自然観察シリーズ 山
 NO.566 「竜」の字の付いた植物
 新年おめでとうございます。
 今年は辰年(竜年)という事で、竜の字の付いた植物を調べて見ました。
 竜脳菊(リュウノウギク)、竜胆(リンドウ)、竜の髭(リュウノヒゲ)、竜舌蘭(リュウゼツラン)などありました。このうち竜舌蘭はメキシコ原産の園芸植物です。他の三種は日本に広く自生する種類です。 竜脳菊は秋遅く山の日当たりの良い崖などに見られる野菊で、白い花を咲かせ、葉をもむと竜脳(樟脳)の香りがする事で付いた名前です。
 リンドウは根が苦く、胃の薬に用いたので、竜の胆嚢のように苦いという意味で竜胆と書きます。竜の髭は林の縁や土手などに生え、細い葉を根元から束生して茂り、秋に株の中に鮮やかな青色の果実を実らせています。子どもの頃、條竹で作った「突き鉄砲」の弾として遊んだなつかしい青い実です。
 話は変わりますが、元日に初日の出のダイヤモンド富士を、その名も「竜ヶ岳」という山から見るというツアーに参加し、見事な富士山頂から昇る太陽に感激しました。その夕方、能登半島地震が起こり、大変な被害が出ている事に、あけましておめでとうとは云いにくいお正月です。
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NO.567 コミヤマスミレ(小深山菫)
  昨年の春、嵐山の日影の沢の所に生えていたスミレが相模湖で初めて確認した(津久井管内でも初めて?)コミヤマスミレだと解りました。
 コミヤマスミレは福島県から屋久島までの太平洋側に生え、沢ぞいの日影地に見られる種類です。このあたりでは、高尾山の沢ぞいの登山道(6号路)でしか見られる所が知られませんでしたが、数日後、高尾山へ見に行った時の写真と見比べて解りました。
 花の咲く時期は、スミレの仲間では遅い方で、4月下旬から5月初旬のゴールデンウィークの頃で、白く小さめの花を咲かせます。葉は根元から数枚出て卵形で、茶色がかった緑色をしています。
 高尾山では、花観察の人も多く訪れますので、写真を撮っていると何人もの人が足を止め、花談議に文字通り花が咲きました。
 嵐山のコミヤマスミレは数株しかないので大切にしましょう。
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