コメットのHFホイップCHF-10

平成19年の10月末、一本のアンテナで10バンド(3.5〜50MHz)まで出られるのが魅力で買ってみた。

実際に使ってみた感想だが、思ったより使い勝手が悪い。

バンド変更はローレットネジを2カ所(ショートバーとタップ)緩め、タップは完全に外してから付け替えなければならず意外に再取付に手間取る。
(高い位置にアンテナを付けていると穴位置が判りづらいため)それとバンドが表示 されていないため、上とか下から順番に数えてバンドを探すか自分で目印を付ける必要が有る。

バンド変更に伴いエレメント長も調整しないとダメで面倒。
六角ボルトを付属のローレットネジに交換すれば調整は比較的、楽だがメーカーでは走行時はローレットネジは使用しないでくれとのこと。
当然ながら走行中はバンド変更は出来ない。上部のエレメントは工具無しで取付、取り外しが可能。

全長が1.8mと、この手のアンテナとしては短め? なのでローバンドは短縮率が高く、効率は悪い。
そのためローパワーでローバンドは電波は出るものの、飛びは期待しない方が無難。
10Wで7MHzのSSBに出てRS57くらいで聞こえる局を呼んでみたが応答は無かった。

ダイヤモンドのマグネットアースと併用して、SWRはIC-703の内蔵SWR計で見た感じでは7/14は比較的SWRは下がったが、18MHzだけは同調点が上にズレていて調整しきれず。
21から上は比較的問題は無さそう。
ただし50MHzだけはマグネットアースを使用した場合にアース線が長いとSWRが思うように下がらないので注意が必要。SWR計だけでは共振点を見つけるのが難しく、調整にはSWRアナライザが有ると便利。

移動運用等でバンドを変えながらの運用にはバンド数が多くて重宝するかもしれないが、モービルホイップとしての使い勝手はお世辞にも良いとは言えない。
ATUとの組み合わせでは使えるだろうが、無調整となるとローバンドは帯域も狭そうだし、あまりお勧めはしない。

アースもマグネットアースとは、あまり相性が良くないかも?
(ベースローディングのように基台に近い部分にコイルが入っていると影響を受けやすい気がする)

これだったらマルチバンドのホイップの方が使い勝手は、はるかに良い。
(バンド毎に一度調整すれば、そのままでokだし瞬時にバンド変更も可)
重量もそれほど軽い訳ではないし、多バンドに出られるという以外にメリットは無い。

屋根に付けてだと調整が大変なのでボンネットにマグネット基台(同軸は5D-FBを4m)とダイヤモンドのマグネットアース(アース線は約30cm)を付けてSWRアナライザ(クラニシのBR200)で調整してみた感じでは以下のとおり。
各自の使用条件によって差が出ると思われるので参考程度にしかなりませんが..

3.5MHz 調整不可。
3.8MHz エレメント長1.065mでSWR1.1〜1.5。
7MHz 1.04m 7.07MHzに同調した状態で1.3くらい。帯域は調べず。
10MHz 最低に縮めた状態で同調。これも普段出ないバンドのため帯域は調べず。
14MHz 1.065m 14.17MHzに同調した状態でバンド幅はSWR1.9〜1.7程度。(14.01〜14.34MHz)
18MHz 調整不能。長さが足りない。
21MHz 1.11m 21.3MHzに同調した状態で1.4〜1.2程度。(21.01〜21.44MHz)
24MHz 1.05m 24.9MHzに同調した状態で1.2程度。(バンドが狭いため問題なし)
28MHz 1.16m 28.5MHzに同調した状態で1.2程度。
29MHz 1.13m 29MHzに同調した状態で帯域は1.9〜1.5程度。(28.01MHz〜29.68MHz)
50MHz 寸法は測らず。アース線の長さが長いとSWRが2くらいと高くなるので要注意。
試しにダイヤモンドのCR6(全長約1.3m)というホイップで確認したら同調点は52MHzくらいになったがバンド内では実用になるレベルだった。
個人的には50MHzに出るだけなら他のアンテナの方が調整やSWRの点で良い気がする。

中央のローレットネジ2箇所を緩めてバンドを変更する。
左側がショートバー?、右側がタップ。
7MHzに合わせた状態
(上部のエレメントは写っていない)

無線に戻る

最初に戻る