チャーリー(匠ひびき)のトップ就任と退団発表(…(T_T;)という
怒濤の展開の中、幕の開いたお披露目公演。
果たしてどんな気持ちで観ることになるのかと思いきや。
――もう、大爆笑の渦でした(*^ ^*)
本当にコメディ。しかもシッシーナ夫人的なダジャレ系(笑)ではない、
会話の妙や動きの妙で人を笑わせる、「上質のコメディ」(by正塚晴彦)。
イメージ的には、『フルハウス』『ビバリーヒルズ青春白書』みたいな、
海外ドラマ系の笑い。
(とくに24日は)男性客も多かったけど男性客の皆様もけっこう笑ってた。
ホント、ドラマシティやテアトルで短期間なのがもったいないくらい、
初心者にも見せてはずかしくない舞台でした。
…24日のお席は最後列センターだったのだけど、
後ろの音響スタッフさんまで笑ってたよ。
チャーリーをはじめ、花組の皆さんもとても頑張ってた(*^ ^*)。
それにやっぱり正塚先生の役の当てかたが上手いんだろうなあ。
最初、悪魔学校って、なんじゃそりゃあ、ハリー・ポッターのパクリか!
と思ってたけど(笑)。でも皆さん、ハマってたのよう。
まずチャーリー。
悪魔学校の超優等生で卒業試験のために人間界に降りるヴィムを演じました。
前回、『ミケ〜』で結局道化役を演じきれなかった印象の彼女だけど、
その気真面目な性格やちょっと影のある印象をそのまま演じることで
コミカルに見えてくるんだからスゴイ。
あとはやはりダンスの力かなあ。動きで笑わせる。
教会で賛美歌を聴いて倒れてしまう(ほら、悪魔だから)あたり、見事だった。
みどりちゃん(大鳥れい)は、怪演!!(笑)
役所のアジャーニは、
ヴィムが人間界で「最初に出会った人間を不幸にすること」という課題の
対象となった、それ以前にめちゃくちゃ不幸な女性。
まず、トップ娘役とは思えないような格好で登場し、
「オラオラァ〜!」と巻き舌を入れつつトランクを振り回し、
おばあちゃんの役作りまでした上、
ドッターンと仰向けに倒れ…。
『PJ』のマミちゃんのナマ着替えシーンのようなソロもあったりして、
一瞬主役かと思っちゃうような扱いです (*^ ^*)。
タモさん(愛華みれ)が辞めるときには
「みどりちゃん、一緒にやめないんだ、ふーん」なんて思ってたけど、
今となっては「やめないでくれてありがとう! どうせなら専科に行って、
これからも頑張って!!」という気分。
おさちゃん(春野寿美礼)も、ものすごかった(爆)。
いつもの正当派二枚目男役・春野寿美礼とはまるで別人(笑)。
気の弱い、でもちょっとズレてる&コワレてる(?)
ラブロー神父を演じたのですが、ものすごいコワレっぷりでした。
おさちゃん、一皮剥けたねえ!!
「お金はお金!!」という絶叫には場内大拍手でしたわ(笑)。
もう一つの役、ニュースキャスターも、真ん中分けのオールバックという
ものすごい出で立ちで、場内の笑いを誘ってました。
(本人、分かってないみたいだったけど>お茶会より(笑))
そして、あさこちゃん(瀬奈じゅん)。
ヴィムの助手となって人間界についていく悪魔見習いのリーダー・ウカ、
ず〜っとヴィムと一緒にいて、内容的にもとてもおいしい役だっただけでなく、
あさこちゃん自身、ちゃんと美味しい役に仕立て上げてました(*^ ^*)。
私としては、まずちょっと伸びた真っ黒な髪の後ろの跳ね具合と、
けっこう体にぴったりした感じの黒のお洋服のスタイルにやられたです。
だって、胸はおろかお尻さえなくて、まっすぐで本当に少年体型なんだもの。
しかも足の長さ!
燕尾をひらめかせて走っていくときのストライドの長いことと言ったら!!
はあああん(*^ ^*)。うっとり。
それから、
ヴィムや小悪魔たちと踊るところでヴィムの前にあぐらかいて座るポーズと、
パシャ先生(矢代鴻)の前に控えるポーズがワタシ的にはとてもツボ!
私の前にも控えて欲しい(笑)。
悪魔学校の校長先生だったシビさん(矢代鴻)と、
ちょっと謎な浮浪者、未沙のえるさん、二人の専科もさすがだったし、
あすかちゃん(遠野あすか)も私の中でちょこっと株が上がった。
それから特筆すべきキャラは蘭トムくん(蘭寿とむ)。
アジャーニが所属(?)していたスリグループの集金係で、
最初は超コワいチンピラだったんだけど(これも上手い)、
ちょっとしたことから人が変わっちゃって犬のようになるのですが、
その時、本当に犬のように舌を出してハッハッハッハッてするのね。
…まじうま(笑)。
その後、本当に「ディジョン、ディジョン!」って手を叩かれて、
誰からもペット扱い。
楽屋でもそうなんでしょう(笑)。可愛い。
その他、さお太さん(高翔みず希)、こたつちゃん(達つかさ)、
りらちゃん(舞風りら)、くるみちゃん(沢樹くるみ)、水月舞ちゃん、
桜一花ちゃん、の小悪魔たちもあさこちゃんと絡んでいる姿が
とても愛らしかったし、
刑事役のゆみこちゃん(彩吹真央)も似合ってた。
本当に、一人一人に当てて脚本書いたんだなあ、という感じで、
面白かったわ。
――このあとは、作品内容のけっこう根幹に触れるので、
まだ舞台を観ていなくて読みたくない方は読まないでください(*^ ^*)。
正塚先生が脚本をキャストに当てて書いた、というのは、
キャラクターのイメージだけでなくて、内容的にもそうかな、と思ったの。
というのは、まずヴィムの設定からしてチャーリー自身にも被るんだけど、
2幕のクライマックス、
ヴィムが悪魔界を追放になって人間界に追いやられる直前、
ウカとの別れのシーンでのヴィムの一連の台詞。
うろ覚えだけどなんとなく書くと、
「自分の知らないところでいろんなことが起こって、
でもそれは嫌じゃなかった。後悔はしてない」というような。
そして「俺はどうしたらいい?」と聞くウカに向かって、
「お前はお前の生きたいとおりに生きればいい」
「お前が後悔しなければいいと思うよ」と諭し、
泣きそうなウカの顔を見て「そんな顔するな」と笑って慰め、
「つらかったら忘れろ。俺のことも忘れろ」。
すぐさまウカが「忘れないよ!…俺」と叫ぶと、
「………俺もだ」と苦笑してウカの肩を叩いて歩いて去っていくの。
とてもとてもチャーリーとあさこちゃんの関係を暗喩している気がしません?
初回観劇の時、思わず両目から涙が胸元に落ちてしまいました(*T-T*)。
二回目に観たときもうるっと来た。
こういう役を、
VISAのついた次期トップと目されている渦中のオサちゃんじゃなくて
あさこちゃんが演るってところも、いろいろ考えさせるし。
でも、あさこちゃん、前のお茶会でも
チャーリー主演の作品、皆勤賞だって言ってたしね(*^ ^*)。
そう思うと、この作品全体が正塚先生の、
今の宝塚歌劇団に対するアンチテーゼのような気さえしてくるです。
なんたって、アジャーニが最初にヴィムに向かって名乗る名前は
「じゃあアタシは、マリー・アントワネット〜」だもんね(笑)。
気になるのは、ヴィムが死んだ後、入学することになる(?)天使学校について。
ティアロッサミ(未沙のえる)の
「(天使学校には)女の子もいるぞ? 明るい学園生活を楽しむがいい」
という台詞からすると、
悪魔学校(=宝塚)には男の子(=女の子)しかいない。
天使学校は女の子(=男の子)もいる場所……芸能界?
と邪推することもできるんだけど、
チャーリーは宝塚を辞めた後、女優になったりするのかしら…?
もしくは、正塚先生が彼女に女優になってほしいと思ってるとか…?
まあとりあえず、そんなことは置いといても、十分楽しめるお話です。
東京のチケット、取れてるといいなあ…。
その他、ワタシ的ツボシーンを思い出した順に箇条書きで。
・22日はやってなかったと思うんだけど、24日、
アジャーニが服を試着しているシーンで、
ライトの当たっていないところでウカたち小悪魔が
アジャーニと同じようにポーズを取ってくるくる回ってて可愛かった(*^ ^*)。
(ちなみにその時のアジャーニの服、『PJ』の檀ちゃんの服と一緒だった…)
・その前の、アジャーニが髪を切りに行くシーンで、
美容師(真丘奈央)の歌に合わせ、
左からこたつ・さおた・いちか・あさこの小悪魔四人で
四羽の白鳥のように手を組んで踊ってたのも可愛かったです。これは22日も。
・ラブロー神父が、ヴィムが悪魔と知ったときの反応!!!
あの春野寿美礼が、ここまでするか!!!(笑)
・けっこう最初の方、アジャーニが自分の不幸な身の上話を語るとき、
いちかちゃんがアジャーニの隣に座って、
アジャーニとまったく同じような口振り身振りをするの。
22日はとくに、まったく合っていて、可愛くて面白かった。
・やはり「ふふ」でしょう(笑・春野寿美礼お茶会レポ参照)。
・最初、ヴィムとウカたち小悪魔が降り立った人間界が、
まさかエッフェル塔だったとは、パンフレットを観るまで気づかなかった(笑)。
端から書いていこうとするととても大変なので、このへんで。
ああ、来年まであさこちゃんに会えないなんて淋しいわ…(笑)。
はやく年明けないかなあ。
fin
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