FT-950(M)使用雑感

ヤエスのFT-950M

平成21年の7月に、30数年来の付き合いのハムショップで購入。

IC-736を手放してから間に合わせというか、アンテナが無いし聞ければ良いと割り切って買ったつもりのFT-450だが、やはり値段相応で造りが今一つ。
ダイヤルにしても小さくて操作しづらいし表示はモノトーンでメリハリが無いというか物足りない。

受信感度もプリアンプが付いてないので、もう少し感度が欲しい思っても本体だけではどうにもならず不満。

アンテナも一系統しか無いためHFと50で別々のアンテナを使いたい場合にはアンテナ切り換え器が必要となり不満。
そのようなわけで買い換えを検討。

候補に上がったのは950以外にはIC-7400、TS-480あたり。480はパネルが本体に固定できない?
車載の場合には取付場所を選ばず便利そうとは思うものの、持ち運ぶ際に一体にならないのは使いづらい。

IC-7400の評判も悪くはないものの移動局で申請となると50W改造をして保証認定による申請となり工事設計書の欄を記入するのに項目が多くて大変。
改造費用も安くは無い(7千円強)し保証認定料も3千円と、両方合わせると申請に掛かる費用が1万円強となって出費が気になる。

ショップではIC-756PRO3の新品を安くする(定価の半額くらい?)とはいうものの50W申請となるとIC-7400と同じ手順になるため面倒くさい。

FT-950も大きさとか機能を考えると勿体ない(ロクなアンテナが無いので)とは思ったものの、他に選択肢が無くて決定。

ショップで値段を聞いたらメーカーに聞かないと判らない(時期によって仕切り値が変わる?)とのことで、後日回答が有り他の店で見たりNETの店の価格よりも安かったので注文。
数日して休みの日に引き取り。購入価格は169,800円。

カタログデータから大きさは今まで使っているFT-736と同じくらいと判っていたが、置いてみると奥行きが少し大きかった。

電源を入れてみようと思ったら入らず、裏面に電源スイッチが有るのかと思ったら自分で付けた圧着端子の圧着が甘くて端子が取れていたという、何ともお粗末な話。(使い方の問題)

電源を入れて聞いてみた感じでは音は悪くなさそう。スピーカーも大きめのようで、以前使っていたIC-736と比べて違和感も無い。
 気になる感度だがIPOというボタンを押す度にプリアンプ1と、2、プリアンプ無し?に切り替わる。今までと違ってやはりプリアンプ有りは嬉しい。
バンド切り換えも順送りじゃないと変えられない450と違い、ボタン一発で変えられるのは便利。気持ち良い。

アンテナが二系統有ってパネルから切り換えられるのは便利。現在はHFや中波の受信用にロングワイヤー、50MHz用にV型のダイポールを付けているが、これらが瞬時にパネルで切り換えられるのは便利。

DSP機でオプションのフィルターが不要。ルーフィンフィルターで選択度が選べ、ナローにすると更に帯域が狭くなる。
これにDSPのWIDTHを併用すれば相当のナローまで対応出来ると思われ、CWでも帯域を最小まで絞ってしまうと殆ど聞こえなくなる。

不満というか使い勝手が今一つと思うのはCWモードでの電鍵のジャック。前面と背面の2箇所有るのだが、内蔵のエレキーを動作させるにはKEYERというボタンを押してONにしないと動作しないのだ。
知らないで使うと長点しか出ず、壊れているのかと勘違いしてしまう。

出力調整がメニューモードでしか出来ない。出力調整のツマミが無く、メニューから呼び出して変更しなければならず、頻繁に変更するような使い方をする人には使いづらい。
(普段は10Wくらいで使っていて、弱いと言われた時にフルパワーを出すような使い方をする場合)

50W機の場合、最小は5Wで設定は50Wまでは表示された数字とほぼ同じ出力だが、それ以上は数字を変えても50Wのまま固定されている。
この辺りは100W機に合わせた仕様なのかもしれない。(100W機なら100で100Wまでなると思われる)

中波の感度は今一つ。これは、こういう仕様(わざと感度を落としている?)ようでIPOを押して感度を上げることが出来ない。
そのため中波の感度は安物のトランジスターラジオにも劣る。(アッテネーターで感度を落とすことは可能)

周波数表示の字体が今一つ。好みの問題だが個人的には好きになれない。真ん中の横棒の字体が嫌。
各種状態の表示がゴチャゴチャしている。フィルターだとかアッテネーター、AGC等の状態表示が細々と有って離れた所から見ると判りづらい。
ツマミを小さくしてもツマミやスイッチの状態(位置)で判るような造りでも良かったのでは?

メーター表示が殺風景。受信時のメーター表示はアナログ世代の人間には馴染めない。
贅沢を言う人間はFT-2000やIC−756等を買えと言われそうだが、Sメーターと送信時に使うメーターの表示との間が開きすぎて間抜けに見える。ア ンテナ切り換えの状態がパネル表示でしか判らない。IC-736の場合はボタンの状態で1か2か一目で判ったものだが...

周波数表示がダイヤルの上よりも右にズレていて違和感が有る。
昔のリグに慣れ親しんだ人間にはダイヤルの上に均等に周波数表示が無いのは落ち着かない。
デザインの関係でこうなったのかもしれないが、個人的には好きになれない。慣れれば平気か?
メーターの切り換え(送信時)はボタンを押す毎に表示が変わるが、これも昔風のロータリースイッチじゃダメなのかなぁ?

とにかく「目で見る管理」とう観点から言えば、何でもパネルに表示というのはパネルが壊れた時の事を考えると信頼性の面で問題が有る気がしてならない。

ツマミが必要以上に大きい? マイクゲイン、スピード、モニター、スケルチ。こんなに大きい必要が有るのか? 
スケルチだって独立したツマミで有る必要は無いと思うが?

RX、TXの表示ランプ? LEDでメインとサブのVFOの状態を表示しているとのことだが、両方点いていると送信、受信の表示ランプと勘 違いして違和感というか落ち着かない。これはFT−920の時からのようだが..
もう少し別の方法も有るんじゃないか?FT-726の頃からの習慣で赤のランプが点いていると送信状態と勘違いして しまいそうになる。

一時メモリーが5ch分。これはFT-847もそうだし実用上、問題は無いと思うけどIC-736が10ch有ったのに比べると物足りない。

AC電源が内蔵されない。
固定機なんだから電源くらい内蔵にして欲しかった。重量が軽いから持ち運びは楽だけど...  

ツマミ類の質感。人によっては安っぽいという意見も有るが、個人的には問題無し。
金属系のツマミの方が高級感は有るが材質によっては径年変化で錆が浮いてきたりして汚く見えるので何とも言えない。

CWのゼロイン機能。初心者には便利な機能だと思う。
NBのレベル調整が可能。
ATU内蔵は移動運用などでは便利。

その他にもローテーターのコントロール機能とか便利な機能が有るが、使いこなしていない。

2020年の3月中旬、電源を入れようと思って電源ボタンを押したが入らず安定化電源の保護回路が作動し電源が入らない。
そのうち焦げ臭い臭いがしたので慌てて安定化電源のスイッチをOFF。
もしかするとコンデンサーか何かが短絡したのかもしれないが、とりあえずハムショップに持って行って修理を依頼した。

ヤエスも古い無線機は修理不能とのことで心配したが、この時点では修理可能なリストに入っていて一安心した。

2020年の4月初旬に修理が終わり、修理内容を見たらメインユニット内の13Vライン焼損とのこと。
メインユニットの基板を交換して再調整。修理代は基板が32,000円弱と技術料が15,000円、合計で47,000円弱、これに消費税10%が乗って52,000円弱。
修理不能と言われたらどうしよう(新しく買い換えるか?)等と悩んでしまった。
幸い基板交換で直ったので助かったが、オークション等では同じ機種が6万円くらいから有るようで修理するか迷うところではある。




焼損したメイン基板・黒焦げしている
部品が焼損している

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