自然観察シリーズ 植物
 NO.564 津久井の低山⑧ イタドリ沢の頭
 藤野駅を降りて沢井トンネルをくぐると、春には土手にカタクリの花が咲いています。
すぐ近く右下へ下る階段を降り、下の道路への近道でこちらにもカタクリが群生しています。下の道路に出て右に進んで中央電子の会社を過ぎ、集落を過ぎた所で左上に行く登山道があります。ここがイタドリ沢の頭(五〇六M)の入口です。足元のスミレや、キジムシロなどの春の花を愛でながら登ると、このあたり野生の桜の一種、エドヒガンの白い花が頭上に見られます。このエドヒガンは相模川以北の小仏山地にはたくさん見られ、吉野や沢井や佐野川の山には普通ですが、不思議な事に相模川以南の山には嵐山に見られる位で、ほとんど分布してない事です。この先、尾根道は桧などの植林地で眺めは少なくなりますが、急登で苦しくなった頃「イタドリ沢の頭」の山頂に着きます。漢字で「虎杖沢の頭」五〇五・八Mという標識があります。眺めは無いが休憩に良いベンチがあります。この先は穏やかな道が杉林の中や気持ちの良い雑木林に続き、急坂を登ったピークが「矢の音」山頂六三三Mで、県の気象観測装置が建っています。一端下れば与瀬神社から「明王峠」七三九Mへの登山道に合流します。
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NO.565 昆虫 14 ミノウスバ
  今回は昆虫の話です。
先日、ミノウスバという蛾の一種を近くで見つけました。この蛾は開張3センチ位の小さな種類で、体にオレンジ色の長い毛が生えています。飛んでいる姿が「小さなエビフライ」と云われたりします。昼間活動する蛾です。
 幼虫は春、生垣にしたりするマサキやマユミなどのニシキギ科の木の葉を食べます。夏はサナギの形で越し、晩秋の十一月中旬頃、成虫は羽化します。秋遅くになって発生するのは珍しいと思います。翅には鱗粉が無く、半透明です。オスの触角は櫛毛状で、メスの触角は糸状です。
 蛾というと、夜バタバタと灯火に飛来して、粉っぽくて色も地味だったり、気持ち悪いと思う人もいるかと思いますが、昼間活動する種類もかなりあり、蝶の仲間のように色鮮やかであったり、花に盛んに吸蜜に飛んでいるホウジャクの仲間など、多種多様です。
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