HV-4に自作エレメントを追加  

最終更新 2012.04.16

ダイヤモンドアンテナのマルチバンド対応ホイップの旧型、HV-4を愛用しているが、これのエレメントはトラップコイルということも有るが、短縮率が高く効率が悪そう。

そこでモノバンドでの効率向上を狙ってエレメントを自作してみた。ただしトラップコイルではないので他のエレメントを同時に接続した場合に当該バンド以外では電気的に共振しないため共用は不可。同じような構造のサガ電子のホイップでも出来るかもしれない。

まずは28MHz。
これは波長も比較的短いことからアルミパイプをそのまま付けることを検討。しかし1mのパイブでは少し長さが足りなかった。29MHz帯なら何とか使えるかもしれないが..

HV-4はエレメントを接続するのに5ミリのネジを使っているためエレメント側に5ミリのネジが有れば簡単に接続が可能。
ところがアルミパイプに5ミリのネジを接続するのに上手い方法が見つからない。

ネジ込みでない場合は4ミリの太さのアルミパイプを買って、これをネジ穴に差し込む。
(アルミパイプは物によって肉厚が異なるため内径を確認してから買わないとネジ穴が合わない可能性が有るのと、中には先端に太さを区別するための色塗りがされている場合が有るので、こういう場合は削る等して落とさないと接触不良を起こすので注意が必要)

接触抵抗が心配だが接続部分にアルミテープ等の導電性のテープを巻き付ける等で改善されるだろう。
次に考えたのはホームセンターで見つけた異径のネジ。5ミリのオスネジを4ミリのオスネジに変換するもの。
(下の写真を参照)
これの5ミリのネジをHV-4にねじ込み、反対側の4ミリのネジ側にに5ミリのアルミパイプ(銅や真鍮も有るが、アルミが軽い)を差し込み、圧着工具でカシメる。
圧着工具はギボシ端子等を圧着するタイプの方がシッカリと圧着できるだろう。
(圧着痕が()の形状になる物よりも凹になるタイプ)

後はSWRを調整してやれば良い。ホームセンター等で一般に売られている物は1m物なので、少し(といっても10cmくらいか?)延長すれば良いはず。
ほぼフルサイズ(厳密には144MHzが5/8λなのでマッチング用に1/8λのコイルが入っているはず)になる。
帯域も広く効率も上がる。

最終的には上部エレメントも5ミリ径の物を使い、5ミリの高ナットと両切りボルトを組み合わせてコイルと取り付け及び取り外しが可能にした。
作り方としては塩ビのパイプとキャップを2個用意。
(太さは自分の好きな物で可だが、あまり細いとネジを入れにくく逆に太いと重くなる)

塩ビのキャップの穴開けは半田コテで熱して開けるのが楽。キリを使うと意外に力が必要だったり、上手く中心に開けられなかったりする。
エレメントとコイルの接続部分は両切りナットにアルミテープ等を巻いてガタを無くした状態で圧着工具等でカシメる。
両切りボルトに高ナットをねじ込む。(高ナットを先に付けておいてからの方が良いかもしれない)

コイルは塩ビパイプに巻き付け、両端はそれぞれ5ミリ径の圧着端子で圧着し、それを5ミリのボルトに通してネジ留め。
ボルトの先端は5ミリ程度の長さにする。
(HV4のエレメント及び上部エレメントの高ナットにねじ込むのに必要な長さ)

コイルの線材はビニール被覆の電線が良いだろう。裸銅線は絶縁するか間隔を開けて巻く必要有り。
私はインターホン用の単線の0.8ミリの被覆軟銅線を密巻きで使用したが、線の太さはもっと細い物でも大丈夫だろう。

調整はリグエキスパートジャパンのSWRアナライザ AA-30を使用したが、最悪はSWR計だけでも可かもしれない。ただしSWR計だけだと極端に周波数がズレている場合に、共振周波数が上なのか下なのか判らないのでアナライザが有ると重宝する。
線材はコイルにすると長めにしないと周波数が上の方にズレてしまうので、少し長めに作って切り詰めて行くのが良いだろう。


18MHz
こちらは同じようにアルミパイプを使うとしても1m物では波長が約4mに対して半分にしかならない。そこで延長コイルを作る必要が有る。
簡単に作る方法として塩ビのパイプを使うことにした。最も細い物で13ミリ径。(外径は約18ミリ)これとキャップを2個使う。
キャップはエレメントの接続のために5ミリネジ(HV-4と接続)と4ミリネジ(5ミリ径のアルミパイプと接続)をそれぞれ使う。
長さは15ミリくらい有れば足りると思う。

作り方としてはキャップの中心に穴を開け(ドリルが良いが無ければハンダゴテで溶かして開けるのが楽)そこにネジとコイルの先端を共締め。
コイルに使う線材は何でも良いと思う。私は手持ちのベル線(8ミリの被覆付き軟銅線)を使った。
コイルの巻き方は特にないがキャップを避けて塩ビパイプに巻くのが良いだろう。
巻き終えて調整が終ったらビニールテープでも巻いておけば良い。ただビニールテープ等を巻くと周波数が下がる傾向に有るみたいなので注意。
実効長は2mくらいになり、短縮率で50バーセントくらいとなり、付属のオマケのようなコイルに比べればかなりの効率アップが期待できる。


24MHz
これも作り方は同じ。アルミパイプの長さは同じなのでコイルの長さが変わってくるだけ。HV-4には24MHzのコイルが無いため自作してみた。
他のバンドも基本的に同じ考え方でできる筈。コイルとネジの接続部分は圧着端子(線材1.25ミリ径×4ミリ穴及び1.25ミリ径×4ミリ穴用の2種)とネジは4ミリ及び5ミリ。ナベ小ねじかトラスが良いだろう。
サラ小ネジはネジ込むのに密着しないため不向き。
ワッシャーはバネ座等、緩み止めには有った方が良いと思う。ネジはステンレスが錆びにくいので良いだろう。 

コイルの下側・5ミリのネジでねじ込み
ナットはネジを固定するのとHV-4にコイルを
密着させる際のストッパーの意味もある。
写真の塩ビパイプは13ミリ径。
コイルの上側とエレメント・4ミリネジを使用。
コイルの末端は圧着端子で共締めしている。
アルミパイプは4ミリネジに圧着工具でカシメ。
最新型は、この部分は5ミリ径のアルミパイプと高ナット、両切りボルトの組合せで接続。
異径ネジ・上が4ミリ、下が5ミリ。400円くらい。
材質は真鍮で電気特性も悪くないと思われる。
上にアルミパイプを付け、下をHV-4にねじ込む

コイルとエレメントの接続部分は下から4ミリのネジを入れ、上は4ミリの高ナット(パソコンの基板を取り付けるオス-メスの物が良い)を使えば上部のエレメント交換が容易かもしれない。
最終的に4ミリ径のアルミパイプでは強度が弱く曲がってしまうため5ミリ径にした。
アルミパイプの長さも2m物が手に入れば短縮率が下がって効率が良くなるのだが、近所のホームセンターでは1m物しかないため、こういう形になった。
アルミパイプも店によっては肉厚の厚い物が有り、これだと内径が同じでも外径は当然太くなる。そのため肉厚の薄い物が外径6ミリとしたら太い物は外径が7ミリとなって重量も増すので、上のエレメント用にサイズを細くしてネジも5ミリではなく4ミリにする等の工夫が必要と思われる。

5ミリの高ナットと両切りボルトを使ったのはホームセンターで買う際に4ミリ用の高ナットの反対側がボルトになっているような物が置いてなく、仕方ないので、こういう組合せにしたもの。

運用結果はあまり試してみていないが18MHzあたりは気持ち、飛びが良くなった気がする。
後は7MHzのアンテナをどうするか試行錯誤しているところ。
 

自作したコイル(左から18/21/24/28MHz用)
コイルは長さで大体のバンドが判るが色分けしている


自作した28MHzエレメント
1m物では短いため13Φの塩ビパイプを使いエレメントを延長している
(中間に有るのがネジの変換を兼ねた延長部分)
全長が2mを超えるので走行したり風の強い日は使用不可

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