明日の相模湖  NO.883  2022/10 
    
   10月から社会保障も負担増
     
75歳医療費2割負担・紹介状なし受診値上げ

  10月1日から社会保障に関する制度改定が行われました。中身を見ると、コロナ禍のもとでも国民負担増・給付削減をなりふり構わず進める岸田政権の姿勢が鮮明に見えます。
 75歳以上で一定の所得がある高齢者の医療費の窓口負担が1割から2割に。「現役並み所得」の人はすでに3割負担になっています。2割負担の対象者は全体の約2割にあたる約370万人にのぼります。
 政府は2割負担対象者は「負担能力がある」などと言って負担増を正当化してきましたが、実際は受診控えが起きて給付費削減ができると見込んでいました。今後、受診控えで病気が重症化する事態が危惧されています。
 「父は91歳でこれまで骨折で3回入院しているので大変不安だ」「健康を守るため努力している。これ以上高齢者いじめはやめてほしい」。2割負担化の中止を求める全国保険医団体連合会(保団連)の取り組みに、多くの切実な声が集まっているとのことです。
   紹介状なし7千円以上に
 10月からは、紹介状なしで大・中規模病院を受診した患者に支払わせる窓口負担(1~3割)とは別の追加負担金も引き上げ。初診時は現行の「5千円以上」から「7千円以上」になります。
 マイナンバーカードを健康保険証代わりに使える新制度をめぐって、導入施設で従来の保険証を使う患者の窓口負担の方を割高にします。3割負担の場合で初診時にカード利用者の負担増は6円に抑える一方、保険証利用者は12円の負担増とすることでカードの取得を促す狙いです。
 子育て関連では、中学生以下の子どもがいる世帯に対する児童手当制度の「特例給付」(子ども1人につき月5千円)の対象をせばめます。現状でも少なすぎる子育て支援の現金給付を削るのは、少子化対策に逆行するものです。
 一方で、短時間労働者の厚生年金の適用範囲を広げ勤務先の従業員数を「501人以上」から「101人以上」に下げます。週の所定労働時間が20時間以上で月額賃金8万8千円以上の人が対象で、勤務期間の要件は2カ月超に緩和します。
 重い保険料負担の解決や低賃金・低年金の引き上げ、経営が苦しい中小零細企業の保険料負担の減免など課題が山積です。

   自然観察シリーズ NO.552 植物 キノコ カエンタケ(火炎茸)

 最近各地の林や森や公園でカエンタケなるキノコの一種が見つかって話題になっています。
 このキノコは色が真赤で地面から指のような形で生えています。情報によると猛毒で触れただけでも皮膚に炎症を起こす恐れがあるということです。
 私共も8月下旬、山梨・本栖湖畔の山林を歩いている時、偶然この赤いキノコを見つけました。帰りがけに湖畔のキャンプ場の管理人の男性に話したら、その人はすでにそのキノコの事は認識していて「このあたりはにはけっこう見つかっていますよ。このキノコはナラ枯れ病で虫に喰われた木から出た木くずが積もった地面に発生するんです」と、教えてもらいました。なるほど、だから今年ナラ枯れ病が広がってから今まで、割と珍しいカエンタケというキノコが全国で見つかっているんだと納得しました。本栖湖畔の山林ではミズナラがずいぶんナラ枯れになっていました。 

     相模ダム建設と殉職者の歴史を学ぶ学習会
 9月16日、日本中国友好協会相模原支部の主催で標記の学習会が行われました。
 第一部は「相模ダム建設史と追悼会」に関する講演会で、講師は「相模湖・ダムの歴史を記録する会」の橋本登志子さん。ダム建設の背景や過酷な労働条件の中で殉職された方々
(日本人だけでなく強制的に連れてこられた中国・韓国・朝鮮の方々)の状況などについてプロジェクターを使いながら詳しく講演。
 第二部はダムや慰霊碑、湖銘碑などを見学し、理解を深めました。