自然観察シリーズ 山
 NO.568 津久井の低山⑨ 生藤山・茅丸
 生藤山(九九〇・三M)は、神奈川県では最北の山で、三角点があるので、この山域の代表ですが、すぐ東のピークの茅丸の方が一〇一九Mと連行山が一〇一六Mで千Mを超えています。そして生藤山の西にあるピークが三国山、九六〇Mで、神奈川・東京・山梨の接点になっています。以前は桜と富士山や山梨方面の山々の見渡せる好展望の所でしたが、最近は雑木や植林の杉や桧が伸びてすっかり見えなくなっていました。生藤山から連行山の間は小仏層の岩場でけっこう険しく、気を付ける所ですが、富士山の眺めは素晴らしいです。私はこの山の麓で生まれ育ったので何十回も登っています。登路は佐野川の鎌沢コース・和田コース・上岩コース・和田峠からのコース・上野原の井戸コースなどあり、連行山からは檜原村へも行けます。
 標高が高くなると植生も変わり、麓のコナラがミズナラになったり、ブナやマンサク・カタクリ・ホツツジ・バイカツツジ・ミツバツツジ・ヤマボウシ・ホソバテンナンショウ・ヒトツバテンナンショウなど見られ、春から初夏、楽しませてくれ、ヤマナラシの葉が風に揺れ、サラサラと涼しい音を響かせてくれました。
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NO.569 津久井の低山⑩ 雨乞山
 雨乞山は串川の対岸に見える小高い山です。東側に三増峠、西は韮尾根、南は志田峠の間に位置しています。
 標高は四二九Mと低い山で、全体に杉や桧の林と常緑樹が多いので、山頂の眺めは良くありません。しかし串川に面した斜面は春の時季、サクラが一斉に咲いて桜山となります。
 「稲生の桜山」として名所になっていて、道路からも良く見えます。ピンクの山肌がとても目立ったいました。地元の人の話によれば、昭和の中頃、何かの記念に植えたのが今はだいぶ古木になり、枯木も目立つようになって、高齢になった人達も手入れが大変とのことでしたが、政令市移行記念や中学生卒業記念など、新しく植えたサクラも育っていました。下草はきれいに刈られて眺めも良く、気持ちが良い所です。
 三月中旬になると、桜山の麓にはカタクリの花が咲いて楽しませてくれます。桜山の尾根を登って約一時間で山頂に着き、西側の韮尾根へ下れば広い畑地に出て、畑の中の道路を景色を楽しみながらぐるっと回って下れば、串川の川べりにもどれます。
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