明日の相模湖  NO.851  2020/08/09 
    
    やまゆり園事件から4年
    「命の選別」を許さない社会を
  「津久井やまゆり園」に入所していた19人が殺害され、職員を含む26人が重軽傷を負った事件から4年になる7月26日、園内に設けられた献花台には、犠牲者を悼んで花を捧げ、手を合わせる人の姿が絶えませんでした。
 「やまゆり園」事件が、障害者・家族をはじめ多くの人にショックを与えたのは、犯行の残虐さとともに、「障害者は不幸をつくることしかできない」などの異常な言動でした。これは、人間に優劣をつけ「劣った命」は奪ってもいいとする「優生思想」そのものです。元職員がなぜ、ゆがんだ価値観に凝り固まり、殺人を実行したのか。裁判では、その過程はほとんど明らかになりませんでした。
 事件後、地元住民を中心に「共に生きる社会を考える会」が結成され、同会は事件を風化させない・二度と同じような事件を起こさせないことなどを願って活動し、毎年命日には最寄りの公民館で「偲ぶ会」を行ってきました。しかし今年はコロナ感染拡大防止を考慮し、献花と追悼の言葉で犠牲者を偲びました。

    第42回相模湖・ダム建設殉職者合同追悼会
  毎年7月の最後の日曜日には、相模ダム建設殉職者の合同追悼会が相模湖交流センターのホールで実行委員会の主催で行われてきました。今年は「コロナ感染防止」のために、ホールでの式典や記念館での資料展示会等はとりやめ、アートギャラリーで追悼の「献花」のみが行われました。
 天候不順の中、多くの方が訪れ、花を捧げ、追悼と関係国の平和・友好を願って手を合わせていました。

   自然観察シリーズ 植物 NO.520  ハマナス 
  ハマナスは北国の海辺に生える落葉低木で、初夏に薄い赤紫色の花を次々に咲かせるバラの一種です。
 先月、私はついに日本最北端の地、宗谷岬に立ちました。近くにはハマナスの花もまだ咲いていました。船村徹作曲の「宗谷岬」にはハマナスも唄われています。
 ハマナスは、太平洋側は茨城県が南限で、日本海側は鳥取県が南限です。日本以外では、東アジアの温帯から寒帯に分布しています。北海道ではどこの海辺でも見られ「知床旅情」などにも唄われています。
 花のあとの実は、生のままかじると酸っぱいので、ジャムなどに加工します。我々一行は宗谷岬から稚内港に行き、対岸にそびえる利尻島へ向かうべきフェリーに乗りました。

   コロナストレス
  新型コロナの感染は収まるどころか拡大するばかり。東京では連日最高を更新している。首都圏や全国の主要な県でも同様な状況になっている。3ヶ月半、感染者ゼロが続いていた岩手県でも新たな感染者が発生。この感染者の勤め先やネット上には中傷や差別発言が相次いでいるという。
 少し前の報道だが、感染者が発生した病院や施設に勤めている人が、子どもを預けている保育園から、本人は感染していなくても「預かれない」と断られているケースがいくつもあった。命がけで治療や介護に従事している人たちが安心して仕事に打ち込めない社会はどこかおかしい。
 私は持病があり、八王子の病院に定期的に通っているが、電車も病院も感染リスクが高い場所と思われるので、つり革やエスカレーターの手すりなどには触らないようにしている。当然マスクを着用しているが、これから猛暑が続くようで、熱中症にも気をつけなければならい。ストレスはたまるばかりだ。(E)