会社に衛星通信のシステムが入ることになり、何かの役に立てばと思って取得。
電波新聞社で出している「特殊無線技士受験マニュアル」を買って過去の問題を勉強した。
試験は陸上の場合は学科のみで無線工学と法規の二科目のみで可。
「海上」の場合は「二級」以上は一分間50字の速度の和文の「送受話」の「実技試験」が有り、更に「一級海上」は「英会話」の試験も加わる。
これは一級が船長や水先案内人が必要とする資格のため、英会話が必須だからのようである。
同様に「航空」にも欧文通話表による送受信の実技試験が有るとのことである。
「国内電信」については電波法規と、一分間70字の速度の和文モールス符号による3分間の送受信の実技試験が有る。
(私は陸上以外は必要が無いため未受験)
※「和文の電話」の通信術の試験は平成13年からは廃止になりました。
操作可能な範囲は海上は原則として国内の海上(一級は国外でも可?=国際VHFが使用可能)、湖沼。
陸上は
国内の陸上。航空は国内の上空(自家用の航空機?)。国内電信は陸上自衛隊のみのもよう。電力については
1606.5KHz〜4MHz帯までの短波帯が10W以下。25MHz以上は50W以下。
マイクロ波帯は100W以下?
に限定。
(一級陸上の「多重」のみ500Wまで操作可,三級海上は25MHz帯以上の5Wまで可)
ヨット等に装備する無線は二級海上が有れば操作可だし、陸上であれば二級陸上で大抵の用が済む筈である。
学科試験は「一級陸上」以外は工学、法規とも12問ずつの合計24問で試験時間は1時間。工学、法規の問題は一緒に配られるので好きな方からやって良い。
各8問以上の正解で合格(60点以上)とのこと。
二級陸上特殊無線技士については過去の問題と全く同じ物が出題され、法規で1問間違えた。
合格率は8割程度とのこと。警察官やガードマン等が主として持っているそうである。
(50Wまでの無線電話と衛星通信,陸上レーダーの操作が可能,タクシー無線はこの下の3級で可)
もっとも私の近所のタクシーは業務用の簡易無線を使っているみたいだが..
これらは難しくてもアマチュア無線の四級に毛の生えた程度で、さほど難しくはない。
ただ一級海上だけは英会話が有るので英会話が苦手な人には厳しいかもしれない。
この資格は特別で、格上の四級海上無線通信士の資格でも国際VHFの運用は出来ず、三級海上無線通信士以上が必要。
(私も受験はしなかった)
一級陸上特殊無線技士については、ぐっとレベルが上がり、合格率は3割を切る程度とか?
こちらは工学が24問になり試験時間も3時間だったかな?合格点は70点以上とのこと。
試験内容はマイクロ波関係や多重無線通信、レーダー等の専門知識を必要としアマチュア無線の知識だけでは対応が困難。
特殊無線技士の中では最も難しい試験である。500Wまでの多重無線通信および二級陸上の範囲の操作が可能。
通常の特殊無線技士の操作可能な出力は概ね50Wなので、多重のみとはいえ,500Wは破格の待遇といえるだろう。
NTT,KDDI等の、主として電話関係の人とか放送局関係の人が多く取得しているそうである。
私は衛星通信の関係で二級陸上を取得したが、これだと50Wまでの子局しか操作出来ない為、一級陸上を取得した。
持っているだけで実務経験が無いので意味が無いが...
これらの特殊無線技士については通信関係の大学等で単位を取得すれば無試験で免許が貰えたり、講習会でも取得可能。
(一級陸上については受講するのに、高校の電気科卒業または電気通信科卒業以上の証明が必要とのことである)
参考までに特殊無線技士の免許ではアマチュア無線は出来ない。
受験に際しては電波新聞社刊の「特殊無線技士受験マニュアル」および電気通信振興会刊の「無線工学・陸上特殊無線技士
(第一級)用」、「無線従事者国試予想問題解答集・第一級陸上特殊無線技士」と一級陸上を除くを使用した。
現在はこれ以外にも東京電機大学発行の解説付き問題集も出ているので参考にして頂ければ幸い。
電波新聞社のは過去問題と解答が載っているが解説が無いため、内容について理解出来ない部分も有る。
電気通信振興会のは解説付きのため理解出来る。詳しく学ぶには工学や法規の講習会用の教科書も必要かと
思う。
(空中線関係が判らず一級陸上無線技術士・一級総合無線通信士用の無線工学の本も買ってみたが範囲が広く専門的であまり役に立たず、結局「電気通信振興会」の講習会用の教科書が最適であった)
一級陸上のレベルは高校卒程度で、無線工学は「概要」。
因みに無線資格の最高峰である1陸技(一級陸上無線技術士)のレベルは大学卒程度で、無線工学の「詳細」に対して、簡単な特殊無線技士の工学のレベルは「取り扱い」の方法程度で、「初歩」にも満たない。
アマチュアだと一級は「概要」、二級は「基礎」、3〜4級は「初歩」レベル。
平成11年3月末時点での有資格者数は一級海上20,500人,二級271,200人,三級99,500人,レーダー級は251,000人。
一級陸上129,200人,二級863,800人,三級210,900人,国内電信10,900人とのこと。
免許申請に際しては二級と三級陸上特殊無線技士は医師の診断書は不要だが、それ以外は診断書が必要。
(平成15年からは要求が有る場合を除き、全ての資格で診断書は原則として不要になった)
一級陸上特殊無線技士免許証 |
一級陸上特殊無線技士の教科書と問題集 |
法規の問題はJY−80A。
固定局の免許状に記載されない事項を解答するもの。
予め郵政大臣の許可を受けなくて良い場合を解答するもの。
30〜470MHz以下の周波数の多重通信のスプリアス強度の許容値を解答するもの。
周波数の許容偏差に関する虫食い問題。
高圧電気に関する規定(数値)を解答するもの。
陸上のレーダーで操作出来る範囲を解答するもの。
無線電話通信に関する呼び出しの方法を解答するもの。
無線局の運用の限界について。
無線従事者の免許が与えられないことが有る場合を解答するもの。
臨時検査が行われる場合の解答。
電波法に違反した場合の処分に関する虫食い問題。
免許人が住所を変更した場合の対応を解答するもの。
問題に関しては「電波受験界」誌にも載りますのでバックナンバー等については情報通信振興会に問い合わせて下さい。
(現在は「電波受験界」誌は休刊になっています)
無線従事者の国家試験と特殊無線技士の講習会・国家試験の問題については日本無線協会のホームページを参照して下さい。
その後、平成12年の4月に会社で仕事中、車の免許証と一緒に持ち歩いていたため一陸特の免許証を紛失してしまい再交付申請の手続きをした。
申請書は電気通信振興会(現在は情報通信振興会)で扱っているが、書き方の説明は付いてこない。
郵送で代金は送料込みで260円。切手で代用可だが、再交付の申請先が電気通信監理局(現在は総合通信局)の住所しか書いてなく担当課名が明記されていないため、一寸不親切。
再交付の手数料は2,100円で収入印紙を貼って納める。
写真は3×2.4cmが2枚必要。再交付された免許証は番号の最後に「再交付」を表す”−2”が付記される。
平成12年4月25日に再交付申請をして、5月13日に5月12日付けで再交付の免許証が届いた。
(再交付申請料については平成12年の時のものなので、変更になっている可能性が有ります。詳細は各自で問い合わせて下さい)