自然観察シリーズ 植物
 NO.556 津久井の低山① 浅春の峰山
 冬から春は近郊の低山歩きを楽しんでいます。2月中旬、藤野の牧野地区にある峰山に登りました。
 峰山は標高五七〇Mで牧野地区のほぼ真ん中にあり、山頂に神社があり、それを囲むモミやスギがあるので山が尖って見え、どこからでもそれと解る山です。 山頂からは南側に壁のように丹沢と道志の山がせまり、東側に石老山が眺められます。牧野地区の四方から登る事も下ることもできるので、いろんなコースを楽しめます。
 山麓を歩くと、丁度土手いっぱいのフクジュソウの黄色い花が輝いていました。家々の庭のウメの香りを嗅ぎながら、車で通っただけでは気付かない景色や神社やお寺や、人々の暮らしが見られて楽しいです。
(注意=最近牧野地域の山は山蛭が発生しますので、山蛭の嫌いな人は11月頃から3月頃が適期です。)
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NO.557 津久井の低山② 藤野鷹取山山稜 
  藤野駅を出て、沢井隧道の手前を右に入り中央高速をくぐると、藤野神社に続くハイキングコースがあります。急階段を登り藤野神社にお参りして歩いて行くと、中央道の裏手の尾根に続き、日連アルプスの向こうに石老山や峰山、その奥に丹沢が眺められます。間もなく岩戸山(関野山)三七七Mに着きます。山頂には与謝野晶子の歌が書かれた説明板がありました。
 「関野山(岩戸山)青瓦の家のかがやくに似て桂川そのかたへ行く」
 昭和十五年、病に倒れた晶子は、上野原市松留にある「依水荘」に転地療養し、そこから眺める岩戸山(関野山)を、その方向にある自宅の屋根瓦に例えて、同時に夫の鉄幹が眠る多磨霊園を思って詠んだ歌だそうです。
 さて再び歩き出し、その先も緩くアップダウンを繰り返し、小渕山を過ぎて、一番奥に鷹取山四七二・四Mに着きます。戦国時代の武田・北條の接点であるこの山は、のろしを上げた山です。このような小高い烽火台の山は津久井や都留一帯はたくさんあります。
 2月下旬でも日当たりが良く、アセビやダンコウバイの黄色い花も咲き出して、殺し合いのない、自由にどこでも歩けるこの時代で本当に良かったと思う早春の一日でした。
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