2003年8月20日 11:00開演
宙組特別公演『里見八犬伝』
於 日本青年館 大ホール

 
大スペクタクル!
純粋に、作品としてすごく面白かった!!
私の中で今年一番の作品かもしれません!!!
(…今、花組『エリザベート』も今年だったことを思い出した(^ ^;;。
ちょっと保留にします(笑))

子どもの頃に薬師丸ひろ子の映画を見た記憶がかすかにあるのだけど、
でもお芝居が始まったら
さっぱりストーリーもなにもかも覚えてませんでした(笑)。
覚えてたのは薬師丸ひろ子が弓を引く1シーンだけ(爆)。
でもおかげでとても新鮮な気持ちで楽しめたんですけどね(*^ ^*)。

ストーリーは有名なお話なので略…と思ったけど、
自分さえ覚えてなかったので(笑)軽〜く。

侍を夢見るチンピラ(笑)親兵衛(水夏希)がある日出会った、
薄汚いシンデレラ(爆)・里見家の静姫(草凪萌)。
言い寄ろうとしたところを二人の男に連れ去られてしまうが、
親兵衛は賞金狙いで彼女を追いかけることに。
その二人の男・道節(美郷真也)と大角(和涼華)は宝玉を見せて、
蟇田(…変換されたよ。すごい(笑))一族の呪いを
里見の姫を奉ずる八人の犬士が打ち破るという伝説を静姫に伝えるのね。
で、まあ一緒に犬士を捜す旅に出るんだけど、
それぞれドラマを持った犬士たちが苦難を経て集い、
途中、親兵衛と静姫の恋なんかもあったりして、
さてさて、果たして蟇田一族を滅ぼせるのか?
…以上、軽〜くお伝えしました(笑)。

さて、感想。

えーとね、ここ最近の宙組って「群舞団体」だったじゃないですか(^ ^;;。
たかちゃん、はなちゃんぐ、水くん、以上(あとは専科さん)、みたいな(爆)。
でもそれが、今回はイイ意味でみんな同等の扱いになってたのです(*^ ^*)
(あ、もちろん主役は除く)。
八犬士はもちろんそれぞれにキャラ立ちしてるし、
敵方の人々もそれぞれにドラマがあって。
もちろん、原作の力もかなり大きいとは思うけど、
それを選び、なおかつ宝塚らしい大スペクタクルに作り上げた
演出家の力は素晴らしいと思いました!
鈴木圭さん、今回バウ作品デビューなんだよね!!
これからに大期待!!!(*^ ^*)
ああ本当に、最近若くて面白い演出家がいっぱいで嬉しいわ☆
少しも早く大劇場デビューできるように頑張ってね!
そして二度と再び
「うう、こんなの演じるジェンヌさんが可哀想…」と思わせるような作品に
出会わせないで!(爆)

音楽もすごくテンポよく、作品世界を壮大に盛り上げる曲の数々でした。
ボブ佐久間さん、ありがとう!
セットや空間の使い方も面白かったしね!
死にかけながら扉のセットを片づけていったり(笑)、
客席を走ってドアの向こうに逃げていったり、
突然客席にライトが当たったと思ったら静姫が出てきたり。
私は一番通路寄りに座ってたのだけど、突然ライトがあたったので、
びっくりして、組んでた足を慌てて下ろしました(笑)。
本当に、今までの宝塚ではあまり使われたことのないことに
たくさん挑戦していて新鮮でしたね☆

そして何よりキャストの盛り上がりもすごかった!
考えてみたら、
普段はあまり役がつかないような名前も知らない(ゴメンね)方々に
とても大きな役がついてるわけじゃないですか。
そしてそれが演じてて面白い役なんだもん、やらないわけにはいかない!
そりゃあ面白くもなるさあ(*^ ^*)。

水くんはバウ主演3作目で、余裕すら感じられる演技(*^ ^*)。
最初の頃のやさぐれチンピラも上手かったし
(最初、刀がうまく鞘に収まらなくて
「え〜い!」ってジャンプしたりしながら入れ直してたの、
わざとのアドリブ? それともハプニング?(笑)) 、
それがだんだんと愛に目覚めて強くなり、
でもへなちょこなところもあったりして可愛らしさも。
フィナーレでドライアイスの焚かれる中のデュエットダンスでは、
萌ちゃんを見つめる目の温かさに、
「すごい包容力!」とドキドキしました(*^ ^*)。

大抜擢の静姫・草凪萌ちゃん。
まだ研2か研3なんだよね?
あどけなさも残しつつ、でも凛々しさもあって、
体当たりの演技にきゅんとなりました☆
冒頭の、
小汚い姿でおにぎりを本当に顔いっぱいに頬張っちゃう姿も可愛かったし
(頬張ったまま舞台から捌けていったので、
あのおにぎりは結局食べたのかどうか気になりました(笑)。
毎回あれ食べてたら太っちゃいそう(>_<))、
ラスト近く、顔をくしゃくしゃにして泣く姿も愛おしかったです(*T-T*)。
思わず私までもらい泣き。

…次に誰を書こうか迷っちゃうくらい、
本当に個々のキャラが立ってたの(*^ ^*)。

うん。まず、ポッポさん(貴柳みどり)から!
敵方の妖怪・そして親兵衛の母でもある
蟇田玉梓(「ひきたたまずさ」で一発変換された…ATOKってスゴイ(笑))を
演じたのですが、
…ていうかポッポさん、当て書き?(爆)
というくらい、ハマってました!!!
眉を剃り落としてるとしか思えない悪役眉と、
まるで蜘蛛のような青い爪をつけた指先と、
その悪の妖怪女王衣装に負けてない猟奇的な美しさと、
そしてなりきりぶりと。
これは今の宝塚で彼女しかできないでしょう!!

そしてその息子の妖怪・蟇田素藤を演じた悠未ひろくん。
彼…彼女も、その大きさを最大限に生かしてめっちゃ怖い妖怪大王でした!
何しろ、ホントでかいよ(>_<)。
「ピエール」新公の時にも思ってましたが、本当に一人作りが違う。
フィナーレで(水くん以外)男役さんみんな同じ着物を着ての
群舞があったのですが、
帯の太さが他の人たちより小さいんじゃないかと思ったほど(爆)。
そして演技も骨太で、いやあ、超悪役でした!!

敵方繋がりということで、船虫の鈴鹿照さん。
こちらも妖怪ババアらしさが、本当にらしかった!
親兵衛が捕らわれたときに彼の身体をなで回す仕種がいかにもで(笑)、
水くんの「触るな!」には笑わせていただきましたわ(*^ ^*)。

幻人の貴羽右京ちゃんも、
お衣装のせいもあるけど『更に狂はじ』の時のチャルさんを
思い起こさせるような妖気が漂ってました(*^ ^*)。

それから八犬士。

やはり一番は、道節のマリエッタさんでしょう!
雪組の皆さまには申し訳ないですが、
宙に来てくれてありがとうm(_ _)mという感じです。
こういうキャラ、本当に大切。
まるで弁慶のように刺し貫かれたときには辛かった(*T-T*)

現八の速水リキちゃんも頑張ってたし、
信乃の七帆ひかるくんも大きな割にへなちょこで可愛かったし、
大角の和涼華ちゃんも真摯な性格が出ていたし
(水くんに崖から突き落とされたあと、
はい昇ってきたときにはちょっと笑っちゃいました。
すごい大きな崖だと思ってたの。スミマセン)、
毛野の和音美桜ちゃんも素敵な色気と歌声だったし、
荘助の綾花ちかちゃんもヌンチャク使い頑張ってたし
(そう、そういえば宙組って娘役でも立ち回り多いよね! 大変!)、
小文吾の夢大輝くんはもう少し書き込み合っても良かったかもだけど(^ ^;;、
本当に一人一人キャラが立って、ちゃんとドラマが作られてた。
だって冒頭に出てきたあと、
10分以上主役が舞台に出てこないのよ?(笑)
普通のタカラヅカじゃありえないよね。大挑戦!

その他、月丘七央ちゃんや咲花杏ちゃんもたくさん目に入ってきました(*^ ^*)。

本当にミュージカルとして純粋に楽しかった!
私としてはフィナーレのダンスはいらないくらいだったんだけど(^ ^;;
(最後、それぞれ役の衣装のまま挨拶してほしかった)、
それはタカラヅカの矜持だったんでしょうか(笑)。
外の舞台だったり映画だったりしたらきっと宝玉とか売ってるんだろうな〜、
あったら意味なくても買っちゃうな〜、などとも思ってたのですが(爆)。

今日は水曜日ということで、
現在東京公演中の花組生が大勢(15人くらい)ご観劇されてました。
彼らにとってもいい刺激になったのではないでしょうか(*^ ^*)。
いいね、やっぱりいい作品はいいよ(*T-T*)。

 fin