自然観察シリーズ 植物
 NO.560 津久井の低山⑤ 仙洞寺山
 仙洞寺山(五八三m)は、青山と鳥屋にかけてある低山です。
 青山の八坂神社から林道を辿るのが一般的です。林道を歩いてすぐに関東では少ないシダのウラジロが、かなりまとまって生えています。私が調査した津久井地域の自生地5ヶ所のうち、一番大きな自生地です。林道は八合目位で山頂をぐるっと一周していますが、一般車は入れません。八合目にある森作りをしている団体「フォレスト21」の拠点の広場から山道になり、山頂をめざしましょう。
 春はヤブツバキやダンコウバイ、ヤマザクラが咲いて、東側の眺めが良かったのですが、現在は植林した木が育って良く見えなくなっています。緩やかになった尾根を大木の茂る奥へ進むと、一番鳥屋に近い所が最高点です。山名の由来の仙洞寺は現在と違って山の中腹にあったとのことです。戦国時代はここも烽火台だったのがわかっています。
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NO.561 マルバマンネングサ(丸葉万年草)
 マンネングサはベンケイソウの仲間です。多肉で水分が多く乾燥に強いので、なかなか枯れず押葉標本にするにも苦労する植物です。それが弁慶草という名前になっています。
 マルバマンネングサはNHK朝ドラ「らんまん」に登場する牧野富太郎(ドラマでは槙野万太郎)博士が発見した植物なので、私も注意して探していたら、底沢の道路脇にそれらしい丸い葉をしたマンネングサを見つけました。私は初めての種類でまだ花も咲いていなかったのですが、直感でこれだと思いました。現地にはかなり広く道路脇から石垣に広がっていました。6月頃行ってみると、黄色い星形の花が咲き出していました。直径は8ミリ位の小さな花が、7月始め頃までいっぱい咲いていました。
 マンネングサの仲間には、高山の岩場や、ブナの大木の幹や、渓流の岩上や、海岸の砂地など、いろいろな環境に適応した種類がいろいろあります。
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