危険物取り扱い者について
危険なのはお前だろう!? なんてツッコミは無しネ。
手数料は当時の物なので現在は変更になっている可能性大です。

消防法で決められた危険物を取り扱う資格で、大きく分けて3種類有る。甲,乙,丙の三種で、最も簡単なのは丙種。

ただし丙種では乙種4類の内のガソリン,灯油,軽油,第三石油類
(重油,潤滑油及び引火点130°C以上の物に限る)第四石油類及び動植物油類だけで、自分以外の無資格者に対して監督して危険物の取り扱い作業を行わせることは出来ない。

乙種は扱う物の内容に応じて1類から6類までの6種類が有る。甲種は1類から6類までの全ての種類の危険物を扱えるが、乙種を取得してから2年以上の実務経験の証明か、大学等で化学の学科を15単位以上修得したか、化学に関する学科を卒業した証明が無いと受験出来ない。
乙種,丙種については受験資格に制限は無いので誰でも受験可能。
 

甲種,乙種は免状の範囲内で他の無資格者に対して指導、監督が出来る。
(例えばガソリンスタンドで、免状を持っていないアルバイトに対しても免状を持っている人間の監督下で給油作業をさせることが出来る)

乙種でも4類が石油類を扱う関係で、ガソリンスタンド等に勤める人等を中心に受験者が多い。
しかし、乙種の中でも4類は最も出題範囲が広いそうである。
もし他にも取得予定なら4類は最後に受けるのが楽
だとも聞く。 

試験回数:試験は年に数回、東京の場合は乙種4類については毎週火曜日に試験が行われる。
試験日や会場に
ついては各市町村の市報等にも載るし、直接消防署に聞く手も有る。

願書:願書は各市町村の消防本部に行けば無償で入手可能。(予防課が窓口)
受験料は郵便振込または銀行振込だが金額は年によって変更になる場合も有るので、詳細は願書を参照。
願書は試験の前に指定された日時、場所で受け付けを行うので持参する。願書には写真が2枚必要。
(願書の持参は代理人でも可だが、郵送は不可,受験票は後日郵送されてくる。東京の場合は試験日当日でも可だった気がするが忘れた) 

試験内容:学科試験のみ。内容は法規(消防法関係)が15問,基礎物理・基礎化学が10問,危険物の性質が10問の3科目の合計35問で、試験時間は2時間。
回答はマークシートで5者択一式。問題用紙は回収されるため持ち帰りは出来ない。
参考までに丙種は10問、5問、10問の計25問を1時間15分で解答する。

乙種の場合、法令と基礎物理・基礎化学については共通のため、既に他の類の免状を取得済の場合は免除になり、「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」の10問だけ。
(ただし試験時間も35分に短縮される。)
合格率は私が東京で受験した時は3割くらいだったように思う。

参考までに1類から6類までの主な物を書くと
1類:酸化性固体で、塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜鉛素酸塩類、臭素酸塩類、硝酸塩類、よう素
酸塩類、過マンガン酸塩類、重クロム酸塩類。その他、政令で定める物。 

2類:可燃性固体で、硫化りん、赤りん、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウム、その他で政令で定めた物、引火性固体。 

3類:自然発火性物質および禁水性物質で、カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、アルキルリチウム、黄りん、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機金属化合物、金属の水素化物、金属のりん化物、カルシウムまたはアルミニウムの炭化物、その他の物で政令で定めたもの。 

4類:引火性液体で、特殊引火物、第一石油類、アルコール類、第二石油類、第三石油類、第四石油類、動植物油類。
(私が持っている免状はこれで、扱う物はボイラーや熱吸収式冷凍機で使用するA重油=硫黄分の少ない重油) 

5類:自己反応性物質で、有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、アゾ化合物、ジアゾ化合物、ヒドラジンの誘導体、その他の物で政令で定める物。 

6類:酸化性液体で、過塩素酸、過酸化水素、硝酸、その他の物で政令で定める物。 

試験内容については4類の場合、ガソリン等の引火点や発火点等の数字を覚えるのが一苦労。
貯蔵可能な量等、計算問題は無いものの数字を把握していないと困る問題が多い。
危険物の性質や消火方法についての知識等が問われる。

試験結果は東京の場合、即日で午前中が試験,午後から発表。
免状の申請手続きが行われ、約二週間後の指定
された日に試験場に取りに出向くか、手数料を払って郵送してもらうことが出来る。
(地方の場合は試験結果はハガキで通知され、申請は個別に行う)

申請料は各都道府県の収入証紙で納める。東京の場合は試験場内の売店で証紙を販売しているので購入して書類に貼付、申請する。
免状の交付指定日は1日だけなので当日に出向けない場合は、試験場で手数料(900
円くらい)を払って書き留め便による郵送を選択することになる。

不幸にも不合格になった場合でも、東京なら次回の受験申請を行って帰ることが出来るので忘れないうちに再挑戦が出来るというもの。
交通費は高いけど、地方だと年に数回なので不合格の場合相当期間、待たないといけな
いので... 

なお東京の試験場は渋谷区幡ヶ谷という所に有る「消防技術試験講習場中央試験センター」である。
受け付けは8時30分から9時30分までで、10時からは試験開始。
なお試験に合格して危険物の取り扱いを行う場合、3年以内に危険物取り扱い者保安講習を受ける必要が有り、これを受講しないと免状の返納命令が出ることになるので要注意である。

保安講習については地元の消防署(予防課)に問い合わせれば教えてくれるし、申し込み用紙も無料で貰える。
講習は概ね半日で終わるが、会場が限られるので必ずしも自分の在住する市町村で受講出来るとは限らない。
(埼玉の場合、浦和・大宮・川越・春日部・熊谷等の主要な市に限られ、東京の場合は渋谷区に有る消防の試験場だけのようである)
この講習は、引き続き取り扱いを行う場合、3年毎に受講が義務付けられている。

平成11年の時点での受講料は4,700円で、県毎の証紙で納める。
受講は自分の住んでいる都道府県以外でも
可で、勤務先の県や都合の良い会場の有る都道府県でも良い。

平成11年9月10日に仕事場の有る、群馬県館林市の講習を受けてきた。受付けで講習の受講票と免状を提出し講習のテキストを受け取る。
座席は前回申し込み時に受付けた時点で指定されているので、指定以外の所に座る
ことは出来ない。
(これは講習終了後に免状を返却する関係で番号順に並んでいないと困るため)

内容は法令に関する講習(3年毎なので、途中で法令が改正された場合の解説等)と20分程の映画の上映。
それと事故防止についての講習で、9時〜12時まで。終わった後で免状の裏面に講習済みのハンコ(日付入り)を押して返却してくれる。
これで3年間は無事に業務に従事出来るという訳。講師は群馬県庁の消防関係の人と
元、消防署の消防組合長?の人だった。


危険物取扱者免状

免状は10年毎に写真の貼り替えが必要で、これは業務に従事するしないに関わらず必要。写真は1枚のみ必要。
申請書類は消防署の予防課に行けば貰え、書式は全国共通だが裏面の申請先は都道府県毎に書いてある内容が違うので申請する都道府県で貰ってくるのが無難なようだ。
申請料は都道府県の証紙を貼って納める。
(東京の場合は現金で納めるらしいが)

なお申請は早くても可能だが、あまり早く書き換えをしてしまうと有効期間も早まって短くなってしまうので要注意。
私は知らずに平成18年の4月までに書き換えれば良いものを2月にしたら有効期限というか、更新期限もそれなりに早まってしまって失敗した。
(もっとも、期限を過ぎて更新しても罰則は無いが)

それと交付した都道府県以外の所で書き換えをすると都道府県知事のハンコも変わってしまう。
(交付都道府県知事の欄は変わらない)

写真はカラーコピーか何かで複写したような印刷になっている。大きさは最近の運転免許証やカードと同じで小型になっている。

消防試験研究センターのホームページ

開設者の紹介に戻る

最初に戻る