地上テジタルテレビ受信顛末記
最終更新:2008年9月24日


屋根の上に上げた日本アンテナの20素子


 


2007年の9月、地上デジタルテレビを見たくて色々と試行錯誤した結果です。

ことの始まりは今まで使っていたVHSのビデオデッキがダメになったこと。数年でアナログ放送が終わると判ってい
るので、今更アナログのVHSのビデオを買っても仕方ないのでVHS、ハードディスク250GB、DVDの3in1の物
で地上デジタルのチューナーを搭載した機種を買った。

この時点では地上デジタルについての知識も殆ど無く、映るどころか何処へアンテナを向ければ良いかさえ判らず。

その後、自分が普段見ているテレビを地上デジタル対応の液晶テレビに買い換えたのがキッカケで、とりあえず映
りそうな児玉の中継局向けにアンテナを上げてみるべくホームセンターで安い14素子のUHFアンテナ(地上デジタ
ル対応という、全周波数帯域のもので3,880円)を購入して仮設で軒下に上げて試してみたが、結果は全くダメ。

アナログのUHFはかろうじて映るものの、デジタルは信号が弱すぎるようでダメだった。建物の陰になったせいか
もしれないが、レベルが低すぎて全然ダメだった。

児玉の中継局方向ではアンテナが低いと家の陰になってダメそうなので、電波の来る方向の、家の反対側に立てて
みた。とりあえず映るものの、市内の家電量販店が言っていたようにNHKとテレ玉しか映らず。
高さは家の軒より高い3mくらいでは致し方ないかもしれないが...
(全部映るようになるのは平成20年末とのこと)


最初に上げた14素子のアンテナ(児玉中継局向け)

同軸はUHFだとVHFに比べてロスが気になるのでロスの少ない5C-FBを10m程度使用。
(5C-2Vに比べると10mで1db程度のロスの差しかないが、3C-2Vだともっと大きいはず)

この時点でのレベルはテレビで見る限り30くらいのレベル。45以上無いと厳しいそうなので、何とかギリギリとい
う感じ。その後、色々と調べてみたが東京タワー(出力10KW)に対して児玉の中継局はNHKが3W、テレ玉は
10Wと差が有りテレ玉は比較的良く映るがNHKは弱い。受信料を取っているのに民放よりも弱いとは話にならん。
電波が弱いのかと思ってマスプロの卓上ブースター(UT30BCという30dbタイプ)を買って付けてみたが、かえっ
て状態が悪くなってしまい、外した。(画面がモザイクになってしまった)

児玉の中継局は全部のチャンネルに対応するのは2007年中の対応は無理そうなのと、NHKも総合だけで教育
は映らないという有り様で面白くない。アナログをメインにしてデジタルは時々、NHKとテレ玉を見る生活ではイマイ
チ。

迷ったが、もう少し利得の有るアンテナにしてみようと思い、近所のホームセンターや家電量販店を見て回ったが
大体置いて有るのは14素子から20素子。中には素子が2段になったタイプ(1万円近くする)も有るが..

最初買ったのが二流メーカーの14素子で同軸もF型コネクターではなく直接接続するタイプなので、同軸の交換も
面倒。そこで次に買ったのが日本アンテナの20素子。接続はF型コネクターで接続し、組み立ても判りやすい。
同軸は今回は設置場所の関係で5C-FBを15mにした。アンテナメーカーとして有名なのはマスプロ、DXアンテナ
と日本アンテナ、それと社名が変わったらしいが八木アンテナくらいのものか? 近所で買えるのはマスプロ、DX
アンテナ、日本アンテナくらい。あとは、あまり有名じゃないメーカー..


前の家で上げていた日本アンテナの20エレ八木(高さは約5m)

テレビを見ながらアンテナの向きを調整するのは意外と大変。家族にテレビを見てもらいながら向きを変えるのも
大変なのでNETでアンテナチェッカーという電波の強さを見られる機械が有ると知り、早速注文。値段はメーカー
希望価格で3,980円くらい。送料込みで3,500円くらいで買えたので良かったが、近所(鴻巣市)の大型のホー
ムセンターでも売っていてガッカリ。


日本アンテナのアンテナチェッカー
単四電池を二本使用して電波の強さをランプ(LED)の数で表示する。

届いてからホームセンターで日本アンテナの20素子を4,880円で購入。本当は地デジ専用の物を買えば利得が
高くて良いのだが、この近辺では売っていない。通販で買うのも億劫で、全周波数帯の物を購入。

休みの日にアンテナの利得を見るために無線用の移動用ポール(6m高)に取り付け、日本アンテナのアンテナチ
ェッカーを接続してみたが全然電波が来ていない。

試しにブースターを接続してアンテナチェッカーでみたら電波は受信しているもよう。これならば何とか使えそうと思
い、アンテナを取り付けた後でアンテナチェッカーで最良点を調べ、方向を合わせた後でテレビに接続し、見ようと
思ったが受信出来ないと言う。そんな筈は無いと思って初期設定をし直したら映ったが、デジタルは一々設定をしな
ければならず面倒。

設定をして映るか確認したら全てのチャンネルが映った。
結論から言うと、この辺りで東京タワーに向けて見るには外部アンテナ(最低でも14素子、出来れば20素子以上
は必要かも?) それと最低でも20db以上の利得のブースターが必須なようだ。受信ブースターは屋外型でアンテ
ナの直下に付けるのが理想だが、同軸が長くなければ卓上型でも問題は少ないと思う。
(同軸が長いと電波自体が弱くなっていて雑音等の差が少なくなり、ブースターで増幅しても電波の質が悪くなって
結果的に映りが悪く、あまり改善されないためだが、減衰量の少ない同軸の場合には大差は無い)

室外から室内に同軸を引き込むのに、今までアナログの共聴アンテナで使っていた保安器(避雷器)を使ってと思
い接続したら何故か全然映らなくなってしまった。どうやら、この保安器は古い物なのでUHFには対応していないよ
うだ。仕方ないので中継コネクターで接続して室内の同軸と接続。


これは共聴アンテナ用の保安器
共聴アンテナで室内側の同軸を外したため抵抗を入れている。

児玉の中継局が全部のチャンネルに対応してくれれば、もう少し条件は良くなりそうだが、この場合はアンテナを
垂直にしなければならないし面倒。

前橋の中継局(榛名山)は向けてみなかったが、これだとテレ玉が映らないようで埼玉県民としては悩むところ。
出力はこちらの方が段違いに強いらしい(100W)が、アンテナの向きによっては児玉の中継局の影響を受けるら
しい。

とりあえずはレベルが50から60くらいまで上がって映るようになったが、ブースターが無いとダメ。
新幹線が通ると電波が遮られるようで全く見えなくなるのが難点。これは、アンテナを高く上げるか新幹線の影響を
受けない所にアンテナを立てて共聴にするしか無さそうだ。どちらにしても容易には行きそうもないが..

その後、受信ブースターを共用していると隣の部屋でブースターの電源を切ってしまうと映らなくなってしまうので分
配器の後に部屋毎にブースターを入れるように変更したら以前よりもレベルが下がってしまった。(10くらい低下)
原因としては分配器を通してしまったため、アンテナから来ている電波が半分の強さになってしまい、それをブース
ターで増幅しても思うようにS/N比(信号対雑音比)が上がらないのが原因と思われる。

やはりアンテナの根元で受信ブースターを入れて充分な強さに増幅してから分配するのが良さそう。
一旦、増幅した後の分配器のロスはさほど気にすることはなさそうだ。(二分配器の場合は半分だが、元のレベル
が60くらい有れば下がっても3dbなので、半分とはいってもdb(デシベル)では3dbの差なので30になることは無
い。(60が56とか57くらいになる感じ)

と、いうわけで屋外型というか日本アンテナのN-35Uというブースター(35db)に換えてみたが結果は殆ど変わら
ず。これは本体に利得の調整ボリウムが有るのに加え、利得が高すぎた場合に自動的に利得を下げる機能が有
ることも有るかもしれない。なおVHFも増幅はしないものの、混合して出力出来るようになっている。
(スイッチが付いていてVHFを混合する、しないの切り換えが可能)屋内に電源部が有るため、同軸の接続箇所が
増えるのは今一つなのと、分配器を使う場合は電源通過型を使用する必要が有るのが難点。

デッキも今までアナログでしか使っていなかったため、これも地上デジタルの受信設定をする必要が有って設定。
テレビとデッキのメーカーが異なるため、やり方が違って面倒なことこのうえない。

チャンネルもアナログと違って判りづらいのでリモコンのチャンネルはアナログと同じに設定を変えてしまった。

アナログのようにアンテナを接続してチャンネルさえ合わせれば映るのと違って、面倒くさい。
テレビやデッキを買い換える度に、こんな設定をしなければならないのかと思うとウンザリする。

自分の部屋のデッキはアナログなので地上デジタルにしたら当然ながら受信出来なくなってしまい、録画するには
デジタルのチューナーが付いているテレビの出力端子と接続して録画するか別途、地上デジタルに対応したチュー
ナーを接続するしかなくなってしまい弱っている。(結局、平成20年の夏に新規に追加購入)

当面はテレビの出力をそのまま録画するつもりだが、これだと裏番組の録画は出来ないし録画自体もアナログなの
で画質は劣ってしまう。それとテレビはデジタルだからデッキだけのためにチューナーを買うのもバカらしい。
値段も安い物でも18,800円くらいするので、考えてしまう。デッキをデジタル対応機に買い換えたら不要になって
しまう代物だし..



その後、同じ市内で引越しをした。結論からいうと見通しが良ければ、それほど高くアンテナを建てなくても映る。
(相変わらずブースターは必要だが)レベルは3分配器を使ってもテレビのレベル計で50以上は確保出来ており全
く問題の無いレベル。

その後、NHKの総合が時々モザイクになったり、酷いときには受信出来ない(画面に何も出ない)状態になることが
多々有って、今まで屋根の上に有ったアンテナを使っていないことも有り、思い切って交換することとした。
(アンテナを取り替える際に見たら受信ブースターの同軸のコネクターが緩んでいたので、もしかすると接触不良を
起こしていたのかもしれない)

NET上で工事業者を探したところ県内では3社が見つかり、それぞれに現状を説明して見積もりをメールで依頼。
その結果、1社は即日回答が有り無料アンテナ診断をやっているとのこと。

2社め(行田市)は住所だけで判断して電波が弱いので高性能のアンテナと高利得の受信ブースターが必要なため
6万円近く掛かるとの見積もりを貰った。これは現状が5m高くらいの所に20素子のアンテナと日本アンテナの35
dbの受信ブースター(NP35U)を使って問題無く映るので納得が行かず断りを入れた。

3社め(鴻巣市)はブログで各地のアンテナ工事のもようを紹介していて安心感が有り、出来れば頼みたかったの
だが回答が一番遅く、時期的に台風13号が到来する時期に重なったことも有って待ちきれず、最初の業者に依頼。

休日だと家の傍が駐車場の関係で工事車両が邪魔になる虞も有って平日にしてもらったが、夜勤明けで前日から
雨が降っていたので無理だろうと思って買い物をしてから帰宅したら既に電波状態の測定が終わっていた...

工事をするか聞かれたので雨が降っていて瓦が滑る虞もあるし、大丈夫かと尋ねたら出来ると言うのでお願いした。
二人で来てハシゴを掛けて屋根に上り今まで上がっていたアンテナを撤去。今まで地上デジタルに使っていたアン
テナを外して渡し、取り付けてもらうことにする。アンテナのマストの長さは今までは3mは有ったのだが今回は1.8
m程度と低くなってしまい大丈夫?と思ったが、受信ブースター(DXアンテナの35db程度)を使った結果は今までが
50くらいだったのに対して62くらいまで上がって良好な結果になった。

本当は受信ブースターも手持ちのを使ってもらおうかと思っていたのだが...位置も屋根の上かと思ったら下になっ
てしまった。(利得調整は手が届く所だから良いけど..)

結果が良かったので今回は良しとしましょう。参考までに来た業者は越谷の業者で、アンテナの撤去、取り付け工賃
と部品代(受信ブースター、同軸、支柱、支線等)の合計で46,200円の請求だった。(工事前に見積もりを提示し
て納得したので、やってもらった)


戸袋に取り付けた受信ブースター
DXアンテナのBU-352A
(UHFは33db、VHFは通過のみ)

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