明日の相模湖  NO.864  2021/02/28 
    
   コロナ禍での株高
  格差広げる経済のゆがみを正せ

 日経平均株価がバブル期以来30年半ぶりに3万円の大台を突破しました。コロナ危機で消費や生産活動が落ち込む中、株価だけが上がっています。経済の実態からかけ離れた株高です。
   実体経済とかけ離れ上昇
 株価の上昇は実体経済の回復によるものではありません。海外からの投資と日銀の公的マネーが押し上げ要因となっています。
 日本の株式市場は、安倍前政権が海外からの投資を呼び込んだこともあって売買の約7割を外国投資家が占めているといわれています。
 日銀は、株式で構成される投資信託を昨年だけで7・1兆円も買い入れて株式市場に資金を投入しました。中央銀行が直接介入して株価をつり上げている国は欧米にはありません。日本だけの異常な政策です。
 株高の恩恵を受けたのは一握りの大株主です。米誌『フォーブス』によると、日本の大富豪の資産は昨年3月から倍増しています。
 それにひきかえ国民の暮らしは深刻で、2020年10~12月の個人消費は東日本大震災以来の低水準です。
 株価が上がったのは上場大企業です。中小企業の多くは存廃の瀬戸際に追い込まれており、民間信用調査会社の帝国データバンクによると、コロナ関連倒産は16日までの集計で累計1027件で、圧倒的に中小企業の倒産です。20年平均の非正規労働者は前年比で75万人も減りました。
 政府は家計と中小企業に直接届く支援を最優先で実行すべきですが、その願いに背を向けてきました。菅政権は「感染対策と経済の両立」と言いつつ「Go To」事業に固執して感染を再拡大させ、経済活動に制約を課す結果を招きました。
   大企業中心から転換を
 安倍前政権は大企業の利益を最優先させる経済政策を続けました。株価つり上げはアベノミクスの一環です。在任中2度の消費税増税は消費を冷え込ませました。菅政権はアベノミクスを継承しています。
 大企業中心の政策は日本経済をパンデミックに弱い構造にしてしまいました。このゆがみを正し、暮らしと営業を大切にする社会に転換していこうではありませんか。

   自然観察シリーズ 植物 NO.533  春一番の花 
 一月末、厚木の飯山にロウバイの花が咲いているというので訪ねました。
 ロウバイは、中国原産の樹木ですが、花の少ない一月に花を咲かせるので、各地で植えられています。甘い香りと汗ばむような陽だまりで春が来ていました。このあたりの林にはスダジイやタブノキやヤブツバキなど、暖帯の常緑樹も多く、ツバキの赤い花もすでにかなり咲いています。早咲きの梅も咲いて、春一番の花の競演です。春には周辺に三千本の桜が咲いて見事な眺めだそうです。
 飯山観音の背後は白山ハイキングコースになっていて、展望台からは厚木の街が一望です。

   世界の核弾頭一覧
 1月22日、核兵器禁止条約が発効を迎えました。「核兵器のない世界」を求める多数の国の政府と市民の共同した取り組みによる画期的な成果です。この条約は核保有国や核に依存する国を「国際法違反の国」として追い詰めていく大きな力になります。
 唯一の被爆国であるにもかかわらず菅政権は、アメリカの「核の傘」=「核抑止力」に依存し、条約への参加を拒んでいます。恥ずべき態度ではないでしょうか。核軍拡競争がもたらした膨大な核は、一発でも使用されれば人類の破滅につながります。