自然観察シリーズ 植物
 NO.576 〈キノコ〉 ハタケシメジ  キシメジ科シメジ属
 やっと涼しくなった先日、陣馬山へ続く明王峠へ登って行きました。平坦になった杉林の道脇に、傘が黒いキノコが株になって生えていました。ストックで突くとしっかりした固さが感じられるキノコで、直感でおいしいハタケシメジと判断しました。まだ幼菌で傘の開いた時より黒かったので、ちょっと迷いましたが、茎の太さとしっかりした固さが特徴です。
 ハタケシメジは「匂いマツタケ味シメジ」と云われるホンシメジに近縁で、優秀な食菌で栽培もされます。生える所は山の林の中というより、人里に近い林道脇や、公園や家の裏庭やキャンプ場の地面に見られ、根元をたどると地面の下に埋もれた木片から生えているのがわかります。味にくせは無いので、そのまま煮物、焼き物、炒め物、何でも利用できます。
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NO.577 アワコガネギク 別名 キクタニギク
  アワコゲネギクは、黄色い花が枝先に集まって咲く様子から付いた名前です。以前は里山の日当たりの良い斜面などに普通に見られた野菊の一つです。しかし今では、非常に少なく絶滅しそうです。私が津久井一帯を調査し、生育を確認したのは三ヶ所だけでした。その一ヶ所が与瀬の旧甲州街道の道路脇の上にあるお宅の石垣に生えているもので、道路に垂れ下がるように咲いていました。一メートル位に株で生えていて、茎は固く木質化しています。11月になると、小さな黄色をいっぱい咲かせます。
 少なくなった原因は増えすぎた鹿の食害と考えられ、鹿でも近づけない所だけ残っていると思われます。別名のキクタニギクは、京都の菊谷という地名から呼ばれます。
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