公害防止管理者(水質四種)受験記
手数料その他は当時のものです。

’99年の10月3日(日)、公害防止管理者(水質四種)の受験のため、東京は新宿区にある早稲田大学に出かけた。
申請期間は7月1日〜7月30日まで(消印有効)だった。(31日は土曜日で休みのため無し)

受験願書を出すのが遅く、締め切りの数日前に、ギリギリになって申請したが慌てていたため写真の裏に氏名と生年月日を書くのを忘れて貼り付けたり、願書で切り離さないことと書かれているのを切り離してしまったりとミスばかりしてしまい、書き直していると間に合わないため、その旨を書いたメモを同封して何とか受け付けて貰えたもよう。
なお会社等で5人以上が受験する場合は受験料を一括して納入出来る制度も有るとのこと。

今回の受験動機は会社が環境ISO(ISO 14001)の受審の方向で動くこととなり、その一貫として役割分担をした結果、私は水質に関する担当になったため自己啓発を兼ねて受験してみることにした。受験料は6,400円。
(水質1種と3種は6,800円)受験資格は特に無いが、高校卒業程度の学力で実務経験3年程度以上の人を想定しているとのこと。

水質は一種から四種まで有り、一種が頂点。但し、二種は三種の上位では無い。というのは一種は全ての上位で有るが、二種は四種の上位で有るものの三種とは内容が異なるため上位資格とはならないのである。
ややこしい...

何処が違うかと言われると四種は水質関係有害物質排出施設以外の汚水等排出施設で日当たりの排出水量が一万立法メートル未満の工場に設置されるものの管理を行うのに必要な資格。
二種は、有害物質を含む排水の排出量が1日当たり一万立法メートル未満の工場または特定地下浸透水を浸透させる工場。

一種は有害物質を含み日に一万立法メートル以上。三種は有害物質を含まない、日当たり一万立法メートル以上の工場。
すなわち一種は全ての種類に有効だが二種は四種の範囲、三種は四種の範囲しか担当出来ない。
(排出量は一種と三種が共通で二種と四種が共通で有害物質を含むか含まないかの違いで、当然ながら有害物質を含まない3、4種は有害物質に関する受験科目が無い)
私の勤務先は浄化槽と厨房からの雑排水くらいしか排出する水は無いため、当然ながら有害物質は扱っていないため四種で充分と判断し受験した。

合格した場合は通商産業大臣(通産大臣)の合格証書が交付されるとのこと。不合格の場合の結果通知は無し。
水質試験といっても範囲が広く、BODとかSS、等の聞き慣れない語句が多くサッパリ判らない。
オマケに測定技術なんかは学問としても専門で教育している所は少ないとか? 難しくて使用する機材、試薬、方法等、問題集等を読んでも全く判らず。それでも何冊か問題集を買い込んで勉強をした。
まず最初に買ったのが弘文社の「公害防止模擬問題 水質編」(2,800円+税)これは例題と関係法規が載っている。
それと オーム社の「公害防止管理者試験 よく出る水質問題」(公害試験問題研究会・編) 2,900円+税。
これは解説と例題集。しかし、聞くところによると誤記が多いとか..
(この本かどうかは知らないが、この会社の本は誤記が多いと言う人が居る)

それと丸善株式会社が発売所になっている「主任管理者 水質関係 第26回〜第28回公害防止管理者等国家試験問題正解とヒント」(社団法人産業管理協会 編)3,400円+税。これは過去問題の問題集で国家試験や認定講習会を主催している団体が出しているもの。

当日は夜勤明けで埼京線で池袋に行き、そこから山手線に乗り換え高田馬場で下車。高田馬場から早大正門前行きの都バスで約10分。
早大の正門前ではアンケートに答えれば正解の解答をFAXすると言って業者?がチラシを配っていた。
私の受験した教室は正門から入って正面奥に有る10号館の2F、208号室。

試験は13時半から開始だが12時過ぎに着いてしまったため、場所(教室)のみ確認して外で缶コーヒーを飲みながら問題集を開いて勉強する。
見るかぎりでは年配の人が多く、あまり若い人は見かけなかった。

試験は5科目で、合格点は合計で60点以上とか?(最低の科目でも40点以上とか?)科目合格の制度は無いため合格点に至らなければ不合格で、最初から全科目勉強しなおし。

13時頃だったか、教室に入ると40人程度の受験者に対し、出席者は30名程度で教室の真ん中辺りの最後列だった。
試験官は若い女性と男性の2人。解答用紙と問題が配られる。
解答用紙には氏名・受験番号・性別・学歴・職歴(対象となる工場勤務の経験年数)を記入する欄が有る。

試験はA問題とB問題に分かれ、途中で、休みを含んで2時限。1時限は公害概論、7問と水質汚濁関係法令、10問に測定技術12問の3科目で1時間40分の15時10分まで。
2時限めは汚水等処理技術一般の1科目、20問で15時40分から16時50分まで。
13時半から試験開始。試験は五社択一で40分経てば退出可能とのことだったが、難しくて答えようがなく最後まで粘ってしまった。
なお計算問題は電卓(プログラム機能付きは使用不可だが、それ以外はOK)を使用可。

2時限めは同様に判らないものの、16時で終わりにして退出。さすがに夜勤明けでの受験は疲れた。
11月10日付けで産業管理協会のホームページに模範解答が掲示され、自己採点をしてみたが合計点で僅かに及ばないようで、今回は無理かと弱気になってしまった。
公害概論が5/7(71%),水質汚濁関係法令が7/10(70%)に測定技術が7/12(58%)と汚水処理技術一般が10/20(50%)という結果。
合計だと59%の得点率となり、苦手とした測定技術と、意外にも汚水処理技術一般の得点の悪さが足を引っ張った結果になってしまった。

今回の受験で感じたのは、基礎知識が無いため問題集を断片的に勉強するだけではなく、基礎から段階的に勉強しなければダメだということ。合格率も例年10〜20%の難関と聞く。
試験結果は官報および社団法人産業管理協会のホームページにも載るとのこと。

’99年12月15日に発表が有り、見たが合格者の中に番号が無く、当然ながら不合格と相成った。
勉強が足りなかったのと、資料(教科書)不足が効いたようである。
次回の挑戦をどうしようか思案中..

合格者の受験番号から推察するに合格率は10%前後のように思われる。4種は70名程度だった。
(東京の受験者)
何故か1種の受験者が多く、合格者も多いようだ。

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