自然観察シリーズ 山
 NO.598 〈キノコ〉  キヌガサタケ(衣笠茸)
 お盆を前に、実家のお墓の掃除をしようと墓地に続く竹林の小路を登って行くと、真っ白いレース状のマントを広げたキノコが、数本地面から生えていました。
 「キヌガサタケだ!」と、私は一人喜んで写真を撮りました。このキノコは竹類と共生し、朝のうちはきれいな姿で見られても、昼頃には姿も崩れて溶けてしまうのです。だから今まで良い写真は撮れていませんでした。先端の黒い帽子のような部分はグレバと言われ、胞子のある所でベトベトしていて、悪臭がします。匂いに誘われてハエやシデムシなどの昆虫が訪れて、グレバを舐めて胞子を拡散しています。
 思いがけず、この珍しいキノコに出合ったのも、いつも一人でお墓の掃除をしているのを、先祖が感謝して見せてくれたんだと強く感じました。
 キヌガサタケはグレバの部分を良く水で洗い流して、全体を乾燥させれば中華料理の高級食材になります。
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NO.599 〈キノコ〉  チチタケ(乳茸)
 チチタケは夏から秋の初めに発生するキノコです。コナラ、クヌギの雑木林の風通しの良い尾根などの地上に生え、中位の大きさ。カサの色はオレンジかかった赤褐色で、ヒダや茎は白いです。ちょっと突っついただけで白い乳液が出て垂れます。
 栃木方面では特にチチタケが好まれる傾向があるようで、お盆にチダケうどんやチダケそばを食べる習慣があるそうです。夏頃出るのでキノコ狩りの対象にしてなかったのですが、今年久し振りに見つけたチチタケをナスと共にスライスして、めんつゆで油いためしてソバに載せて、つゆをかけておいしく食べたのです。あとで調べたら、白い乳液は旨味の素なので、洗わないのが良いとのことでした。
 チチタケはカサが取れやすいので、ある植物の真っすぐな茎に刺して持ち帰ったので、その名がチダケサシと付きました。チダケサシは夏の高原などの少し湿った所や、霧の多い所できれいなピンクの花を咲かせています。
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