Radixの50MHz V型ダイポール


フジインダストリのFSP-505(5mの伸縮ポール)に付けたV型ダイポール

平成24年の6月、Eスポシーズンに伴い低い、聞こえないという不満から久々にアンテナを換える気になった。
しかしながらローテーターは3年前の引っ越しの際に処分してしまったため、今更買うのも気が進まない。
それに買うとなると安くても3万円はするので、昔ほど使用機会も無い物に投資する気も起こらないことからGPにしようかとも考え、カタログ等で検討したが昔と比べると中途半端な長さか、5/8λ二段等と長い物ばかり。

お手軽に済ませるには手持ちのコメットの1/2λのノンラジアルホイップを使うことだが、これも以前使った感じとしてはSWRの範囲が意外と狭い感じで好みではない。それと、やはり垂直系のアンテナというのは水平偏波の多い50MHz帯では効率が良くない。
Eスポのような電離層反射なら偏波面の違いは無視出来るのだが、直接波だと偏波面の違いによる差というのは大きい。

しかしながらダイポールというのは指向性が8の字形で、サイドになった所はそれなりに弱いので悩むところ。

色々と検討した結果、強度、重量、価格等を考えて出た結論がRadixのV型ダイポール。
V型なので水平面の占有面積が少ない、エレメントの末端が上部になるため高さが稼げる。
価格の面ではマウントとバランがセットなので高め。エレメントとマウント+バランのセットは別売。
(バランだけでも4千円くらい) なので価格だけ考えるとコメットの2エレHB9CVでも買った方が安いのだが...

当初、メーカーの通販で購入しようかと思ったがNETで検索してみたら千葉の「CQタガミ」という所でも扱っている。
(これは当時の話で、2013年1月に社長が急逝され、CQタガミは廃業となった)
近い所では秋葉原の「富士無線」が有るが、ここでは仕様も価格も表示が無く、聞いてみないと判らないので断念。
秋葉原まで出掛けても良いのだが、行ってみたところで在庫が無ければ無駄足というもの。

CQタガミに問い合わせてみたところ、在庫が有るのと見積もり(価格は表示されておらずメール等で確認要)を聞いてみるとメーカーの通販価格よりも安かったので購入を即決。カード払いは出来ないので銀行振り込みで購入。

今回購入したのは50MHz用のエレメントのRDE-6Nとバラン付きの固定マウントのRD-BLという物。
バラン付きマウントは全部で3種類有り、1種類は移動用で角度は連続で設定可能に対し他の二種は穴が180度(水平)、120度だったか?と90 度の3段階の角度に限定されている。固定用にはRD-BL/Gがお勧めとのことだが今回の50MHz帯のみならRD-BLでも充分と思われる。
(自己責任でやっていますが、これ以上の長さのエレメントを付ける場合は前者の方が無難と思われます)

取説ではHF帯用と同じ説明を使っているようで、図にはマッチングケースを付けるように書かれており、取説にはエレメントと同梱とのことで探してみたが見つからず。結局は50MHz帯では不要のようなので、この辺りは注意書きとして一言書いて欲しいものである。
無い袖は振れないというやつで、当然付けなかったがSWRは問題無し。(苦笑)

マウントとバランはUボルトで共締め。(下側のUボルト一箇所のみ)
ネジ類は全てステンレスなので錆の心配は不要なのが嬉しい。
エレメントの調整部分は蝶ネジで留めるようになっているが、固定で使うため手持ちのナベ小ネジとワッシャ、バネ座金に交換。
エレメントの長さは調整寸法が580ミリとのことで指定寸法で組み立てたが、帯域は結構広めなのであまり気にしなくても良さそう。 気になる人は調整すれば良いだろう。仕舞い寸法は730ミリ。

エレメントの角度によってインピーダンスが変わる筈だが、この辺りの説明は無かったもよう。
(取説の必要な所しか見ていないので未確認)
SWRの調整についてはエレメントの長さ調整だけで対応するようだ。
周囲に金属等の障害物が無ければ、それほど問題は無いだろう。(SWRが1.5以下の帯域は2MHzとのこと)
私の場合、アンテナの下方に下屋のトタン屋根が有るのだが、半波長(3m)程度離した状態では問題は無いようだった。

エレメントはマウント部分にねじ込み。これはロック機能が無いため緩み防止と防水も兼ねてビニールテープを巻いた。
本当は導電グリスでも塗っておくと良いのだろうが、今回はやらなかった。
バランとエレメントの接続部分は付属の10cm程度の線で接続する。これは両端に圧着端子が付いている。
取り付けには付属の菊座金を使って締めつける。
エレメントは水平で使う場合、片側1.4m程度とのこと。
(バランとエレメント間の接続部分が約10cmなので全部で約1.5m程度)マウントはパイプ径が25ミリから60ミリまで対応なので、大抵のポールには付けられるだろう。

私はフジインダストリの伸縮ポールに付けたので、これは35ミリ径と半端な太さだが問題なく付けられた。
エレメントの取り付けは片側2本ずつのボルト締め。絶縁体はシッカリしており、かなり強く締めても大丈夫だった。
ボルトは6ミリ径くらいだったか? 固定用の場合は角度に応じて開いている穴に合わせてボルト締めすれば良い。

使ってみた感じは水平ダイポールに比べると指向性が緩やかなので、あまり気にしなくても良さそう。
飛びは利得がダイポールと同じ(V型にすると水平よりも劣るという説も有る)なので、八木の様なサイドの切れや利得は望むべくも無いが、聞こえる範囲はパワーにもよるが、呼べば取って貰えるので短縮アンテナのように聞こえても飛ばないということは無い。  
パーツ(上はバランとマウント、下はエレメント)
組み立てたマウントとバラン
バランとエレメント(蝶ネジはナベ小ネジに交換した)
バランの中央のネジはマスト金具に付けた際の緩み止め
SWRアナライザでSWRを見ているところ

Radix社のHP

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