。
ていうかね、いろいろ言われてる
ちかちゃん(叶千佳)やウメちゃん(陽月華)がどうとかでなく、
あの歌自身がすごくない?
だって「♪すごっ! つよっ! すごっ! つよっ!」だよ?
なんじゃそりゃ(爆)。
本当にあの一曲を女官の皆さまが歌い踊る間、
ワタクシは満面の笑みと肩を震わせることをやめられませんでした(>_<)。
ついでに思ったこともう一つ。
木村先生、実は「お金」好き?(笑)
『不滅の棘』の時にも「お金が欲しい」と歌わせてたじゃないですか。
…思わず『マノン』もキムシン演出だったかと疑っちゃうところでした(爆)。
ちょっとそういうところの品のなさが、
もうちょっと丸く収められるようになると
木村先生的にいいのではないかと思う今日この頃。
あと、平和なエジプトでみんなが浮かれて踊る
「♪ハイッ ハイッ!」もかなり可笑し…面白かった(*^ ^*)。
まるで盆踊りか秋祭りみたい。
実はこういうのって、くせになっちゃうよね☆
エジプトとエチオピアとの関係で言えば、一つ素朴なギモン。
アイーダたちがエチオピアのことを想って歌う中で、
「♪アフリカの大地」(だったかな?)と
エチオピアを指して言っているのですが、
エジプトはアフリカとは考えられていなかったものなのでしょうか。
地中海側だから、別に捉えられているの?
ゴビ砂漠で区切られてるの?
スミマセン、無学なもので(^ ^;;。
素敵だったのが、地下牢に入れられたラダメスが、
上手花道にせり上がってくるところ。
うずくまってせり上がり、だなんて初めて見たのですが、
他に何も気を引くもののない舞台の上で、とても印象的でした(*^ ^*)。
その後もずっと銀橋を這いながらのお芝居で、
とてもとても素敵なラブシーンだったのですが、
二階席だったら観るの大変なのかもですね(^ ^;;。
その後ろに現れる檀ちゃんがまた素敵でした。
いくらバックに蓮の花背負ってたとしても…
(エジプトにあるのか? 蓮が? ええ?)。
この平和のメッセージを聞いて、本当に号泣しかけたです(*T-T*)。
あまりにもお芝居として素敵なミュージカルだったために、
ワタシ的にはそんなにフィナーレナンバーはいらないんじゃと思いました。
それこそエリザみたいに
ロケットと男役群舞、娘役群舞、デュエットダンスがあれば、くらいな。
まあ、主役三人が最後のシーンに出てるのでつなぎは必要だろうけど。
いっきにいつものタカラヅカの世界に戻されて、
なんとなく残念に思ったり(^ ^;;。
そう、そういえば件のデュエットダンス。
WOWOWで大劇の様子を観たときだったかには
わた檀のリフト、リフトから降りるときに衝撃があったものですが(^ ^;;、
今日はとても綺麗に下りててびっくりしてしまいました(爆・失礼)。
それより気になったのは、そのリフトまでの振付。
きっと雪組トップコンビとかがやれば決まってるんでしょうけど、
なんだか二人とも暴れてるようにちょっと見えてしまったりして(^ ^;;。
でも寄り添う姿の美しさに、
そんなことは些細なことに思えてくるんだから不思議(笑)。
素敵でしたわ〜〜〜(*T-T*)。
本当に星組が一丸となった、素晴らしい舞台でした。
これから二都(+α!)も控えてお金がかかるというのに、
もう一度観たい気満々(爆)。
すべて終わった頃に当日券並んじゃおうかな〜。
そしてDVD買っちゃおうかな〜、というくらい、素敵な舞台でした(*T-T*)。
追記:とは言っても、しょせんあさこ(瀬奈じゅん)ファンのワタクシ、
上手花道でケロとうこがお芝居するのを観ながら、
その後ろの壁に、
先週までクレアトールちゃんがさんざん汗やお化粧で汚してきた跡が
残っていないか、チェックしてしまいました(爆)。
暗いからよく分からなかったけど、すべて綺麗になっていたようです☆
fin
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