50MHz スクエアローアンテナの自作
2010年8月作成・Copyright(C) ji1jci


自作した50MHzのスクエアローアンテナ
右側が給電部
寸法の関係でキレイな正方形にならなかった

移動運用で普段はミズホの伸縮型のダイポールを使っているが、サイドになっていると回さねばならず車で伸縮ポールを踏んでいると降りて回さね
ばならず面倒くさい。かといってホイップ等の垂直系のアンテナは偏波面の違いで信号が弱くなってしまい具合が悪い。水平偏波で無指向性に近い
物としてはスクエアローかターンスタイルだが、ターンスタイルはダイポールを2本直交した物なので場所を取るのと移動運用で使うには持ち運びを
工夫しないと難が有る。マッチングに75Ω系の同軸が必要?

スクエアローは基本的には半波長ダイポールを折り曲げて四角形にした物。帯域は広くはないがコンパクト(一辺が約75cm)でほぼ無指向性、アン
テナを回すのが億劫という私のようなモノグサな人間向きのアンテナです。

参考までに某社の1/2λのノンラジアルホイップの利得は2.16dbiと書かれており、利得が有るかのように思われるがダイポール比では0なので
注意。(ダイポールもdbiで見ると2.16dbiになり、1/4λのホイップと比べれば利得が有るものの、ダイポールと比べれば無意味)

スクエアローは昔、タニーというメーカー製の物がトヨムラで発売されていたが共振周波数が高くAMやSSBで使うには向かなかった記憶が有る。
少し前までならラディックスで移動用にスクエアローが発売されていたようだが、今は入手が困難なので仕方無く作ることにしたが資料が少なく苦
労した。

このアンテナの寸法は私が作った結果で、材料その他によっては再現性がなく大幅な調整が必要な可能性も有ります。
動作その他を完全に保証する物では有りませんので、参考程度にして下さい。作成に関して寸法等はJA1HWO 菊地OMのHPを参考にしました。

スクエアローアンテナは利得もダイポールと比べると若干ながら劣るそうですし、帯域も狭いのでCWからFMまで調整無しで出ることは難しいという
条件つきです。しかしながら水平偏波で、ほぼ無指向性、コンパクトとなると他には選択肢は無いかも?
(最近ではスーパーラドアンテナという選択肢も有りだが..)

CQ誌の別冊「ベランダ・バルコニアンテナ専科」にも載っているが、寸法等に関しては詳細な記述が無く、説明もアッサリしていて判りづらい。
マッチングはガンママッチとヘアピンマッチが載っているが、ヘアピンマッチと比べガンママッチは寸法等の記載も少なく判りづらい。
正直いって、このアンテナを作るだけの為に買う本ではないと思いますので、お勧めはしません。
(他のバンドの他のアンテナを作る際には役には立つが、このアンテナを作るにはあまり役には立たないということ)

昔の「ラジオの製作」誌に載った自作アンテナをまとめた本も有る(1992年発行)ので、そういう物が閲覧出来れば、そちらの方が初心者向きかもし
れないと思ったが、これはマッチングがガンママッチなので初心者にはハードルが高いかもしれない。

材料はホームセンターで購入できた物ばかりですが、地方等で大型の店舗が無いと入手が難しい物が有るかもしれません。

エレメントはアルミ板(巾約10ミリ、厚さ2ミリ、長さ2メートル)アルミ板の2メートル物は置いて無い所が有るかもしれません。
私が買ったのは上尾市のセキチューと行田市の島忠ホームセンター。他にも探せば有ると思うし、太さを気にしなければアルミパイプの12ミリか13
ミリ径程度が置いて有る所も有る。(12ミリや13ミリ径のアルミパイプはアルミ板よりも高いし、勿体ない気がする)値段はアルミ板の2メートル物で4
30円。1メートル物は210円だった。東松山のビバホームには6ミリ径、9ミリ径等の2m物のパイプも有った。1m長の物だと継ぎ接ぎになってしま
うため、ネジ留めあるいはリベット等で接合する必要が有るが、逆に考えればその部分が容易に分解できる構造にしておけば持ち運びがしやすくな
るというメリットも有るので、ものは考えようかも?

ブームは入手しやすい塩ビのパイプ(16ミリ径か20ミリ径)の1メートル物。エレメントを750ミリにする場合は、それに合わせてブームを切る必要
が有る。(私のようにブームの両端にエレメントを配する場合)

エレメントの取り付けは塩ビのパイプの両端にキャップを被せ、そのキャップの中心に穴(4ミリまたは5ミリ)を開けて絶縁体になるプラスチック等の板をネジ留め。(ネジは出来ればプラスチック等の絶縁されている物が影響を受けにくいと思われる)アクリルやプラスチックの板がなければ木の板
でも可と思われる。ただし木だと雨天時は水を吸って絶縁が悪くなるのでSWRが悪化する虞が有るかもしれない。それと使用する木の材質によって
は柔らかいためネジを締めると木にめり込んでしまう場合が有るので注意が必要。

給電部はエレメントの間隔が30ミリ程度。マッチングはヘアピンとし、銅線等で長さは約160ミリ。これを巾30ミリ、長さを65ミリ程度のUの字(コの
字)に曲げてエレメントを短絡させる形で取り付ける。同軸はバラン代わりのトロイダルコア(FT-50-43を3個)を同軸に通す関係で3D- 2Vを使用。
(5Dだと太くて通らないため)ヘアピンは銅線(単線)かアルミ線でも良いと思います。さすがに針金は錆びるし向かないと思うが..

トロイダルコアはトヨムラでアミドンのを扱っているが3個で千円。静岡の大進無線で1個200円だったか?、秋葉原の斉藤電気商会(東京ラジオデ
パート3F)では一個170円くらいだった。バランを作るにはFT-50-43は小さい気がする。(線を巻くのが巻きづらい)バランを自作するのなら一回
り大きなサイズの43タイプ(FT-82-43等)を選ぶのが良いだろう。

同軸は外皮を剥いて芯線と網線に分けて直接(圧着端子に圧着)エレメントとヘアピンにネジ留めして給電している。この部分の長さでエレメント長も
変わってくるが、私の場合は約5cm。コネクター(M型の座やBNC等)を付けて給電すれば任意長の同軸をそのまま接続出来るので便利かもしれな
い。

同軸の長さは任意長で構わないと思うが、私の場合は延長で同軸をつなぐ都合上、半波長の長さ×短縮率の0.67の長さで約2mにして、コネクタ
ーはM型のジャックにして引き出している。
(普通にMPにして中継コネクターを入れる方法も有るがコネクターを少なく出来るので)なおFB系の同軸を使う場合は短縮率が0.8になるので要注
意。

マストクランプはテレビアンテナ用が安く買える(2〜300円くらい、メーカーは日本アンテナとかミニー等、テレビアンテナの部材が置いて有る所に有
ると思う)塩ビのパイプに穴を開ける必要が有り、5ミリ径程度のドリルが必要かも? (日本アンテナに比べるとミニーの方がボルトが細い)慎重に寸
法を測って穴開けをしないとクランプがキチンと入らないので注意。穴開けが面倒という人向けにはデベグラス工研でデベマウントというマストクラプを
出しているので、そういうのを使う手も有る。テレビ用の金具だとマスト径が25Φ用なので、それ以上の太さのマストに付ける場合はマストクランプ等
を使った方が良いだろう。

エレメントの平行はパイプの両端に付けたキャップを回すことで対応出来るので気にしなくて良い。

エレメントの長さは基本的に375ミリの所で曲げ、次に水平部が750ミリ、残りも375ミリと言いたいところだが実際に組み立てて調整してみると水
平部の750ミリはそのままで良いが、375ミリの部分はもう少し短くても良いかもしれない。長めにしてしまうと調整でエレメントを切り詰めた際にキ
レイな正方形にならず、長い方のエレメントが平行にならない。気になる人は375ミリを10〜20ミリ程度短めにしておいた方が良いかもしれない。
エレメントはコの字型に曲げた物を2本作って使う。350ミリ+750ミリ+350ミリ(要調整)くらいが良いだろうか?(同軸の接続部分の長さもエレメ
ントの長さに含まれるので要注意)基本的には1.5m程度の長さで作ってから切り詰めるのが良いだろう。

調整は給電部とは反対側のエレメントを切り詰めて調整するが、金鋸で切るのが億劫ならペンチ等で何回か折り曲げると簡単に折れる。
ただし切断した跡はキレイにならないのでヤスリで断面を整える必要がある。

SWRはヘアピンの長さで調整する。基本はコの字の長い部分(平行になっている部分)は65ミリ程度だが、これを短くして調整するそうだ。圧着端子
にハンダ付け等しておけば調整が容易かもしれない。圧着してしまうと、切って圧着し直さなければならず、切りすぎた場合は作り直しになる。

帯域はダイポールに比べると狭く、あまり取れないので自分が普段運用する周波数帯で調整するのが良いだろう。給電部の反対側を近付けすぎる
とマッチングが取りづらい(SWRが下がらない)かもしれない。

私の場合は50.2辺りを目標にしたのだが結果的に50.3くらいになってしまったが、実用上は問題無いので、そのままにした。

SWRアナライザ(クラニシのBR-200)で測定した結果、50.1MHzで1.25くらい。50.3MHzが中心で1.1、50.5MHzで1.35程度。
SSBで出る分には何とか実用に耐えそう。SWRは周囲の影響や測定方法(アンテナの直近にSWR計を入れて測る場合と長い同軸を入れて測る
等の違い)で変化するため、一概には良い悪いは言えない。1.5以下なら精神衛生上は問題無いと思います。参考までに6m高の移動用の伸縮ポ
ールをタイヤベースで踏んだ状態で10m程度の同軸を接続して10W送信し、リグ内蔵のSWR計で測った状態では50.8MHzくらいまでは1.5以
下と良好な値を示した。アンテナの直近ではもっと高い値になると思うが実用的には問題は無いものと思う。

エレメントのアルミ板は巾の広い方を水平にすると垂れ下がってしまうのと曲げづらいので、巾の狭い方が垂直方向になるように(縦)曲げている。
受風面積を考えると逆の方が良いかもしれないが、そうすると曲げるのが困難になる。

エレメントの終端部分(給電部の反対側)の間隔を狭くすると周波数が下がり、広げると周波数が上がった。どういう原理なのかは不勉強で判らない
が、周波数が低すぎる場合には間隔を広げて共振周波数を多少上げることも可能。エレメントの固定方法は私の場合、ネジ留めしたがインシュロッ
ク(登録商標・通常の呼び名はビニタイ等)等の絶縁物のバンドで留めたりビニールテープで巻いて留める等しても良いかもしれない。
間隔は最終的に10cm程度になった。

人によってはエレメントはアルミ線(園芸用等)を使う人もいるようだが、銅線でも構わないだろう。入手しやすくて、加工や調整のしやすい方法で試し
てみてください。アルミに比べると銅線等は重量の点で重くなるのと錆やすいのが難点だが...

ブームも塩ビを使ったがアルミパイプでも構わないと思います。要はエレメントがブームと電気的に絶縁されていれば良い話なので。

ネジ類はM4の長さ10〜15ミリを使用したが、この辺りは手持ちの物でM3〜M5くらいなら問題無いだろう。ナベ小ネジでもサラ小ネジでも入手し
やすい好きな物を使えば良いと思う。欲をいえばステンレスの方が錆に強くて良く、同軸の線(給電部)は圧着端子を圧着してネジ留めしている。
芯線側は細いので1.25-4(ネジ径)か5、網線は2-4か5を使用した。ハンダ付けするなら線の太さは気にしなくても良いかもしれないが、圧着の場
合は使用する線材よりも圧着端子の線材部分の径が太すぎると圧着不足で抜ける虞が有るので注意が必要。

塩ビパイプの終端はキャップを被せている。強度を考えなければ椅子のゴム足等でも流用は可能かも?
同軸にはバラン代わりにトロイダルコアFT-50-43を3個入れている。(コモンモード対策にもなるのか?)
※黒のビニールテープが2箇所巻かれている中間部分にトロイダルコアが入っている。JA1HWO 菊地OMの説明ではパッチンコアでもokとのこと
だが確かめていない。

同軸は3D-2Vを使ったが3D-FB系でも可。SWRを気にする場合は半波長×短縮率(D系の場合は0.67、FB系の場合は0.8になるので注意)
エレメントの絶縁はプラスチック系の樹脂の板を使っているが木材でも可能かも?。(雨天時はSWRの悪化の虞有り)

このアンテナは移動用で簡易的に使用することを目的に作成したため強度や防水について考慮されていません。固定で常時使用を考える場合には
使用する部材(エレメントの取り付けの絶縁体)等の強度及び防水に対して対策する必要が有ります。
 
給電部分・エレメントの間隔は約30ミリ。
ヘアピンは1.6ミリのIV線(VVFケーブルの芯線)を使用。
圧着端子に圧着しているがハンダ付けの方が調整は容易
末端部分(給電部とは逆)間隔を広げた方が周波数が高くなる?
結果的に10cm(100mm)くらいになった。

 
給電部の様子(ヘアピンは旧作のため銅線)
給電部の様子、こちらの方が見やすいかも?・最初の作
使用したアルミ板(これは島忠ホームセンターで買ったもの)
写真の物は12ミリ巾の物だが店によっては10ミリ物も有り
スクエアローアンテナの遠景

実際に運用した結果は、それなりの飛びのようで実用には耐えそうです。
SSBのみですが10wで羽生市の利根川の土手の上から運用した限りでは送信と受信に大差は無いようですし、比企郡ときがわ町の堂平山から運
用した結果も50wですが長野県の大町市移動や京都府綾部市の移動局とも交信出来ています。聞こえる範囲は何とか出来るようです。
他のアンテナと比べた訳ではないので正確な比較は出来ませんが、相手が水平偏波なら少なくともホイップよりはマシだと思います。

エレメントに2m物のアルミ板が入手できずに1m物を継ぎ接ぎして、もう一本作ってみたが同じような寸法では同じような傾向(SWR分布)になった。

無線に戻る

最初に戻る