Take1:神様の贈り物


紙袋(ペーパーバック)をかぶった小熊のおはなし。

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ある晴れた朝。

僕をおいて、ごはんを採りにいったまま、お父さんもお母さんも兄ちゃんも帰ってこなかった。

理由はわからないけど、僕はひとりになってしまったんだ。

 

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もう、おなかがぺこぺこだ。

みんながいなくなってから、もう 太陽は何回あがっただろう。

ぼくは、もう だめなんだろうか・・・。

 

 

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ん?

おいしそうな あま〜いにおいがする・・・・

 

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わーお!

おいしい!こんなおいしいの初めてだ!

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「ホラ、クッキー ダヨ。」

「ボク、ダイ ダヨ。ヨロシク」

初めてみたソレの言っていることは、まったくわからなかったが「ボク、ダイ」を連発していた。

だから、ボクはソレを「ボクダイ」と呼ぶことにした。

 

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Qボクダイはお母さんみたいにあったたかった。

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ボクはボクダイのリュックに入って、一緒においしいものがいっぱいの国へつれていってもらうことにした。

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ボクダイの家につくと「ママ」という生き物が待っていた。

「ママ」はボクダイに向かって大きな声でどなった。

「イヌくらいならまだしも、熊なんて飼えるわけないでしょ!」

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ボクダイは、ダンボールにボクをいれて、近所の空き地にボクをつれていって、

「ゴメンネ、オマエガ イヌ ダッタライイノニ。。。」

と言った.

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ボクはまたひとりになった。

でも、どうしてもやさしかったボクダイと一緒にいたかった。

「イヌ」という生き物は知っている。しかし、ボクが「熊」という生き物だということも知っている。

ボクはとぼとぼ歩いた

 

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そのとき、ボクの目の前に、ヒラリと何かがふってきた。

こ、これは!!

ボクにはすぐにわかった。

これは神様からの贈り物だ。

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やった!

これで僕も「イヌ」になれたんだ!

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そして、ボクは急いでボクダイのもとへ走った。

こうしてボクは「イヌ」になりすまして、ボクダイと一緒にいることができるようになった。

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こうして僕の

「イヌ」生活がはじまった。

 

 

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