IC-703雑感

運転席と助手席の間に置いたIC-703の操作部

平成17年6月、それまで移動用にFT-847Mを使っていたが電源の関係や大きさの面で常時使用するのは難しかった。
そこで、せめて50MHzだけでも出られないかと検討した結果、これになったというわけ。

決め手になったのは消費電流が少ないこと。最高でも3Aというのはシガーライターから取っても問題無いレベル。
昨今のHF〜430MHzまでのリグは20W機(144/430MHz)でも10Aという大食らいが多く使い勝手が悪い。

それとアンテナチューナー内蔵、HF帯のモービルホイップの場合、バンド幅が狭く、調整をししておいても周波数をズラすとSWRが悪化する場合が多 く使いづらいがアンテナチューナー内蔵だと見かけ上のSWRが改善されリグに対する負荷も軽減できる。使ってみて気がついた点は

モード切替
私は時々、50MHzのAMにも出るのだがモードを切り替えて行くとFMしか無い。FMモード時にモードボタンを長押しするとAMに切り替わる。
(FMに戻す際は同様に長押し)個人的にはRTTYは必要ないのでCW/RTTYにする等してAMモードが表面に出るような仕様にして欲しかった。
(中波 のラジオを聞くのにAMモードが無いので取説を見るまで悩んでしまった)普段使わないモードは設定で省略することは可能だが、特定のモードだけ削除したり 活かすことは無理のようだ。RTTYやデータを削除してAM/FMを活かす等)

RFゲイン
今まで使っていたリグは時計方向に回しきると最大感度だったが、これは11時の位置が基準で、それ以降、右に回す分には感度は変わらない。
左に回すほど感度が下がるとのこと。何か違和感が有る。FM時にはスケルチと共用になる。
(初期設定はスケルチ設定のみでRFゲイン調整は出来ない。設定によってはモード毎にRFゲイン/スケルチが自動的に切り替わるとか、全部のモー ドでRFゲインとスケルチ操作が可能になる。通常はRFゲイン調整は不要だろうし必要なら-20dbのアッテネーターを入れれば済む話)
 
マイクの位置
パネルの下側にモジュラージャックで取り付けるがパネルを下に置くような取り付け方だとマイクのコネクターが邪魔になる。
パネルスペースにもよるので仕方無いかもしれないが出来れば表面にした方が取付に悩まずに済む。
(パネルを分離した場合は本体側にもモジュラージャックを接続する場所が有るので、そこから引き回すという手が無いでもないが回り込みの面で不利だと思う) 

セパレートケーブル
3.5mと5mしかない。一寸した分離に3.5mは長いので1.5mくらいが有るとスッキリして便利。  

IFシフト
パネルに図で表示されキャリアポイントに対してどちらにシフトするか判りやすい。  

DSP
未だ使ってみてない。モービルなのとIFシフトで用が足りる。7MHz等の混信の激しい所は出ないため効果の程は不明。  

メモリー
99chも有るが現状では50MHzのFMのメインchと中波放送のみメモリーしている。
一時的にメモリーしておけるメモパッド機能も5CH有って便利。
(DISPボタンを押してファンクションキーの機能を切り替える必要有り、設定で10chに拡張可能)・メモリースキャンやプログラムスキャン可。
 
アンテナチューナー
内蔵で便利。リレーで切替? のためカチカチ音が気になる。
動作しているという確認が出来て安心感は有るが...

受信音
昔のアイコムのPLL式はアナログVFOと違って連続可変ではなく音に違和感が有ったが、昨今のは自然になっているようだ。音質も外部スピーカーが必要かと思ったが、音にウルサイ人以外は問題ないと思う。  

マイク
アップダウンのボタンとロックのスイッチ付き。個人的にはデザインは好きではないが..
CWモードの時にアップ、ダウンのスイッチを使ってCWが打てるそうだ。私は試してみてないが..  

出力
私は10W設定のままで使っている。電圧によって自動的に5Wに低減するのと、設定で更に低減することも可能とのこと。
ただ出力計は設定に応じて最大値を表示するそうなので絶対値ではなく、判りづらいかも?
(10Wでも2.5Wでも設定に応じて同じ振れ方をするためローパワーにしていても気づかない)  

パネルのPHONE端子。
パネル裏側のスイッチでヘッドフォン(ステレオ)とスピーカー(モノラル)の切り替えが可能。
スピーカー仕様でステレオヘッドフォンを使用すると方耳しか聞こえず具合が悪い。しかもパネルの裏側でしか切り替えが出来ないため不便。あまり頻繁に使う機能ではないためヘッドフォン仕様にしておく方が無難か?
 

プリアンプ/アッテネーター
軽く一押しするとプリアンプ。長押しするとアッテネーターに切り替わる。
プリアンプ自体はそれほど利得が有るタイプではなさそうな気がする。(S7がONでS9になる程度)

消費電力が少ない。
13.8Vでも最大3Aと省エネ設計なのが良い。144や430MHzを含まないことを考えても電源に負担が少ないの は嬉しい。バッテリー運用等では重宝するだろう。  

フィルター増設可能
私は付けていないがCWフィルター等の狭帯域のフィルターが入れられる。しかし大きく、基板を外さないと付けられない等の難点が有るらしい。
 
バンドスコープ機能
使おうとして取説を見たが、今一つよく判らず。無くても困る機能ではないので使っていない。
有れば便利とは思うが取説を見なくても簡単に使える様でないと..  

ゼネカバ受信機
60MHzまでカバーする受信機機能。息抜きに中波のラジオを聞いたりNSBの短波放送を聞く等可能。  

高安定度TXCO
SSBやCWでは必要では無いかもしれないがRTTYやSSTV、FT8等、データ通信をやる際には重宝するだろう。
 
VFO
VFOのダイヤルは右端に重さ(回転時の重さというか操作感)を調整するレバーが付いており、好みの重さに調整できる。
VFOはAとBがボタンで瞬時に切り換え可能。 50とHF等、二つのバンドを瞬時に切り替え可能。
 
メーター
Sメーター、送信時はPO(出力表示)、ALC、SWRの4種類の切り換えが可能。  

AGC定数切り替え
コンテスト等の時に強力な信号の後でAGCの戻りが悪い場合にFASTに切り替えることが出来るため便利。

RIT
スイッチは小さい。ONの時は赤いLED(小さい)が点灯する。ツマミは下側のボリウムの内側のツマミ。
たまに使おうと思うと何処にツマミが有ったか忘れてマゴついてしまう。  

電源ケーブル
3ピンのコネクターだが2本(プラスとマイナス)しか使っていない。
(別売のバッテリーを使う場合に3ピン使う必要が有ると思われるが、通常の使用では+と-の2ピンのみで可)

電線の太さは1.25スケアと思われる。ヒューズはプラスとマイナス両方に1本ずつ入っており容量は4Aだった。
コネクター類は市販品では見当たらず、探したところ日本圧着端子製造(JST)というメーカーの品物らしいと判った。
ただ、秋葉原辺りでも扱っている店は少なさそう。

VLコネクターのプラグハウジング、VLP-03Vというのがケーブル側のコネクターと思われる。
現品をこのメーカーから取り寄せて試してみたらピッタリ。ただ、導体のコンタクトを頼むのを忘れたため接続出来ず。後日、別途注文した。
なおソケットコンタクト(メス)は1.25スケアまではSVF-42T-P2.0で、2スケアまでだとSVF-61T-P2.0になる。
それと電線保護用のリテーナ(VLS-03V)も必要かもしれない。コンタクトは30本の場合、バラバラではなく写真のように一巻?になっているので切り離して使う。電線はコネクター(ハウジング)の関係で2.0スケアまでが限度のようだ。

日本圧着端子製造(JST)では通販もやっている。ただしハウジングは10個単位から、コンタクトは30本単位からの扱いで、1個単位では買えないので注意が必要。それと個数や荷姿に関係なく、送料は700円(平成19年2月現在)掛かる。
代金は後日、郵便振り替えか銀行振り込みで行う。5千円以上の場合はカード支払いも可能とのこと。
詳細はJSTのホームページを参照して下さい。  
日本圧着端子製造のハウジング
日本圧着端子製造のコンタクト(メス)
自作した電源ケーブル(2.0スケア線)

1.25スケアよりも太い線が使いたくて2.0スケアの線で電源ケーブルを自作してみた。
ヒューズはカー用品店で入手した圧着型の平型のヒューズホルダー(これは売っている店が限られる)に5Aのヒュ ーズを使用し、バッテリーに接続する部分はクワ型の圧着端子(これもカー用品店で入手可)を使用している。

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