ケンウッドのハンディ機TH-F7

TH-F7

スタンダード(ヤエス)のハンディ機、VX-2を買ったものの使い勝手が今一つでケンウッドのTH-F7がAM放送を聞くのにバーアンテナ内蔵で広帯域受信、オマケに簡易型ながらSSBやCWも聞けるというので平成15年の12月末に購入。
このリグでFM放送を聞こうと思う人は買わない方が無難。感度が悪すぎる。

NETで値段を調べてみたら茨城県のショップでケース付きで31,800円、送料が600円と一番安かったので通販(代金は銀行振り込み)で購入。
地元のハムショップで交渉しても良かったのだが、その値段が出るという保証も無いし在庫が無くて取り寄せというのも億劫。
銀行振り込みだと手数料が400円強なので、送料と合せると千円は余分。その分が安くなるなら地元でも良かったかもしれない。送られてきた箱を見てビックリ。これじゃモービル機並みだぞ...
箱を開けてみると、この半分でも充分な梱包。ムダが多い感じ。  
外箱は大きい
梱包から出したところ
取説はA4サイズ、右はケース


内容に比べ無駄なスペースが多く感じられる梱包。
左からバッテリー、上はベルトフック、中は本体、上は付属のホイップアンテナ、右は充電器。

本体は厚く、重い。充電器もVX-2なんかと比べると大きく重い。スイッチングにすれば軽くて小型になるはず..
使い勝手はキーボード式で機能の表示がされているため判りやすい。
(VX-2はたまに使おうとすると使い方が判らない)
白で書いてあるのが普通に押した時の機能で青色で書いてあるのが「F」キーを押した後に使える機能。

ファンクションの切替は内側のボリウムで行い、音量のボリウムは外側のツマミになる。この辺りはVX-2とは逆だった気がする。
VX-2の時は外側のツマミを回すと音量のツマミも一緒に回ってしまい、音量が変わってしまうという使いづらさが有ったが、これは無い。

受信はデュアルバンドで同時受信、モノバンドの切替が可能。ただしAのバンドはアマチュアバンドのみ。
Bバンドは広帯域受信になっているがFM放送バンドの感度は芳しくない。
VX-2にせよIC-R5にせよ、こんなに耳が悪いことは無い。
地元のNACK5でさえスケルチを開かないと聞こえないのだ。VX-2やIC-R5では同じ条件でSが9は振るから、如何にFM放送バンドの感度が悪いか判るというもの。AMは特に問題なし。
(バーアンテナが内蔵とのこと)

パワーは出力は最大で5W(H)、L(約2W)とEL(約0.5W)の3段階に切替可能。
これは外部電源を使った場合で、付属のリチウムイオンバッテリーだとLは0.5W、ELは0.05Wとのこと。
送信時に温度が上がると保護回路が働いてパワーが0.5Wに下がる仕掛け。

周波数を変えるには「BAND」キーを押す。1MHzずつ変えたい場合は「MHz」キーを押してから内側のダイヤルを回せば良い。(中波を除くみたい)
終わりにする場合は再度「MHz」キーを押す。

バンドを変える場合は「BAND」キーを押す。Aバンドは144と430の2つしか無いが、Bバンドは短波帯1.7MHz〜29.7MHz)、50MHz帯、FM放送帯、エアーバンド帯(108MHz〜137MHz)、144MHz帯、 TV(174MHz〜222MHz)、200&300MHz帯(222〜330MHzと336MHz〜415MHz)、430MHz帯、UHFのTV帯、1200MHz帯の11分割。ただし、一部には受信出来ない周波数が有るので完全な全周波数受信ではない。

スケルチの感度を変えるには「SQL」キーを押した後で内側のダイヤルを回す。終わったら再度「SQL」キーを押す。

「FINE」キーはSSBやCWの受信時に微調整をするためのもの。100Hzステップで調整が可能なようだ。
「A/B」のキーはAバンド(144/430のアマチュアバンド)と広帯域受信のBバンドを切り換えるもの。
デュアル受信にした場合に、どちらが受信中か判らないと思うが受信時にAバンドならA側のLEDが点灯。
B側ならB側のLEDが点灯して見分けられるようになっている。ただしSメーターはメインになっているバンドしか表示しない。
なおAバンドはFMだけで他のモードは使えない。7MHzを聞いてみたがホイップでは感度が悪く実用にはならないもよう。

「VFO」は文字通りVFO。周波数変更は内側のツマミまたはテンキーからの入力。MHzキー+ツマミでの周波数の変更が可能。
「MR」はメモリー 周波数の呼び出し。最大で434チャンネルも登録可能とのこと。
登録もF+MRキーと簡単。メモリーは周波数ではなく名前を付けての登録も可能。
グループ 毎に50チャンネルずつ登録可能。
「CALL」はアマチュアバンドの呼び出し周波数を呼び出すためのもの。

「F」キーは単独では意味を持たず、これを押した後に押されたキーと組み合わせて機能が有効になる。

F+BANDでモード変更。F+A/Bでデュアル受信モード。F+FINEで周波数ステップの変更等々。

左側面に有るボタンは上がPTT、中が照明でライトはオレンジ色のバックライトで見やすい。
手を放しても5〜6秒は照明を続ける。下がスケルチ解除で押している間だけ解除機能が働く。

右側面は上がスピーカー端子(2.5φなので一般的でない)、MIC端子(3.5φ)、外部電源端子(充電用)。

アンテナはSMA型。

バッテリーの残量はF+LOWを押すと表示するが、普通の状態では表示しない。

その他にもVOXやトーンスケルチ、DCS(デジタルコードスケルチ)やDTMF等の機能が付いている。
私はあまり使う機会が無いと思われるが..

FMのナロー化に備えてワイドとナローの切替が可能。
そういえば1970年代のFMのナロー化の時代が懐かしいというか..あの時はナロー化していたら相手から変調が浅いと言われたっけ..

ATT(アッテネーター)機能も有り20dbの減衰が得られる。一寸したFOXハンティング等では重宝するだろう。

キーロックはFを長押しするとキーロック機能が働き、キー操作が出来なくなる。
送信禁止はMNUキーを押し、TX INHIBITを選んでMNUを押しツマミを回してONにしてから再度、MNUを押す。

解除の場合はTX INHIBITをOFFにしてからMNUを押す。送信禁止設定の時にPTTを押すと「TX INHIBIT」の 表示がされ、送信は出来なくなる。

パケット通信にも使用可能。
(外付けのTNCが必要らしい、個人的にはパケット通信を止めてから久しいし、やる気も無いけれど..)

なお、この受信機は最初からメモリーされているのはコールチャンネルくらいで他は無し。
アマチュアが無線以外に受信機としても使うというスタンスのようだ。
この辺りは受信マニア?を対象とはしていないようだ。
(VX-2なんかだと至れり尽くせりで最初からメモリーしてあるが、自分で必要な周波数をメモリーする手間は有るものの、私は後者の方が好みの設定が出来るので有り難い)したがって盗聴器の発見機能等は無い。

それにしてもFM放送帯の感度の悪さは改善して欲しいもの。
私のように新幹線で旅行する場合、FM放送くらいしか聞けない場合にFM放送帯の感度が悪くては使い物にならないので何とかしてほしい。
FMでもWFM(放送用)にすると感度が悪すぎる。
FMモードでは帯域が狭くてマトモに聞けないから使い物にならない。
気のせいかと思ったがカタログを見たら、IC-R5と比べて段違い。
(IC-R5は同バンドで-1dbμVに対してTH-F7は3.16μVと桁違いに感度が悪い)
SSBが受信出来るのは魅力だがFMとAMのラジオくらいマトモに聞ける仕様にしてほしかった。
中々、上手く行かないものだ。FM放送をメインに聞くなら他のリグをお勧めする。
無線以外に中波放送を聞くなら、これがお勧めだけど、やはり無線機と受信機の両立はこのクラスでは難しいのかもしれない。

受信性能でマトモなのは144/430MHzのアマチュアバンドと中波放送帯のみ。それ以外は期待しない方が良い。
オマケで付いているような物で、プリアンプ等の受信感度を上げる補助装置が必要なレベル。

なおSSBが聞けるとの事だが試しに7MHzあたりを聞いてみたが全然お話にならない。感度が悪すぎ。
自分で電波を出している時のモニターくらいしか使い途が無く、これでSSBを受信しようなんて思わない方が無難。

余談だがケースは底にスポンジのような物が入って上げ底になっている。そのため安定性が今一つ。

平成19年の9月、愛知県の方に売却。

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