2002年2月24日 18:00開演
自転車キンクリートSTORE『OUT』
於 PARCO劇場

 
原作は桐生夏生さんの同タイトルの推理小説。
去年行われた初演で、
主役の久世星佳さんが読売演劇大賞優秀女優賞を取ってるんですよね。
初演を観たAさんが、
「久世星佳さん、カッコ良かった〜〜!」とおっしゃっていたので、
今回の再演、連れて行っていただきました(*^ ^*)

ノンさん(久世星佳)の宝塚トップ時代の舞台って、
実はナマで観たことないんだけど、
ぶりーざさんから「とてもお芝居が上手くて、
手の仕種ひとつに意味があるのよ、とファンの人たちは言っている」
と聞いていたのを覚えています(笑)。
そして、本当にそうだと思いました(爆)。 かっこよかった。

彼女はコンビニの弁当作りのパートをしている主婦の役でしたが、
そのテンションの低さが、
本当にすべてを諦観している、
心に何の動きも持たない女性というイメージを作り上げていて、
そのたばこの吸い方ひとつにも意味があるように思わせました(*^ ^*)。

その他の、
一緒に殺人&死体遺棄を成し遂げる(というとおかしいなあ(笑))
パート仲間の主婦の皆様もとてもよかった(*^ ^*)
ていうか、描き方も上手かったよね。
それぞれの家庭の事情についての説明の仕方
(寝たきりの母とワガママな息子を抱えるおばちゃん(歌川椎子)、
借金してまでブランド品を身につけるオンナ(竹内都子)、
DV夫に耐えきれず壊れてしまった新妻(松本紀保)、
そして没干渉の夫に感情をなくしてしまった主婦がノンさん)
がとても自然で、すんなりと世界に入っていけました。

松本紀保がキレて夫を殺してしまう流れからして自然で、
「いや、それは殺してOK」と思わせちゃうくらい(笑)。
ちょっとだけ、「なぜ彼女には『別れる』という選択肢がなかったのだろう」
とは思ったけどね(^ ^;;。

その後、彼女はその死体を隠そうとノンさんに協力を求めるんだけど、
ノンさんが協力することを約束してしまう流れも、
本人さえ「なぜかは分からない」と首をひねりながらも、
後から考えると、ちゃんとなぜだか分かるようになってるのよね。
(でもやっぱり自首するのが一番だと思う私は一般市民?)

いつだったかのレプリークで
マスクにエプロンにゴム手袋、という出で立ちの舞台写真を見て、
いったいどんなシーンなんだろうと思ってたら、
まさか死体を切り刻むんだとは…(^ ^;;
しかもとてもリアルな台詞つき。うげー。

とにかく女性の生き方の問題がとてもリアルに描かれていて、
そういう意味でもいろいろ考えさせるお話。
詳しくは原作を読んでみましょう(笑)。

…ひとつひとつに感想を書いていたら長くなってしまうので、
その他のキャストで気になった、
駅前の金貸しチンピラ役の増沢望さんがちょっと見、上川隆也に似てるかな、
でもAさんは大澄賢也だと言っていたな(笑)、
とか、
ミヤちゃん(竹内都子)、
まさかこんなに悪役をやるとは思わなかったな、
でもこういう役のために痩せることはできないのかもな(^ ^;;、
とか、そのくらいを書いておきましょう。

あとは超クライマックス、
ノンさんと千葉哲也が舞台の両脇に立って喋る、そのシーンで、
4列目センターに座っていた男の人が
席を立って帰ってしまったのが気になり、
3つくらい台詞が頭に入ってこなかったのがとても残念だったこととか(^ ^;;
ていうか、そんなときに帰るか? 彼の気分的にも帰れるのか?

――またしてもとっちらかった感想になってしまいましたが(^ ^;;、
とても面白い舞台でした(*^ ^*)。

fin