2010年9月26日 13:30開演
10月9日 12:30開演
10月21日 18:30開演
10月23日 12:30開演
10月28日 18:30開演
10月29日 13:30開演
ミュージカル『 エリザベート 』(2)
於 帝国劇場 


続きです。
幕間は、いつもお手洗いに行ったりグッズを買ったりしておりましたが、
どうしようかなーと思って先延ばしにしていた城田くんオフ写真が
彼の千秋楽には売り切れていたのを見て、
やっぱり買うべきだったかと後悔しました(笑)。

さて、第二幕から。

■1 キッチュ

千秋楽、ルキーニがポストカードを3枚、客席に投げてました☆
普段はお客さんが手を出そうとすると引っ込めちゃうのに(笑)。

でも以前にも書いたけど、
あさこシシィに対しては
ルキーニの言ってることをまんま信じなくなる不思議。

■2 エーヤン

戴冠式のお衣装はやっぱり素敵ね。

そして馬車に乗ってパレードする両陛下。
あさこちゃんがドレスの裾をわっさと馬車の中にさばき入れる姿がこっそり男前(笑)。
いつだったか、フランツの手に手を乗せるあさこちゃんが、
どう見ても微笑んでるよりにまにまと笑いそうになるのを堪えてましたが、
あれは何が起こってたんでしょう?(*^ ^*)
フランツは立ってなくちゃならないから、実は手を乗せてる振りをして支えてる、とも
トークショーであさこちゃん、話してましたけど☆

また城田トートの話していい?(笑)
ここでトートの歌う曲って高い音域なんだよね、
だからけっこう辛そうだったりもするんですけど、
いつだったか、「♪災いの種は!」と歌おうとして声がひっくり返っちゃったりして
あらまあ可愛いったら…(*>_<*)。

でも馬車の御者台からシシィを振り返る城田トートの笑みが
小馬鹿にした感じで良かったデス☆

■3 私が踊る時

宝塚版に比べて長いこの曲。
そして、トートがシシィのことを認めたような(なんて言うべきか)歌詞も東宝版ならでは。
シシィに余裕が出てきて、トートが側にいることを意に介さない、みたいな。
ある意味、シシィの人生のなかで一番勝利のとき、なんだろうな。
(…ああ、だから宝塚版でルドルフが「ハンガリー国王!」と夢想する時に、
奥には三色旗ドレスを着たママが笑顔で手を振ってるのか…!)

歌い終わり、拍手もしたいけど、
勝ち誇ったあさこシシィの表情をオペラでも見たくてホント困る。
誰か、自動拍手機を発明してクダサイ!

■4 ママ、何処なの?

曲タイトルは「どこ」って漢字なのね!

子どもルドルフの背中にフェンシングの剣を刺そうと向けるときに、
石丸トートは左手をあげて結構本気っぽく、
城田トートは右手だけ手すさびに突き刺してみよっかなー的な動きをしている。
スミマセン、山祐トートさんはどうされてたか覚えてません。

でも、超ゴメン、「♪友達さー」と歌ってる姿を見て、
城田トートは友達っぽいけど、石丸トートは友達のお父さんっぽいと思っちゃった…(>_<)。

そうそう、長年エリザベートを観てきていながら初めて気づいたのだけど、
どうして子どもルドルフと青年ルドルフは髪の色が違うのかしらん。
子どもの頃は金髪だったのに…!

■5 精神病院

ここも拍手もしたいし、でもあさこシシィの表情もしたいしで超困るシーン。
千秋楽、号泣しながらオペラに食いついて拍手しませんでした。ごめんなさい。

しかし「ひざまずくのはあなたよ」って凄い台詞だよね。
いや、皇后サマなんだし当然なんだけど。

「♪あなたの方が自由ーー!」と遠くを淋しい憧れをもって歌う表情と、
でも、そのあと心を閉ざして「強い皇后」らしく
きりりとした表情になって歩いていく表情の差。切ない。

■6 マダム・ヴォルフのコレクション

宝塚版のようにマデレーネが黒天使じゃない、
普通の娼婦なあたりがリアル(というのかな)。

ここでも南海まりちゃんをいっつも観てましたー☆
手足長くて綺麗ー(*^ ^*)。あと、娼婦役だけどこっそり品がある。
宝塚出身というのはこういうところに出たりするものなのかしらん。

そして理解が悪くて非常に申し訳ないんだけど、
結局ゾフィーたちは
フランツに娼婦をあてがうことで
何をしたかったのだろう?
宝塚版のようにこっそり写真を撮ってシシィに見せることで
絶望させて出て行かせようとした(?)わけでもないし、
フランス病を移させてシシィに絶望させようというのも
わざわざ大事な皇帝を病気にさせる必要もないし、
フランツの心をシシィから別の綺麗な女に移させよう
(たとえば某イギリス皇太子が別の女性と再婚したように) というのに
娼婦でいいのか微妙にギモンだし。
実はよく分かってません(^ ^;;。

■7 微熱

ドクトル・ゼーブルガーがお越しです。

城田くん(またしても)が、声色もお爺さんぽく変え、
腰も膝もたくさん曲げてお爺さん先生にしているのがいいッス☆

ドクトル・ゼーブルガーが
「フランス病とも呼ばれ…」と話し始めると、
一人でこっそり「パリダちゃん」((c)動物のお医者さん)を思い出してました。
どうでもいいですが。

そして城田トートがマントを翻して「待っていた…!」と言うと、
「あ、瀬奈じゅん仕込み」と思ってました。これもどうでもいいですが。
あの翻し方が、瀬奈じゅん仕込みなんだよね☆

「まだあなたとは踊らない!」と入り口を指さすシシィ。
勢いでそう言ったものの、本当にトートが出て行くかどうか、
目だけ動かして確認するあたりが、シシィの怯えを表してるなあって。

■8 ゾフィーの死

フランツからもうあなたには頼らないと宣言され、
失意の中で死んでいくゾフィー。
彼女なりの信念の感じられるこの曲も、本当にうまいよね。
ラスト、息絶える瞬間に杖を落としてことり、と音が鳴る演出も、泣ける。
城田トート千秋楽のときにはドレスの上に落ちてしまい
音が鳴らなくて残念。

■9 年月は過ぎる

あっという間に1年が過ぎたり、18年が経ったりしてびっくり(笑)。
ところでシシィの自慢の黒髪に、白髪が1本…は、
何歳の時なんでしょう?(>_<)

■10 パパみたいに(リプライズ)

ここもいいシーンだよね。
あさこちゃんもこのシーンが一番好きと言ってたね。

前にも書いたかもだけど、
パパの「♪書けない〜」を聞いた瞬間、
嬉しそうな、懐かしそうな、でも泣きそうな表情に変わり、
「♪パパなのね…」と歌うあさこシシィが大好きでした。

そして「♪パパみたいに なりたかった」という過去形の切なさ。

パパが「アデュー、シシィ」と頬に触れるような仕草をするときに、
また少し嬉しそうな、泣きそうな表情で目を閉じるあさこシシィも。

■11 憎しみ(HASS)

「♪どいーつじんの とーいつこっか!」ですね。
この曲を聴くたび、ドイツ版はこのシーンどうなってるんだろうと思ったり。
ナチスの鉤十字って使用が禁じられてるんだよねえ。

鉤十字の大きなタペストリーを引きずり下ろしたあとのルドルフ。
伊礼くんやまりおくんは、とても強く固まってる人たちを揺さぶって起こそうとしてたような記憶。
でも浦井くんは、それに比べると心細そうに、
この人はどうなってるんだろう、こっちの人は? と走り回り、
弱々しく「…なあ」と声をかける、みたいな。
その三者三様のルドルフ像も面白い。

■12 闇が広がる(リプライズ)

というわけで、みんな大好き「闇が広がる」です。
城田トートの千秋楽、
城田×浦井の「闇が広がる」の曲が終わってから
拍手がなかなか鳴り止みませんでした(*^ ^*)。
浦井くんも感極まったように、胸に手を当てたまま目をかたくつぶって。

■13 独立運動

エルマー(岸祐二)たちに煽動され独立運動に参加するルドルフ。
そんな様子を、椅子に座ってトートが眺めてるわけですが、
ホントしつこくてごめんね(笑)、
城田トートがすごく斜に構えて、足を組んで腕も組んで、
小首を傾げてちょっと眠そうに眺めてるのと、
そのあとルドルフが資料を読もうと椅子に座ったところに、
「♪今なら救える ハプスブルクー お前がー自らー導くのだー」と
ちょっと猫なで声気味に(笑)囁くところが、ものすごく好きなのでございます(*^ ^*)。

そして、革命が失敗に終わったときの、ルドルフの名乗り方の違い!
まりおくん、伊礼くんは先に語ってるからいいとして、
浦井くんはもっと、本当にもっと呆然として
「…ハプスブルク……」と呟くのです。
もしかしたら、自分の置かれている状況がよく分かってない、
あるいは分かりたくないと心を閉ざしてしまっているような繊細さ。

ちょっとルドルフ論に入っちゃうけど、
そうなの、浦井くんは今回の3人のルドルフのなかで、
ある意味一番正当派というか、初演バンビちゃんルドルフに近い、
繊細なルドルフ像に思いました。
「ママ」という言葉が似合う、線の細い青年。

でも、伊礼くんのルドルフも9月中旬に観たときと下旬に観たときでは
印象がまったく違ったので、
もう一度観たかったなあ。

あ、トートのこともちょっと。
山祐トートがジャンプしてるのもツボなんですが、
やっぱりしっかり踊ってる城田トートがもう一度観たいです☆
踊るトートだ! と思ったよ!!

■14 僕はママの鏡だから

さっきのルドルフの話の続きになりますが、
浦井くんルドルフがこのときシシィママに見せる表情と仕草が
本当に繊細で、ひ弱な少年時代を思い起こさせるの。
基本前のめりで、ママに聞いてもらおうと一生賢明で、
でも、それ以上は進めなくて、
何度も足を揃え直して(>_<)。

浦井クンはお化粧(というかチークが濃い…!)だけ直せると
本当にいいと思ったのです。

だからか、あさこシシィのほうも、
9月までに比べてちょっと役作りが変わってきたように思いました。

まりおくんや伊礼くんの頃は、
最初は「♪分からないわ〜久しぶりなのよ〜」と言いながら、
しかもルドルフの言うことをちゃんと聞きながらも、
自分の意志として、やっぱり陛下には頼めない、というシャッターが見えていたんだけど、
浦井くんに変わって、もしかしたらそのいじらしさにほだされたのか、
彼の意志を受け入れてるんだよね。
ただ、すごくよく分かるし、何とかしてあげたいけれど、
でも本当にごめんなさい、私にはできないわ…という感じ。
うえーん。

■15 マイヤーリンク(死の舞踏)

というわけで、死の舞踏なのですが、
ここも本当にルドルフも、トートも人それぞれ。

まずは、浦井クンの「ママも僕を見捨てるんだね…」の呟き方。
「僕」のイントネーションが平板なんだよね。
(他の二人は「ぼ」にアクセントあった)
それで一息にぼそぼそっと言うものだから、
また心が小さい方に向かっていることが読み取れるの。

でも、マイヤーリンクについて伊礼くんがトークショーで語ってくれたこと
(マイヤーリンクでは、もうなんだかよく分からなくなって、やけになって、
笑ってる、んだって)を聞いてから
もう一度伊礼くんのこのシーンを観たときに、
なんだか泣けてきたのでした…もう一度観たかったのはこのシーン。

トートの死の接吻も、ぜんぜん違うよね。
ルドルフがセンター前方まで走って逃げてくるときに
城田トートはゆっくり後ろから歩いてきて、
しかも手で操ってそこに留めさせ、ゆっくり近づいていくの。
それに対して野獣トート、もとい石丸トートは
逃げるルドルフを走って追い詰め(!)、
そして抱き留める。ひい!
そしてそして、まるでチェシャ猫のように薄く笑いましたよ(>_<)

あ、浦井クンが昨日、
最後に自分のこめかみに銃を当てながら、
呆然とした笑顔になったのにも、泣きました。

■16 死の嘆き

「♪ルドルフどこなの」と歌い始めるあさこちゃんの歌声が、
ことのほか高くて可愛いところにいつも泣かされます。
まるで自分のほうが子どもに戻ってしまったかのような(*T_T*)。

棺にすがりついて泣くシシィ。
棺から出てくるトートも三者三様なのですが、
やっぱり特筆すべきは山祐トート!

普通に立ってないのです…!
何に喩えればいいのか、
『MAHOROBA』でヤマトタケルが死んでしまった後、
椿の精たちが踊るような振付(両手を頭の上に柔らかく伸ばして、腰を横に曲げる)で
にょろにょろと伸び上がってくるトート…!!!(*>_<*)
一気に涙も引っ込む!!!(爆)

シシィは客席側に向いているので知らないでしょう。
知らない方がいいのです。
だからあんなに嘆いて死を求めることができるのだから…(*T_T*)。

トートに拒否られた後の慟哭、恥も外聞もないほどの慟哭に、
毎回胸を締め付けられました。

■17 夜のボート

あんまり観ることができないでいたのですが、
ここの禅サン、瞳に涙が…(*T_T*)。
シシィを愛していることが本当に伝わってくる…。

それに対して、シシィのほうも、
戻ることができない辛さも伝わってくる…。

その辛さを考えれば、
真夜中なのに日傘を差しているなんて小さなコト…。

■18 悪夢

フランツが、髪を振り乱して、大変…!!
でも、必死に、必死にシシィを助けようとする姿に泣く…!!!

でも、城田トートのときにはそれも観られない…ごめん…!
城田くんの指揮が手首動かしすぎで可愛かったりとか、
シシィを幸せにするのは俺しかいないと根拠のない自信に満ちていたりとか、
すごく、いい…!!(*>_<*) 大絶賛…!!

■19 暗殺

千秋楽近くなって、
ようやくシシィとスターレイの歩く桟橋に
ヘンなオブジェのようにトートダンサーズがうずくまってるのを知りました(>_<)。
スミマセン。

■20 愛のテーマ

シンプルな白いドレスに身を包んだシシィが、
海を渡るようにトートダンサーズの海を渡ってくる…。

残念ながら下手側で観ることが多かったので、
あんまりラストのキスシーンについて語れない…(爆)。

そしてかなり経ってから、
下の方でルキーニが首を吊ってがくがくしてるのを知った…。

でも、幸せなラストだった…。
トートがシシィを棺桶に押し込むのもちょっと可愛かった…(爆)。

 

やっぱり、いい作品ですね(*T_T*)。

えーと、カーテンコールの様子はYouTubeに任せるとして、
その様子を見ながら、
そしてその後、あさこちゃんの出待ちに参加しながら感じたことを少し。

出のときに自分でもちょっと照れながら
「退団公演でも泣かなかったのに、大泣きしてしまいました」と話したあさこちゃん。
カーテンコール、
振り返って前に出てくるときに
両サイドの出演者からの拍手と歓声に胸がいっぱいになってしまったみたいでした(*^ ^*)。
そして、ご挨拶のときにもちょっと胸が詰まって(*T_T*)。
宝塚を卒業して初めての大きな舞台で、
出演者、スタッフ、客席のお客様に対する感謝を、
胸を押さえながらとつとつと話す様子に、
私も涙しました。

もちろん、宝塚を卒業して、
今まで宝塚だったら気心の知れた人たちとずっと作ってきてたお芝居を、
初めての人ばかりのところで
(小池先生だったり知っている人も中にはいるけれども)創りあげるプレッシャー。
「頭を打ちながら」と本人も言っていたけれども、
今までとはまったく違うアプローチのところで頑張ってきて、
3ヶ月経って、
周りの皆さまから拍手と歓声で、認められたと
ようやく実感できたんじゃないかな、と思いました。

あと、やっぱり「男役」でない、ことも大きいだろうなと思ったのです。
家から一歩出たら、いつだろうと「男役・瀬奈じゅん」であることを
求められ続けてきた18年間。
まあ、そう思い始めたのは路線に乗ってきてからだろうとは思うけれど、
昔、いつだったかどこかの雑誌でそんなこともインタビューに答えていた気がする。

それが、「男役」から解放され、
ある意味、素の自分に近いところで表現したり、あるいは存在することができるようになって、
それが、あの涙に繋がったのかな、と。

出待ちで、私たちがかけ声をかけたときに、
「帝劇でこんなふうにかけ声をかけるなんて…」と笑いながらも
そのあとみんなからいつまでもいつまでも大きな拍手をもらっていたときに
くるくる向きを変えて拍手と歓声を浴びながら、
ちょっとだけ泣きそうになってたよね。あさこちゃん。

ああ、これが素のあさこちゃんなんだな、と、なんだかそんな風に思ったのでした。
「これからもよろしくお願いします!」と深々とお辞儀する
あさこちゃんの可愛い姿に拍手しながら。
「こちらこそ」って思わず呟いてしまいながら(笑)。

だから多分、今までとはお互いにちょっと違った関係になるのかなー、なんて、
思ったりしたのでした。
いや、贔屓とファン、というところはもちろん一緒なんだけど、
なんていうか、女の子同士、みたいな感じ?
上手く言葉にできないけれど。

…ふう。私がこれを書いている間に、
大千秋楽も終わったようです。
カーテンコールでは城田くんとあさこちゃんも登場したそうな(*^ ^*)。
YouTubeで楽しむことにしましょうか☆

次は年末からの「アンナ・カレーニナ」。
楽しみです(*^ ^*)。

fin