物価高なのに年金引き下げ
1月21日、厚生労働省は2022年度の公的年金額を0・4%引き下げると発表しました。2年連続の年金カットです。
岸田政権は、75歳以上の医療費窓口負担の2倍化も10月から実施する構えです。介護保険料引き上げも繰り返されています。生活実態を踏まえずに、年金削減と負担増を強いることは許されません。
毎年改定される年金額は、物価と賃金の動向で増減が決まります。今回は、物価の変動率(21年平均)はマイナス0・2%、賃金の変動率(18~20年度)はマイナス0・4%でした。物価よりも賃金の変動率のマイナス幅が大きい場合は、賃金の変動率を年金改定率にするルールのため、0・4%の減額となりました。
しかし、直近の物価は原油高や円安によって値上がりが続いています。 総務省が発表した21年12月の全国消費者物価指数は、前年同月比0・5%上昇しました。4カ月連続アップです。生鮮の魚介や果物は9%台値上がりし、灯油代は36・0%増、電気代も13・4%増と暮らしに大きな負担となっています。原材料費の高騰も続いており、物価上昇の流れが収まるきざしはみえません。値上げラッシュのさなかの年金減は生活実態を無視した乱暴なやり方です。
年金減額の指標にした賃金変動率のマイナスもコロナ禍が直撃した20年度の経済の影響を受けたものです。 19年に強行された消費税10%増税による需要の冷え込みと経済悪化による賃金下落も反映しています。そもそも2~4年度前の賃金動向で、現在の年金額を決めること自体、大きな矛盾です。
増加を続けてきた65歳以上の就業者数が昨年9月以降3カ月連続で前年比を下回るなど、新型コロナの影響で高齢者の雇用環境も悪化しています。4月をこれ以上の痛みの春としないためにも年金削減路線の転換が不可欠です。
自然観察シリーズ NO.544 昆虫(8) フユシャクガ(冬尺蛾)
冬の夜、山のそばを車で走っていると、寒いのに小さい蛾がライトに照らされて、チラチラ飛んでいる事が時々あります。これがフユシャクガと云われる蛾の仲間です。
日本に七百種位いるシャクガ科のうち、冬に活動するフユシャクガの仲間は三十五種知られています。翅を持って飛んでいるのはすべてオスです。メスは翅が退化して無くなったり、短くなったりして飛ぶ事は出来ません。木の幹などに静止して、尻からフェロモンを出してオスを誘っています。寒い時に繁殖活動をする為、体表面を小さくしたり、凍る恐れのある食物を体に入れないように口も退化しています。冬の夜は天敵が少ないので安心して卵を産んで、子孫を残す事ができるよう進化したと思われます。
シャクガ科の幼虫はシャクトリムシと云われます。
相模ダムがリニューアルされます
相模ダムは1940(昭和15)年に起工され、戦後の1947(昭和22)年に完成しました。
完成から70年以上が経過し、2019年度からリニューアル事業が始まっています。23年度までの5年間は設計・準備工事等を行い、24年度から38年度までの15年間で放流・下流施設工事等が行われます。完成までにはあと16年もかかる予定です。概算工事費は約252億円と発表されています。