実はバウ公演デビューなんです(笑)。
自分でもびっくりですが。
初めてのバウホールはいつもに比べて小さい分舞台が近いし、
段差があるため前の人の頭がまったく気にならなくて
とてもよかったです(*^ ^*)。
あとは音響…(爆)。
それはさておき、今回の『二都物語』、my初日が終わって最初の感想。
「フィナーレが欲しかったよう(T_T;」
けっして劇中にあさこちゃん(瀬奈じゅん)のダンスが
なかったからじゃありません(ちょっとはそれもあるか?(笑))。
――だって、涙でくしゃくしゃのままなんだもん、私の顔が(爆)。
今回の作品、フィナーレがまったくないのです。
お芝居のラストシーンのあと、いったん幕が下り、
もう一度幕が開くと出演者の皆さんが一列に並んで立っているパターン。
そして、主演のあさこちゃんが
「本日はご観劇ありがとうございました!」とご挨拶をし、
みんなで一礼して拍手の中幕が閉まる、という構成になっています。
(実際は客席が明るくなって、
それからもう一度カーテンコールがあるのですが)
でもね、そのラストシーンで号泣している身に、
それはとてもとても酷なこと(^ ^;;。
私は本来、カーテンコールの拍手は笑顔で送りたい派なんです。
素敵な舞台を見せてくれてありがとう、
楽しいひとときをありがとう、
そういう気持ちを込めて笑顔で拍手したいんです。
…お話に入りこむあまり、間に合わないんですよ、感情の変化が(*T-T*)。
幕が閉まっている間になんとか心を落ち着けようと頑張っても、
幕が開いてそれぞれの役のお衣装をつけた彼らを見るだけで、
一瞬にしてさっきの想いがフラッシュバックしてしまうの。
舞台の上の皆さんは一様に晴れやかな笑顔で立っているのに、
泣くのを堪えて、
まるでにらみつけるように眉を寄せながら拍手する私。
なんだか面白くなかったみたい。ごめんなさい。そうじゃないの。困ったな。
そこで初めて気づきました。
ああ、宝塚のフィナーレは、
感情の高ぶりを抑える役目もしていたのかと(爆)。
たとえば『エリザベート』もラストシーンでは涙に涙してしまいますが、
そこからフランツが出てきて娘役群舞があって男役群舞があって
デュエットダンスがあってグランドフィナーレがあって、
気づくと笑顔で拍手している自分がいる。
フィナーレの間に、すべて「幸せなこと」に昇華されてるんですね。
でも今回はそれがないため、
ラストシーンで感じた心の痛みをそのまま引きずることになってしまう。
実際、公演後はしばらく無言になってしまいました。
胸もいっぱいで何を喋っていいかも分からないし、
また口を開いたら泣いてしまいそうな、そんな感じだったのです。
仕方ないので何も喋らず、
ただしばらく、
風邪の名残か涙の名残か分からない鼻をすすっておりました(*T-T*)。
――そんなわけで前置きが長くなりましたが(すべて前置きだったのか!?)、
花組バウホール公演『二都物語』です。
まだ今回の作品を初演も含めて観たことがなく、
原作も読んだことがなく、
なおかつこれから観劇の予定がある人は、
とりあえず一回観るまではこのあとを読まないことをオススメします。
やっぱり何の先入観も持たない方が面白いと思うの。
原作も読まない方がいいくらい(^ ^;;。
実際、私は「予習予習」と思って原作をかなりの時間かけて読み
(だってイギリス文学らしく回りくどくて読みづらいんだもの(^ ^;;) 、
それから舞台を観たため、
1回目のときには原作とのギャップを理解するのに苛まれてしまいました。
そりゃああの2巻分のストーリーを2時間で演じようとしたら、
いろいろはしょらざるを得ないさね。
(ていうか、初演の時はさらにはしょってあったのか…)
ストーリーはいたって複雑。
でも超簡単に言っちゃうと、
フランス革命前夜のロンドンとパリを舞台に、
なぜか自己否定の強い弁護士シドニー・カートン(瀬奈じゅん)が、
「最後の希望」と勝手に想いを寄せた女性
ルーシー・マネット(桜乃彩音)の幸せを願って
何かやり遂げたくなったあまり、
彼女の夫であり、元貴族を理由に革命派に捕まってしまった
チャールズ・ダーネイ(彩吹真央)の身代わりとなって
断頭台に上っていく話です。
…ああ、こう書くと元も子もない(爆)。
本当はルーシーの父親のことやチャールズの家のことなども絡んできて、
当時の生活の様子も伝わってくる重い話なんですが、
でも原作でも舞台でもそうだけど、
後半に行くにつれて作品のテンポが上がっていくのよね。
そして気づいたらシドニーの晴れやかな笑顔に泣いているの(*T-T*)。
シドニーにとても感情移入してしまって。
上のストーリー解説(?)で茶化していることでも分かるとおり(笑)、
原作を読んだときにはシドニーの性格に共感できなかった私なのですが。
――気づくと黙考モードに入ってしまいそうなので(爆)、
キャストに対する感想に移りたいと思います。
シドニー・カートンに対する思いは、
いつか書くことができたら、ということで。
あさこちゃんのシドニー・カートン。
…いつの間に。いつの間に、こんな大人の男になったんだろう。
舞台の幕が開いて、
元気な悠真倫ちゃん演じる弁護士仲間のストライバーの台詞に応えた
第一声のトーンの低さにまず驚き、そのテンションの低さに瞠目し、
そしてその奥に見える包容力に胸がふるえました(*T-T*)。
2年半前には「僕が稼ぐ! カジノで稼ぐさ!」なんて
甲高い声で叫んでいたくせに(爆)。
なんかね、いつも一緒に原っぱで背中にオナモミとかくっつけて
「やるわよッ!」とか叫んだりして(笑)遊んでた男の子が、
気づいたらユトレヒト駅で上質のコートを羽織って立っていた…みたいな
(なんだか分からないたとえでゴメンナサイ)、そんな気分です。
うわーん(*T-T*)。
お歌も、ずいぶん低い音程が鳴るようになってきて(*^ ^*)。
「♪サンキュベ〜リマッチ!」とテーブルの上に立って歌い始めたときには、
その骨太な歌声にどきっとしました☆
私はバーサッド(真丘奈央)をパリの夜のなか、追いながら歌う曲が好き。
ちょっと『いつか何かが』(『WEST SIDE STORY』)に似た前奏よね。
初ヒロインのルーシー、桜乃彩音ちゃん。
『野風の笛』の千姫を観て「…むむ」と思っていたのですが、
今回、――やっぱり「……むむ」でございました(^ ^;;。
確かにルーシーって難しい役どころだとは思うんです。
シドニーに対してまったく恋愛感情を持っていないわけだし
(それにしても、そんな何にも想っていない人から突然、
「何万人が押し寄せてこようとも、僕がすべて引き受けますよ。
…無条件でね」なんて台詞を雨の中、傘も差さずに笑顔で言われたりしたら、
普通、引くよね?(笑))。
でも、それこそ女神様のように彼の告白を聞き入れ、
彼が命を本気で捧げちゃうくらい崇高な感性を持っている
女性なわけじゃないですか。
お父様に対してもひたすらまっすぐに仕え、
チャールズとの結婚にしても純粋な愛なのではないかと思うのです。
難しいよね。
ところどころ落ちついた女性らしい言い回しが好きだったりもするのですが
(チャールズに「カートンさんのことを大目に見てあげて」と語るときの、
「あのね」の言い方とか。めっちゃ細かいけど(笑))、
なんていうか、私がルーシーだったらと考えたときの(爆)仕種とかが
彼女の実際の仕種と少しも重ならないため、
まったく感情移入できないのが、ゴメンナサイ、辛かった…(T_T;。
そういう意味では、逆に感情移入しすぎてあやうく号泣しそうになったのが、
舞名里音ちゃんが演じたお針子さん。
彼女も実際、あんまりお芝居が上手いわけじゃないですよね(>_<)。
パリの市民としてパン屋の娘を糾弾するシーンでは
パン屋の娘役の子のほうが強そうで(爆)、
「ああ、弱いな〜(^ ^;;」と思ったものですが、
お針子さんは彼女のキャラクターに
とても合っていたのではないかと思います。
チャールズの代わりに断頭台に上ろうとするシドニーに対し、
まるで神様でも見るかのように頼りきって安心した笑顔を向ける里音ちゃんから
目が離せませんでした(*T-T*)。
あさこファンの間では
「ずっと手を握ってもらえていいなあ」なんて話も出てましたが(笑)、
ゴメンナサイ、そのシーン、私、里音ちゃんになりきってます(爆)。
…えーと(^ ^;;。
チャールズのゆみこちゃん(彩吹真央)も良かったです(*^ ^*)。
貴族らしい品が、そのクールビューティーなお顔立ちに備わり、
レースやフリルがいっぱいのお衣装がよくお似合い☆
お化粧を似させたとはいえ(笑)、
やっぱり瀬奈さんとは似ていませんでしたが(爆)。
それから、じょあんとしてはどうしても書かなくちゃいけないのが、
フランス革命の口火を切る市民、ドファージュのちはるさん(矢吹翔)。
――カッコ良すぎ!!!!!!!!!
不必要なくらいカッコイイ!!!!!!!(笑)
実は原作を読んだときに、
ドファージュ(原作ではドファルジュ)は小太りのさえない親爺、
というイメージがあったため(でも考えてみたら
庶民には食べるものすらない時代、小太りってありえないか(^ ^;;)、
最初はどうしても違和感が拭えなかったのですが、
まったく意味なく(笑)椅子の上に片足を乗せ、
「テレーズ(奥さんの名前・水月舞さん)、まったくお前は大した女だ」
と振り返った瞬間に、
そんなのどうでもよくなりました。
ス・テ・キ〜〜〜〜〜!!!!!
そう、そのテレーズもカッコ良かった!
水月舞さんがあんなに骨太なお芝居をする娘役さんだったとは…!
その他の役では、
ドクター・マネットの未沙のえるさんが、
上手いんだけど結局は脚本の書き込みが少なくて
ちょっと役不足感が残ったこととか、
あんな悪役をするはっぱさん(バーサッド・真丘奈央)は初めて見た、とか、
(桐生)園加ちゃんがぜんぜん目立たなくてちょっとびっくり、とか、
ジェリーのみつるくん(華形ひかる)が可愛かったな〜、
ちょっと月組『うたかたの恋』でブラッドフィッシュを演った
タニちゃん(大和悠河)を思い出すな〜(*^ ^*)、とか、
みとさん(梨花ますみ)演じるエブレモンド侯爵夫人のドレスは
『望郷は海を越えて』で花總エカテリーナが着ていたドレスだわ〜、とか、
そんなことを考えながら見ておりました。
下級生、頑張れ〜〜、とかね☆
そうそう、19日の11時公演は
雪組の舞風りらちゃん、壮一帆くん、
それから渚あきちゃんがご観劇でした(*^ ^*)。
みんな元花組であさこちゃんと仲の良かった方々。
終演後、笑顔で客席を後にしていましたが、
どのような感想を伝えたのでしょうか。
あとは、青年館が始まってから書くことにいたしましょう☆
この一週間、もう一度原作を読み直そうと思ってます。
追記:もう一ネタだけ。
今回のお芝居の中で使われている曲は、
主題歌を除いてすべて初演時と同じものだそうですが。
なぜか私は主題歌を聞くと「フォーエバータカラヅカ」、
「♪サンキュベ〜リマッチ」と歌い始めると「オクラホマミキサー」が
頭の中を回ってしまいます。タスケテ(笑)。
fin
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