リュウドの親指シフトキーボード使用記
Last update 2007.2.12


購入したばかりのキーボード(白く見える所は表示が無かったりしたため、購入後にテプラで貼付したもの)

以前からDOSマシンや会社のキーボードが親指シフトだったこともあって、親指シフトキーボードの使いやすさは判っていたものの価格が高いことから手を出せずにおり、安いJISキーボードでガマンしていた。

しかしながらローマ字変換では「かな漢字変換」に比べ入力する回数が多く、更には拗音等が打ちづらく、結果として拗音はその部分だけカナ入力することも度々だった。

’99年の大晦日、ふと思い立って秋葉原に出かけ、以前に親指シフトキーボードを見かけたLAOX(ラオックス)に行ってみた。値段を見ると49,800円と、5万円近いが、衝動買いしてしまった。
(親指シフトキーボードは、これ1種類のみで他に選択肢は無かった)

しかし、よくよく考えてみたら純正の親指シフトキーボードのFMV−KB211は定価が25,000円くらいだから倍の値段。
(当時の価格)冷静に考えれば高い買い物だった...メーカーは「リュウド」という新潟の会社だった。
しかし、メーカーの説明によると富士通以外のパソコンでも使用出来るのと、色々なOSやIMEに対応しているとのことで将来性は有りそうだった。
(当時は富士通純正の親指シフトキーボードは他社製パソコンには使えないと言われていた)

帰って箱を開けると取説とソフトのフロッピーが2枚、キーをカスタマイズした際に貼るステッカーが1枚付いていた。
まず取説を見て設定をするが、このキーボードは基本的に106キーボードのJISキーボードの設定で親指シフトキーボードをソフト的にエミュレート?する物らしい。
OSはWindows3.1/95と98/Windows NTに対応してお
り各々に該当するソフトをインストールするようになっている。なおコネクターはPS/2タイプのみでUSBは無い。
シリアルポート用の場合は変換コネクターを使えば可とのこと。
ノートパソコンについては動作不良の機種も有るため、動作を保証していないとのこと。買って動けば儲け物かもしれない。

私の場合はWindows98なので、それ用にインストールした。(その後、Me、XPでも使用)
Windowsの「設定」を開きキーボード関係の設定を「106キーボード」にする。

設定終了後、ソフトの入ったフロッピー(1/2)をセットしてインストールを開始する。
デフォルトでは「program Files¥Reudo¥RboardAssist」というフォルダにソフトがインストールされる。
もちろん自分で好きなドライブやフォルダを指定してのインストールも可能。

インストールは2種類有るが、通常は「標準セットアップ」を選択するとのこと。
途中でフロッピーを入れ換えるよう指示されるので、そのとおりにする。

インストールが終わると「再起動」するか聞くので、「直ちに再起動」する。
再起動すると設定が有効になる。

なお、ソフトを常駐させない場合でも「ローマ字変換」は可能だし、「カナ」のキー配列が「JISキーボード」でのカナ配列になるだけである。
(基本が106キーボードのJIS配列をソフトで親指シフトキーボードの配列にしているだけのため)

その後、自分の使用しているIME(漢字変換ソフト)に対応させるためのソフトをアップロードする。
私の場合はOAK(V7)だが、人によってはMSIMEだとかATOK等が有るだろうから、それに合わせた物を入れる。
画面の右下にアイコンが表示されているから、これを右クリックして「フラッシュROMイメージのアップロード」と
いうのをクリックすると、5種類の設定(大きく分けてOAK用とOAK以外のIME使用とJISキーボードと親指シフトのキーボードの組み合わせの内から1種類を選んで設定出来る。
なお、設定には他に「親指ひゅんQ向け」というのも
有る。

初期状態(キー割り当てを変更しない状態)で使ってみた感じではカナ以外のキー配置が使いづらく、特に通常だとリターンキーの有る位置に「@」が有ったり「BS」が「;」の隣に有ったりして使い勝手が悪い。
これは元々、富士通のFMV-KB611というOASYS互換のキーボードにPC-98やMACに対応可能なようにリュウドのソフトウエアを載せたためと思われる。実際、キーの配列もFMV-KB611と殆ど同じ。

左側の「英数字/カナ」の切り換えとか「TAB」,さらには比較的コンビで使う「CTRL」と「ALT」キーの位置がバラバラだったりと使い勝手が悪いこと、このうえない。
これらは自分でキーの割り当てを変更可能。

今まで使っていた106キーボードの設定と違っているため、イライラしてきてしまう。何故、こんな設定になっているのか理解に苦しむ。
(別のソフトで自分好みの設定に変えられるので心配は無用だが、初期設定はイマイチ)
メーカーの言い分としては「富士通製の純正親指シフトキーボードとは一緒にしてない」とのこと。
これも仕様だ(苦笑)FMV-KB611に準拠か?(FMV-KB211とは異なる配列)

これらのキーの配置は別のソフトで設定変更出来るのだが、このソフトの起動方法が取説を見てもよく判らなかった。
たまたまソフトの入っているフォルダの中を探していて、見つかったソフト(chgkey32)を起動したら動いたから
良いものの...取説に書いてないような気がする。私の見落としか?
メーカーに聞いたら「Windowsのスタートメニューを開けば、その中に有る」とのこと。私の見落としらしい..
取説を見ると29ページに当該の説明が有るが、一寸判りづらいかもしれない。
(スタートボタンのプログラム云々の記述が有るが..)

設定を変えて添付のシールをキートップに貼ることで使い勝手は良くなったが、それでもリターンキーの小さいのには泣かされる。私の場合は2つのキーをリターンキーに割り当てて、純正キーに準じた使い勝手を確保している。
(これは基になった富士通のFMV-KB611の仕様によるもので仕方ない)

良い点
キー割り当てが変えられること。(カナキー以外?これは凄い)
親指シフトキーボードである。
キータッチが純正と変わらないレベル。(富士通の純正と同じキースイッチを使っているとか?)
OAK以外のIMEにも対応している。
富士通以外のパソコンでも使える。(これは強調して良いと思う)
R1〜R10までのファンクションキーが有って複数キーの組み合わせの機能を設定出来る。
ソフト的にやっているので将来のOSの変更にも対応可能。
(R1からR10の部分は基のFMV-KB611ではOASYSの機能が割り振られている)
 
不満な点
リターンキーが小さい。これは仕様なので、現状では改良は無理とのこと。
FMV-KB611と同じ配列のため。

私のように2個のキーにリターンの機能を割り当てて対応するしかなさそう。

富士通純正の親指シフトキーボードと比べても価格が倍くらい高い。(初期の価格、3万円と比較しても)
これが一番のネック、106キーボードだと安いのは2,000円くらいから売っているというのに..
キーボード+ソフトの値段と考えれば高くは無いのかもしれないが..)

キートップの色が、右手で使う部分の色が薄く見分けづらい。(これは富士通純正も同じだけど..)

キーボードの角度(前後)が小さい気がする。もうすこし奥側が高い方が打ちやすい気がする。(純正も同じだが.)

ステップスカルプチャーだったか?キーボードの上下段の傾斜が小さいのも原因か?(同上)

キートップの文字が小さい。(106キーボードとしては普通だが、FMR等の親指シフトと比べると小さめ。もっともこれらの親指シフトキーボードの英字はキートップではなく前面に書いてあるので、それを考えると一概にマイナスとは言えない)富士通の純正、親指シフトキーボードも同様の仕様。

親指シフトキーボードとしてみた場合に定番の筈の「変換」・「無変換」・「実行」・「空白」・「親指左」・「親指右」の表示が無い。(これが不思議・「実行」キーは純正(FMV-KB211)にも有りませんでしたので、これは私の認識不足
こんなことを書くとメーカーさんに『てやんでぇ! こちとら純正を作ってんじゃねぇやい!』と言われそう。(^^;;)
なおFMV-KB611には実行キーは有ります。

親指シフトとして使うためにはソフトを常駐しなければならないこと。
(常駐しないと106キーボードのまま。逆に、これが有るから他社製品でも対応出来る
ソフトによっては英字が文字化け(キートップと一致しない)する。現に私の使っているフリーソフトの家計簿ソフトの「たえこの家計簿」では、親指シフトの状態ではアルファベットが化けてマトモに打てない。(JISキーモードならok)
それ以外にもNetscape4.78jaのComposerで入力時に全角のハイフン(-)が"?"に化けてしまう。

キーボードに引っ掛かりが感じられる。
メカニカルスイッチのせいかもしれないが、打ち方によっては引っ掛かり感が有り気持ち良くない。
これは本家本元
のでもそうなので仕方ないかもしれないが..昔のFMRシリーズの親指シフトの方が感触は良かった気がする。
使い込めば引っ掛かり感は改善されるようで、2006年現在は特に感じません。

Windows XPに対応。(2002年5月以降)
このキーボードの泣きどころがソフトでエミュレートしていること。ソフトがOSに対応してくれないと使えない。
XPが出て1年近く経つと思うが未だにXP対応のソフトがリリースされない。Windows2000用のは有るが、これが使えるか否かは試してみてない。それにしてもXPに対してはユーザーは見捨てられたのだろうか? と、書いていたら2002年5月にXPに対応したドライバーが出ていたとのこと。
全く知らなかった。どうせなら問い合わせた人にメールで教えてくれても良いと思うのだが...一日千秋の思いで待っていたのに..たまたま検索で探したら見つかったものの、知らなければそのまま、対応してくれないと思っていたことだろう。ちとサポートが悪いんでないかい..(苦笑)
メーカーはサポートを打ち切ったので、今後出るWindowsについてはサポートされず将来性は見込み無し。

個人的には仕方ないので諦めかけて富士通コンポーネントから出ているUSBのコンパクトタイプのキーボードを買って使おうと思って発注を掛けてしまった。(;_;)
(これはその後、使い勝手が気に入らず手放した)

職場ではJISキーボードでローマ字変換だが、親指シフトキーボードに慣れてしまうと使いづらいことこのうえないし今となっては後戻りも出来ない。困ったものだ..

その後、色々と試行錯誤したが何とかXPマシンでも使えるようになったので、紹介したい。

まずリュウドのHPからソフトをダウンロードしてくる。これはWindows 2000用のソフトをダウンロードしてくる。
バージョンでいうと3.00というもの。それと一緒にXP対応版もダウンロードしてくること。これは「rdpro 0526」というRboard Proアシストプログラムを実行する。Windowsを再起動するか聞くが、この時点では再起動はしない
で、続けてXP版のアップグレード版を実行する。これでソフトそのものはWindows XPに対応するが、これだけでは不充分でキーボードドライバーを「リュウド親指シフトキーボードドライバー」に設定しなければならない。
詳細はリュウドのHPを参照のこと。なお、この時に日本語を英語に書き換えるか聞くのでokをクリックする。
キャンセルするとダメみたい。また、インストールすると起動時にエラー表示が出ることが有るが、これはキーボードドライバーが正しくインストールされていない可能性が有るので、その辺りを確認すること。


キーボードドライバーが上手くインストールされていないと出るエラー表示

また使用するマウスによってはキーボードドライバーとの関係でエラーになる物が有るとのこと。
ロジクール関係のマウスドライバーで問題が起きやすいそうなので、これらを使う人は要注意。

以上のことから富士通製のパソコンを使っている人には個人的には、あまりお勧め出来ない。
なんと言っても高価格なのがネック。
純正品でさえ高いと思うのに、それの倍近い値段では他人に買えとは言えない。
他社のパソコンを使っていて、どうしても親指シフトキーボードを使いたいと言う人にはお勧めだが...

今回は殆ど衝動買いであり、冷静に価格と性能他を比べたら購入は出来なかったろう..
この件についてメーカーに問い合わせた結果は以下のような内容だった。(引用)


■弊社RboardはAT互換機(デスクトップのDOS/V機)であれば殆どの機種(富士通製品以外でも)でご使用になれます。   (富士通の親指シフトキーボードは富士通のパソコンでなくては使用できません。)

■RboardはメジャーなIMEを全てサポートしております。

■ご購入後も、OSやIMEのバージョンUPに合わせて、最新キーボードドライバをHPにて無料更新配布しております。

  将来大幅なOSの変更があったとしても親指シフトの入力が不可能とならないようにキーボード側のROMも書き換えられるようにフラッシュROMを内蔵しております。

大きな違いはこのようなところです。
お客さまがもしFMV機をご使用になられていて、富士通製親指シフト機とお間違いになって本機をご購入になられていて今ひとつご不満な点がございましたら、またご連絡ください。
お買い上げ30日以内にご連絡ください。以上、宜しくお願い致します。

とのこと。相当の自信が無ければ、なかなか言えないことではある。このキーボードの詳細はリュウド株式会社ホームページを参照願いたい。


残念ながら、平成13年の2月、リュウドからダイレクトメールが届き、製造メーカーの部品販売終了に伴い3月10日の受注をもって生産を終了するとのこと。修理・部品交換等は2003年の4月まで、ソフトは2002年の4月までサポートするとのこと。したがって現在はサポートは打ち切りとなっている。

今後は親指シフトのキーボードが使いたい人はFMVと富士通純正の親指シフトキーボードを使うか、あるいは富士通コンポーネント製のUSBのコンパクトタイプのキーボードを使うしかなさそう。
(個人的には富士通コンポーネント製のは使い勝手が好きじゃない)
個人的にはFMV-KB231(FMV-KB211の後継機種でUSB接続)がお勧めかもしれない。

もし買いたいと思う人が居るなら3月10日までに申し込むこと。6月頃の納入になるらしいが..
価格はDOS/V版の定価49,800円が−−>36,800円(税別)
MACやPC−98用の定価54,800円が−−>MAC用は39,800円、PC−98版は36,800円。(全て税別)


これはキー配列を変更したもの
これは今まで使っていた106キーボード(売値で2,000〜3,000円程度だったと思うがキータッチは悪くなかった)

 
添付されているソフト,取説,キートップに貼るシール
配列を変更したキートップ
(最初は上からE/J、CTRL、SHIFT、CAPS)
配列を変更した右側のキー
(最初は上から”]”、リターン、@で
@の左側の2個は左側がBS、右がESCキー)

その後、リターンキーに割り当てたキーの具合が良くないためキートップを交換しようと思い平成14年の9月に近所のハードオフ(中古屋)に行ったら昔のOASYS-30のキーボード(JIS)が30円で売っており、これを購入して帰り、交換のついでに「変換」、「無変換」や「実行」キーをそのまま流用。さらには「挿入」や「削除」、等もついでに交換してしまった。
色の違う部分が交換したキートップ。(OASYS-30用)
キートップを入れ換えたキーボード

その後、平成18年の2月頃からリWindowsでレジストリが異常になりシステムダウンしてしまい、何とか復旧させたものの、その後から何故かリターンキーが反応しなくなったり、逆に押していないのに押し続けた状態(リピート)が掛かってしまう不具合が発生し、エアーダスターで埃を飛ばしたりしたが直らず仕方無くキースイッチを交換しようと思って分解してみた。その結果は基板とキーの間に埃が溜まっていたので清掃したら直ったもよう。
 
キーボードを分解したところ
(上がキートップの裏側、下がキースイッチ)
キースイッチ部分


キースイッチの拡大部分、単なるレバースイッチに見える

その後、FMV-KB211に変えたことも有り、使わなくなっていたが平成19年の2月に縁有って、さいたま市の方にお譲りした。

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